前回の投稿以来長いインターバルとなってしまい大変
申し訳ありませんでした。更新頻度が低下していますが
これからも宜しくお願いします。
コラムの著作権は村松弁護士本人に帰属します。
このブログ以外での引用等は固くお断りいたします。
99年8月16日 日刊帝国ニュース
弁護士ウオッチング 弁護士 村松謙一
信用不安の回避=倒産の回避(下の3)
3.返済計画書の作成
次に、前述の事業計画書から算出された返済原資並びに
その80%にあたる「具体的返済予定額」を頭にして
各金融機関、或いは未払金、未払租税公課の返済計画案
を算定することになります。
ここで注意すべきことは、法的優先性のある返済と
一般債権の返済をまず区分けしておく必要があると
いうことです。
1)例えば、租税公課は破産法上、財団債権として、
最優先して支払われるべきであり、ユーザンスの
未払等についても、譲渡担保性を有する債権として、
優先して支払うことが公平でしょう。
2)又、工場等に担保設定していて、競売などを
されては再建計画が履行できないような担保権者に
対しては、別途、弁済協定書を取り交わし、返済を
続けている限りは、担保権の実行をしないで欲しい
旨の約束を取り付けることが肝要です。
3)一般債権者に対しては、全体の一般債権額を
分母に、個別の債権者の債権額を分子にして、
按分比率をした比率に基づいて、前述の「具体的
返済予定額」を割り付けていくことが、公平の
原則に合致します。
4)その際、極めて少額の債権者については、
実質上公平の原則、会社更生法上の少額債権者
救済の理念に基づき、一般債権者より若干返済額
において、有利に扱っても、不公平とは言えないし
その旨の理解は得られるものです。
4.担保設定状況表
1)会社の資産を全て明示し、各金融機関がどの
不動産に担保設定をし、その順位が全体として
どの位置にいて、自行の保全状況がどうなって
いるかを明確に示して、全金融機関に公示する
のが肝要です。
これにより、金融機関側においても、自己の
担保のポジションが確認されると共に、万一
破産になってしまったら、保全状況がどの程度
悪化するか、換言すれば、破産せずに再建できれば
どの程度の保全状況の悪化(例えばマイナス3億
円)を防げるかの判断が可能となるからです。
2)担保設定状況表作成のポイント
この担保設定状況表についても、再建時の
担保評価(ゴーイングコンサーンバリュー)と
破産となって会社を清算した場合の不動産の
処分評価(競売手続における評価)の2通りを
用意してあげると、両者の比較ができ、再建の
メリットをより強調できるでしょう。
以下次回に続きます。
申し訳ありませんでした。更新頻度が低下していますが
これからも宜しくお願いします。
コラムの著作権は村松弁護士本人に帰属します。
このブログ以外での引用等は固くお断りいたします。
99年8月16日 日刊帝国ニュース
弁護士ウオッチング 弁護士 村松謙一
信用不安の回避=倒産の回避(下の3)
3.返済計画書の作成
次に、前述の事業計画書から算出された返済原資並びに
その80%にあたる「具体的返済予定額」を頭にして
各金融機関、或いは未払金、未払租税公課の返済計画案
を算定することになります。
ここで注意すべきことは、法的優先性のある返済と
一般債権の返済をまず区分けしておく必要があると
いうことです。
1)例えば、租税公課は破産法上、財団債権として、
最優先して支払われるべきであり、ユーザンスの
未払等についても、譲渡担保性を有する債権として、
優先して支払うことが公平でしょう。
2)又、工場等に担保設定していて、競売などを
されては再建計画が履行できないような担保権者に
対しては、別途、弁済協定書を取り交わし、返済を
続けている限りは、担保権の実行をしないで欲しい
旨の約束を取り付けることが肝要です。
3)一般債権者に対しては、全体の一般債権額を
分母に、個別の債権者の債権額を分子にして、
按分比率をした比率に基づいて、前述の「具体的
返済予定額」を割り付けていくことが、公平の
原則に合致します。
4)その際、極めて少額の債権者については、
実質上公平の原則、会社更生法上の少額債権者
救済の理念に基づき、一般債権者より若干返済額
において、有利に扱っても、不公平とは言えないし
その旨の理解は得られるものです。
4.担保設定状況表
1)会社の資産を全て明示し、各金融機関がどの
不動産に担保設定をし、その順位が全体として
どの位置にいて、自行の保全状況がどうなって
いるかを明確に示して、全金融機関に公示する
のが肝要です。
これにより、金融機関側においても、自己の
担保のポジションが確認されると共に、万一
破産になってしまったら、保全状況がどの程度
悪化するか、換言すれば、破産せずに再建できれば
どの程度の保全状況の悪化(例えばマイナス3億
円)を防げるかの判断が可能となるからです。
2)担保設定状況表作成のポイント
この担保設定状況表についても、再建時の
担保評価(ゴーイングコンサーンバリュー)と
破産となって会社を清算した場合の不動産の
処分評価(競売手続における評価)の2通りを
用意してあげると、両者の比較ができ、再建の
メリットをより強調できるでしょう。
以下次回に続きます。