「督促OL修行日記」/榎本まみ(文藝春秋)
タイトルが面白そうで、それだけで借りた本です(笑)
N本(著者)は、新卒でクレジットカード会社に入社し、督促を行う
コールセンターに配属された。 そこでの業務はキャッシング債権の回収。
1時間60本ものノルマの入金要請の電話をかければ、
客からの罵声、怒声、脅しのオンパレードのお返し。
時には、政治団体の装甲車がフルボリュームで乗り込んでくる。
ごくごく普通の話しベタで気弱なOLが、コールセンター最大の300人の
オペレーターに指示するチームに最年少で選出され、
年間2000億円の債権を回収すに至った経験談を語る。
当然ながらな、電話をする客の殆どが支払困難者。
もちろん一筋縄ではいかない御仁たち(笑)
あまりのハードワークに女子社員はすぐに辞めてしまい、
職場は「男子校」と呼ばれていたほど。
逆“大奥”ですが、そんな余裕はなさそう(笑)
彼女とて客と上司との板ばさみ、超ストレスで体重も入社半年で
10キロ減ってしまったそうな。
うーん、ダイエットには効果的かな(笑)
そんな職場なのだが、コールセンターは他業種よりも時給が高いので、
募集をかけるとたくさんの応募があるのだそうだが、
30人採用しても2ヵ月後には5人しかいないとか・・・。
彼女は生き残るために、ハードな職場で心を守る方法や、
相手を怒らせずに言いにくいことを伝える交渉術を研究。
また、先輩社員の仕事ぶりを観察しつつ、自分にも取り入れていくうちに
この仕事のコツと、力の配分を覚えていくようになった。
著者は、「今、お仕事で辛い思いをしている方がほんの少しでも
笑ってくれたら、そしてこの本から理不尽な出来事から心を守る盾や、
相手に言い返せるようになる武器を得てくれたなら、
とても幸いに思います。」と。
ま、ああ言えばこう言う、ない袖は振れないという一筋縄ではいかない輩を、
言いくるめ、宥めすかし、納得させ、支払わせる、言わば社会の重箱の隅を
つつくようなお仕事ともいえる督促なのだが、彼女なりの創意工夫は
どんな仕事においても、どんな業種においても行われていることで、
それに絶えられない者は排除されていくのが世の常。
ま、そういう意味では面白おかしく読ませてもらえたが、
残念ながら参考に出来るような事柄は少なかったかなぁ(笑)
目 次
01 ここは強制収容所?
02 “ブラック部署”の紅一点!
03 ストーカー疑惑と襲撃予告
04 謎の奇病に襲われる…
05 自分の身は自分で守る
06 N本、大抜擢される
07 自尊心を埋める
08 濃すぎる人間修行
09 センパイ武勇伝
10 合コンサバイバル
11 仕事からもらった武器と盾
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