先月末のこと。
伊勢原の日向薬師を久しぶりに訪ねてみた。
10年ぶりの再訪。
きっかけはどこかで拾ってきたフライヤ。特別展があるというので。
特別展と言っても、日向薬師の御本尊を拝めるわけではなく。
なんでも、ちょっとばかり、照明に工夫を凝らしてみたという。
きっかけは何でもよろしい。
僕らが10年前に訪ねたときは、平成の大修理直前のことだった。
あれからもう10年も経ってしまったのか〜と嘆息するだけでは、ホントに時間が過ぎただけになってしまいそう。
だったら、これをきっかけとして、拝見しに行こうではないかと。
近くにいらっしゃるのだから、いつでも行けると思いきや、なにか現世的なものとは別種のお赦しがなければ対面できるものではないのかもしれん。
ふとそんなことを思いつつ、薬師如来と日光菩薩、月光菩薩の前に立った。
胸に去来することのあまりの多さに、しばらくは静かに眺めていた。
以前、お訪ねしたときに宝物殿で丁寧に説明していただいた方がお元気でいらして、
今回の特別展での照明のアレコレについて、熱心に説明されている。
その光景になぜかほっと安心したりする。
この10年の間に、僕らの身の回りはとにかくいろんなことが様変わりしてしまった。
しかし、変わらずにあり続けていることのありがたさというのも確かだった。
新しく屋根を葺き替えたという本殿も、キレイになってはいるけど佇まいはそのまま。
ま、大修理と言っても「修理」ですからね。
そのままということが修理の成果。
思うことはたくさんあって、ひとつひとつ書いてはおけないのだけど、
「また来ましょうね」とさっちゃんが言うのだから、身近な薬師様にはまた挨拶にお伺いしたい。