こんなんだったのが・・・
3日後にはこんなんになっていました。
さて、ブログを休んでいる間には、色んな事があったのですが、その中でも、筆頭に近い事が、今日のブログのタイトルの事です。
事件(と言うのも、チト大げさですが・・・)が起こったのは、3日(水曜日)の夜8時くらいだったと思います。
食べ物のトレーを、燃えるごみ用のゴミ箱に、何気なく入れたときに起こりました。
四角い30リットルくらいの大きさの、上蓋が着いている、よくご家庭の中にあるゴミ箱です。我家は台所に置いてあって、ゴミ箱の中に、買い物袋を入れて有ります。
さて、ゴミ箱の蓋を開けてトレーを入れた途端でした。左手の小指に激痛が走りました。 10年ほど前でしょうか、スズメバチに、首の後ろを刺された事がありましたが、その時の痛み以上の激痛でした。
その激痛の瞬間は、余りの痛さに、咬まれたとか、刺されたという発想はなくて、釘とか、錐に刺さったと言うような・・・私の拙い文才では伝えきれない痛みでした。
思わず手を引っ込めたのですが、なんだったんだと蓋を開けてゴミ箱を覗くと・・・、のそのそと下に潜り込んで行く昆虫が見えました。一瞬で「クモだ!」と思いました。見た感じは、便所虫というか、コオロギのような・・水澄ましの様な昆虫でした。
左手の小指が、あっという間に硬直してきて、「毒グモに咬まれた」と言う事が、ハッキリ認識できました。すぐに流水につけて、冷やすと共に、毒を洗い流し始めました。5分ほどそうして、痛みに慣れてきたので、とりあえず、テラ・コートリルという抗生物質の軟膏を咬まれたと言うか、痛いとこに塗って、サビオをしました。
あの毒グモを何とかしないといけません。あのまま放って置く訳にはいきませんし、もし翌日も痛みが引かなければ、病院に行かなければなりません。その時クモの同定には、標本を持っていくのが一番ですから、ある程度形態が分かる状態で、捕まえなければなりません。
と言う事で、両手にゴム手を着けて、クモの捕獲の開始です。
幸いゴミ箱はふたつきなので、クモが他に逃げたことは考えられません。 45リットル用のゴミ袋を2枚用意して、その中に、ゴミ箱に入っていたゴミを入れていきました。一つ一つ慎重に見ながら入れていきましたが、クモは見つかりません。
もしやゴミ箱の陰に逃げ込んだのか・・・、ゴミ箱の中と外、ゴミ箱の回り、くまなく探しましたが、クモは見つかりません。
「絶対にまだ居る。」もう一度ゴミを一つずつ、別のゴミ袋に移動しながら確認していきます。と、始めて間もなく、クモがゴミ袋にくっ付いていました。先程見た奴です。ゴミ袋ごしに、頭の部分をつぶして殺しました。安堵感が漂います。
固体を壊さないように慎重に、ゴミ袋から取り出し、小さなビニール袋に入れました。袋越しに見ると、胸が赤色。お腹は、若草色と言う感じで、口には立派な牙。ちょうどカミキリムシのお尻に付いている刃のような感じです。まさに刺されたのではなく、咬まれたので、あの激痛だったのですね。
袋片手に{毒グモ・咬まれた}で検索をかけてみると・・・いきなり、出てきました。「カバキコマチクモ」で、下のが袋越しに私の捕獲した個体。
で、チト見ずらいので、「いろいろな虫達」から
毒性がやたら強くて、猛毒ランキングでは、世界で第6位だそうです。固体が小さいので、死ぬ事はないそうですが、ショック状態に陥ったりする方もいるそうで・・・怖いですね。しかも日本中に、どこにでもいるそうです。でも・・・普通台所のゴミ箱の中には居ないですよね。心当たりは、当日農家の方から頂いたキュウリが入っていた袋か、フキを採ってきたのでそのとき紛れ込んだのか・・・ま~その辺りだと思います。
さて、相手がはっきり分ったので、ノーシンを痛め止めとして飲んで、指を保冷材で冷やしながら寝ましたが、ズキズキと言う感じではなく、バーンと言うか・・・猛烈な痛みが続いて朝までほとんど眠れませんでした。
私の住む町には、皮膚科の病院はありません。私立病院に皮膚科はあるのですが、常勤のお医者さんは居なくて、出張医が週の内、何日か来ています。刺された翌日の4日は、午前中だけ診察しているとのことで、朝一番で私立病院に行きました。勿論昨日捕まえた「カバキコマチグモ」の個体を持ってです。
朝一で病院に到着!と、思ったのに、皮膚科の待合室は一杯。私は15番目。一時間は待つとの事。ま~そんなことも有るだろうと、読みかけの文庫本と、老眼鏡を持参していきました。
本と、約1時間で名前を呼ばれました。お陰さまでたっぷり読書を出来ましたが・・・。診察室前の待機椅子に5人程が掛けて、中からお呼びがかかるのを待ちます。呼ばれて診察室に入って、ものの1・2分で出てきます。待機椅子にまた腰掛けていると、診察室からすぐに看護婦さんが、カルテや、処方箋などを持って出てきて、患者さんに渡して、一連の診察が終了のようで、待っている時間からすると信じられないほどの短時間の診察です。
さて、私の名前が呼ばれて診察室に入りました。先生はまだ20代の爽やかな感じの好男児。「クモに咬まれたんですって?」「はい。何とかコマチグモというのみたいです」そう答えて、持参の固体を手渡しました。「あ~カバキコマチグモだね。」さすが先生。すぐ分ったようです。看護婦さん二人は興味津々と言う感じで、固体の入ったビニール袋を覗き込んでいます。
「これ袋から出してもいいですか?」「あ~良いですよ」先生嬉しそうに袋から慎重にピンセット使って、クモを取り出しました。そして黒い下敷きみたいのの上にガーゼを引いて、その上にクモを載せると、カメラで撮影が開始されました。私まだ診察されていないんですけど・・・・。
しかし先生というのは、写真撮影が好きですね。前にブログに書きましたが、札幌の自宅前で「カラフトウミスズメ」を保護して動物病院にもって行ったときも、先生(勿論獣医ですが)診察そっちのけで写真撮影に熱中していました。
さて、診察が始まって一連の事情を話すと、結構咬まれる人は多いそうで、気絶したり、失神して救急車で搬送される人が多いそうで、「よく、朝まで我慢しましたね」と、お褒め(?)の言葉を頂きました。先生も個体を見るのは初めてだそうで、持って行った事を喜んでくれました。
時間の経過と共に、痛みも取れるそうで、塗り薬と、内服薬を出してくれるという事で診察が終わりました。約10分ほどでした。待機椅子で看護婦さんを待ちますが、中々出てきません。10分ほどして出てきました。カルテを渡され「貴重な物をみせて頂いてありがとうございました。初めて見ました。図鑑で今見たら出ていました」と、嬉々として話されました。どうやら、先生と看護婦さんの3人で、図鑑を見ていて時間がかかったようです。・・・・ま~あれだけ喜んでくれたらエエでしょうか。
幸い薬を2度飲んだだけで、痛みはすっかり取れました。でも、2週間たった今でも、傷跡は赤く残り、傷跡はいまだしこりがあります。
皆さんもご注意下さい。