アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

第28回東京国際映画祭:私のDAY 2

2015-10-24 | アジア映画全般

TIFF出勤2日目。電車の乗降口も、六本木駅の出口に近いところにちゃんと乗れるようになりました。ヒルズに近い出口から出ると、例年のようにポスター街道となっています。


地上というか、ヒルズの中庭にもポスターの掲示板があります。でも、昨年から経費節減で、お祭り気分を煽るアイテムは控えめになりました。


さて、そんな中本日は、TIFFで上映されるインド映画2本をDVDで一歩先に見ることに。それと、プレス上映で中国映画を1本見ました。 

『ジャイ・ホー~A.R.ラフマーンの音世界』
2015年/インド/ドキュメンタリー/英語・ヒンディー語・タミル語/分/原題:JAI HO- A Film on A.R. Rahman
監督:ウメーシュ・アグルワール
本人出演:A.R.ラフマーン、アンドリュー・ロイド・ウェバー、ダニー・ボイル、シェーカル・カプール、マニラトナム、K.バーラチャンデル、アルカー・ヤーグニク、ハリハラン、ラーム・ゴーパール・ヴァルマー、アーシュトーシュ・ゴーワーリーカル、スバーシュ・ガイー、ラージクマール・サントーシー、グルザール、ジャーヴェード・アクタル、ラフマーンの母&姉、など


世界的には、イギリス映画『スラムドッグ$ミリオネア』(2008)でアカデミー賞の作曲賞を受賞した作曲家として、そしてインドでは、マニラトナム監督作品『ロージャー』(1992)以降、数え切れないヒット音楽を世に出している作曲家として知られるA.R.ラフマーンを追ったドキュメンタリー映画です。上にコメントを寄せているビッグネームの人々を書き出してみましたが、彼らの話も面白いものの、ラフマーン自身の語りが軽やかで引き込まれます。いっそのこと、全編彼の語りだけで進行してもよかったのでは、と思うぐらい。

Chinna Chinna Aasai Song | Roja Tamil Movie HD | Arvind Swamy | Madhubala | AR Rahman | Maniratnam

映画のクリップは、上に付けた『ロージャー』に始まって、『ボンベイ』(1995)、『Rangeela(ギンギラ)』(1995)、『ディル・セ 心から』(1998)、『Taal(リズム)』(1999)、『Pukar(呼び声)』(2000)、『ラガーン』(2001)、『Jodha Akbar(ジョーダーとアクバル)』(2008)などが登場します。そして、彼のLAの自宅や、チェンナイにある専用スタジオ、映画音楽を作曲する専用ブースなど、貴重なシーンもいっぱい登場。コンサート映像もあり、インド映画ファンなら胸が高鳴る内容となっています。ついでに、A.R.ラフマーンの公式サイトを付けておきましょう。そうでした、中井貴一が出演した中国(+香港&アメリカ)映画『ヘブン・アンド・アース 天地英雄』(2003)の音楽もラフマーンの作曲でした...。

『If Only』
2015年/インド/英語・ヒンディー語/106分/原題:Kaash/英語題名:If Only
監督:イシャーン・ナーイル
クリエイティブ・プロデューサー:シミト・アミーン、イルファーン・カーン、ミーラー・ナーイル
主演:ニディ・スニール、カーヴャ・トレーハン、ヴァルン・ミトラ、カルキ・ケクラン


今回DVDを見て、初めてヒンディー語題名が『Kaash(カーシュ、~ならよかったのに、の意味)』であることを知りました。物語は、まだ芽の出ない女優サミーラ(ニディ・スニール/上写真右)と別れ、一人アフマダーバードにやってきたカメラマンのアーディル(ヴァルン・ミトラ)を軸として展開します。アーディルはネットで知り合ったアフマダーバード在住の女性クシャーリ(カーヴャ・レーハン/上写真左)に案内してもらって、カッチ地方へと旅に出ます。旅先で知り合ったヒッピー風旅行者のエリザベス(カルキ・ケクラン)とそのケーララ人のボーイフレンドとも交わりながらアーディルは旅をするのですが、甦る記憶はサミーラとのこと。別れたはずのサミーラから電話がかかってきて、アーディルの心は揺れていきます...。

見る前はハイソな若者たちの恋模様を描いた倦怠感溢れる作品では、と思っていたのですが、これがなかなか。時に俗っぽい描写はあるものの、クシャーリとその親友の女性ラッキー(シカー・タルサーニアー)のキャラがとても魅力的で、映画に厚みとリアリティを与えています。肌の色が黒いコンプレックスを持ち、自分を売り込むための様々なストレスに耐えているサミーラ、そして飄々としたエルスベスという4人の女性が存在感を放ち、面白いアンサンブルの作品となりました。『サラーム・ボンベイ!』(1988)などの監督ミーラー・ナーイルの甥だというイシャーン・ナーイル監督、ミーラー始めイルファーン・カーン、シミト・アミーンらのバックアップを受けて、新感覚のインド映画をまた1本誕生させました。

あと1本はプレス試写で見たこの作品でした。 

『少年バビロン』
中国/2015年/中国語/100分/原題:少年巴比倫
 監督:相国強(シアン・グオチアン)
 主演:(トン・ツージエン)、(リー・モン)、(シャン・ティエロン)


ステキなタイトルに惹かれて見てみたら...。何だか収拾がつかなくなってしまった感のある映画で、いまひとつ楽しめませんでした。1990年代の青春を、路小路(ルー・シャオルー)という工場勤務の青年と、その工場の医師である白藍(バイ・ラン)の恋を軸に描くストーリーなのですが、寓意だか何だかよくわからないエピソードがバラバラと詰め込まれ、とっちらかった印象に。それにしても、「マドンナの存在に喚起されたノスタルジー」路線の中国映画、多いですねー。

少年巴比倫線上看

さて、今日は早く寝て明日に備えます~。



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