「残り全部バケーション」/伊坂幸太郎(集英社)
恥ずかしながら・・・伊坂幸太郎氏の作品を読むのは初めてでした
原作の映画化は何本か観ていたのですが・・・。
夫の浮気が原因で離婚する夫婦と、その一人娘。
その家族がバラバラになる日に、父親のPHSに見知らぬ番号から
「友達になろうよ」というメールがくる。 ひょんなことからメールを出した岡田と
名乗る若い男とドライブすることにある。 しかしながらその岡田という男、
物静かで人当たりはいいが、実は裏の世界で生きる男だった。
そもそも岡田の兄貴分である溝口から、この商売から抜けるために出されたのが
この無作為メール。 しかしながらこのコンビがそこに至るまでの出来事(事件)が
様々に絡み合ってくるから面白い。
起承転結の順番が多少変わってくるのだが、実に人物像がわかり易い。
そして、物語の時間の多くを割いて描かれている、溝口と雇い主の毒島。
そこに任侠ではないが、描かれる模様がなんとも昔あったビデオシネマのようで
何故か近いところで毒島=伊藤四朗となってしまう(笑)
何も考えずに岡田と行動を共にし、オチに近づくにつれ実は只者ではない
もう一人のキレ者溝口が正体を現してくる。
この冒頭での、「友達になろうよ」メール。 実は著者の携帯に実際に
「友達になってくれない?」というメールが届いたそうだ。 で、面白いから
奥さんに「返事してもいいかな?」って聞いたら、「何人乗りか聞いて」と切り
返されたそうな(笑) そんなことがキッカケだったそうですよ
通勤電車の中でこの本を読んでいたけど、何度乗り越すところだったか(笑)
少し伊坂幸太郎にハマってみるかな~
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