さっちゃんをお迎えに行くためにクルマで出た。
家から出て、まずは右折する。すぐに信号のある交差点にでる。
お家からすぐそこにある、本当に近くの交差点。
信号が赤なので、停車する。
いつもだったら、白い停止線のところで。
が。
どういうわけか?自分でもよくわからないのだけど、
その日に限って、停止線のだいたい30mくらい手前でクルマを止めてしまった。。。
「あれ?なんでここで止めてしまった?」
と思った時に、交差点に左折で入ってきたクルマが、
真っすぐ僕の真っ正面に迫ってくる?!
なぜ?って、理由なんて僕にはわからないんだけど、
ちゃんと曲がれずに反対車線を逆走してきたクルマに
対処できることなんて、本当になにもない。
ドライバーの顔を見る。
明らかに老人。
70才代? 80才代?
でも、老人は僕と目も合わさない。
僕のクルマの目の前で急ハンドルを切って、
走り去って行く。。。
目の前の信号が青になる。
衝突は免れた。
でも、本当に幸運としかいいようがない。
停止線のはるか手前で停車したなんて。。。
ゆうにクルマ4、5台分の距離を空けての停車なんて、普通ならやらない。
ただ、なぜかそこで止まった。
ただ、僕はツイていた。
幸運を喜んでばかりもいられない。
だが、自分が努力するだけではどうしようもないことでもある。
もういろんな考えがグルグル回って、なかなか頭の中を整理できない。。。
思い出すと、本当にこわい。。。
人の顔を見ずに走り去ったあの老人の顔が。。。
言葉でなにかを言うことさえためらわれるほどの事故が何件も起こった今年。
このごろでは免許返納の件数も増加傾向にあるという話を聞く。
そのこと自体は歓迎すべきことだろうと思う。
ただ免許返納の「件数」というのは、そのまま単純に捉えられない
気もする。。。
返納について真剣に考え、実際に返納という行動に移れる方々。
免許を手放すことを自分で選択できた方々。
経緯やご事情はいろいろあると思うのですけど、
本当に尊敬すべき先輩方だと思うのです。
免許を返納した大多数の方々というのは、実はかなり高い
レベルでの安全運転を現在でも期待できる方々なのではないか?
つまり、安全に意識の高い方々が免許を返納されているのではないか?
なにかあったときに、相手の目を見ようとさえしない、
まともなコミュニーケーションさえ期待できない、
そういった老人に、自分で免許を返納することを期待する?
このこと自体にムリはないだろうか?
自分だっていつか免許を手放すべき時がくる。
合理的に、簡単に片付けることができないテーマだけど。
やっぱりね、個人の考えなんてなかなかまとまるもんじゃありません。
ただ、あの老人の顔を思い出すと、いまだにこわい。。。
まだ、あの老人がこの近所で運転しているのかと思うと、
本当にこわい。