昨日から、兵庫県神戸市内の有馬温泉を舞台に始まった『第48期 王位戦』の第3局。
2日目の今日、勝敗が決しましたね。
結局、123手までで、ディフェンディング・チャンピオンの羽生 善治 王位(三冠)が深浦 康市 八段を破って星を一つ戻し、このシリーズの対戦戦績を1勝2敗としました。
この第3局を少し振り返りますが、棋譜を拝見する限り、本局も、第1,2局同様、挑戦者の深浦八段が、9筋から仕掛けて「開戦」しましたが、羽生王位の51手目の▲2五歩の反撃がなかなか厳しい一手で、ここで深浦八段が△1三銀と引いたあたりから、玉の堅さにやや勝る羽生王位がペースを掴んだように感じました。
今回は封じ手も外してしまいました…。
まだ盤面を良く見ていない証拠ですね。
その封じ手(61手目)は、▲4六角。
指されてみると、控え室でも有力候補だった自然な一手で、後手の飛車と馬の両取りで、さらに後手の1三の銀にも間接的に当たっています。
この封じ手から、羽生王位のペースがゆるぎないものになった気がします。
その後、羽生王位がこの角を▲5七~▲6六へ転回して王手したあたりは、貫禄を示した格好ではないでしょうか。
やはり、そのままズルズルと引き下がらないところは、第一人者。
『横綱』の風格漂う感じですね。
開幕局と第2局を、深浦八段がほぼ「完勝譜」で制し、この第3局では、逆に羽生王位が「力でねじ伏せた」感じがします。
ですが、羽生王位相手に、ほぼ五分の戦績(15勝16敗)を残す深浦八段も…
「戦い方は分かっているつもり。臆することなく戦える相手です」
と、このシリーズ開幕前に堂々と語っています。
竜王戦の決勝トーナメントで、羽生王位(三冠)に敗れた後、このシリーズが始まって2連勝しているわけですから、これまた、この敗戦を引きずる感じではなさそうです。
羽生王位防衛に「黄色信号」が灯り始めた雰囲気がやや緩和され、タイトルの行方は、これでどちらともいえない感じです。
「がっぷり四つ」に組んだ感じなのかもしれないと、小生は思っています。
羽生王位が、次の第4局も、本局同様に貫禄を示す形で打開し、灯った「黄色信号」を、完全に「青信号」に戻し、結局は防衛に成功するでしょうか…。
「九州に、タイトルを…」の闘志を再燃させて、心機一転、第4局を深浦八段が制し、奪取に王手をかけ、遂には羽生王位を倒してしまうのでしょうか…。
先の名人戦では、郷田 真隆 九段が、連勝した後の第3局で、慣れない戦形で挑んで失敗しましたが、このシリーズの第3局は、名人戦のシリーズ全体の雰囲気とはやや異なっています。
その名人戦の最終第7局で、BS2の解説者を担当したのが、深浦八段です。
「名人位は、“選ばれる人がなる”のではなく、“自ら勝ち取りに行くもの”と痛感した」
と、ご自身が語っています。
この内に秘めた闘志の火…決して「鎮火」してはいないと思います。
したがって、次の第4局が、このシリーズの行方を占う「ターニングポイント」となること必至でしょう。
これで、1週間後の8日と9日に行われる第4局…益々楽しみになりましたね。
*************************************
話は変わりますが、15連覇中の羽生王座に挑む『第55期 王座戦』の挑戦者決定戦が、昨日行われましたね。
森内 俊之 名人 対 久保 利明 八段の対戦となりましたが、結局93手までで、久保八段が勝ち、挑戦者に名乗りを挙げました。
この将棋は、「石田流」の戦形でしたが、仕掛けの早い、Logical Spaceさんによれば「早石田流」と呼ばれるようです。
実際、先後の玉が共に「居玉」のままで、先手の久保八段陣の駒は、左の銀を角交換のためだけに動かしただけで、他の駒は全て九段目にあるという、小生がファンになってからは全くお目にかかったことのない形でした。
ビックリを超越した、「仰天」の戦形でしたね。
結局、歩と大駒を駆使して最後まで攻め、森内名人の「鉄板流の受け」を凌ぐ迫力で、挑戦者になりました。
久保八段は、小生が将棋ファンになりたての頃に…
「タイトルを何としてでも取る」
と意気込んで、心機一転、ご出身の関西へ移籍されました。
2年越しで、ようやくその意気込みが通じた感じがします。
是非とも、良い将棋をファンに披露していただきたいと、心から願っています。
15連覇中という羽生王座(三冠)に、どう挑むのか…注目したいと思います。
2日目の今日、勝敗が決しましたね。
結局、123手までで、ディフェンディング・チャンピオンの羽生 善治 王位(三冠)が深浦 康市 八段を破って星を一つ戻し、このシリーズの対戦戦績を1勝2敗としました。
この第3局を少し振り返りますが、棋譜を拝見する限り、本局も、第1,2局同様、挑戦者の深浦八段が、9筋から仕掛けて「開戦」しましたが、羽生王位の51手目の▲2五歩の反撃がなかなか厳しい一手で、ここで深浦八段が△1三銀と引いたあたりから、玉の堅さにやや勝る羽生王位がペースを掴んだように感じました。
今回は封じ手も外してしまいました…。
まだ盤面を良く見ていない証拠ですね。
その封じ手(61手目)は、▲4六角。
指されてみると、控え室でも有力候補だった自然な一手で、後手の飛車と馬の両取りで、さらに後手の1三の銀にも間接的に当たっています。
この封じ手から、羽生王位のペースがゆるぎないものになった気がします。
その後、羽生王位がこの角を▲5七~▲6六へ転回して王手したあたりは、貫禄を示した格好ではないでしょうか。
やはり、そのままズルズルと引き下がらないところは、第一人者。
『横綱』の風格漂う感じですね。
開幕局と第2局を、深浦八段がほぼ「完勝譜」で制し、この第3局では、逆に羽生王位が「力でねじ伏せた」感じがします。
ですが、羽生王位相手に、ほぼ五分の戦績(15勝16敗)を残す深浦八段も…
「戦い方は分かっているつもり。臆することなく戦える相手です」
と、このシリーズ開幕前に堂々と語っています。
竜王戦の決勝トーナメントで、羽生王位(三冠)に敗れた後、このシリーズが始まって2連勝しているわけですから、これまた、この敗戦を引きずる感じではなさそうです。
羽生王位防衛に「黄色信号」が灯り始めた雰囲気がやや緩和され、タイトルの行方は、これでどちらともいえない感じです。
「がっぷり四つ」に組んだ感じなのかもしれないと、小生は思っています。
羽生王位が、次の第4局も、本局同様に貫禄を示す形で打開し、灯った「黄色信号」を、完全に「青信号」に戻し、結局は防衛に成功するでしょうか…。
「九州に、タイトルを…」の闘志を再燃させて、心機一転、第4局を深浦八段が制し、奪取に王手をかけ、遂には羽生王位を倒してしまうのでしょうか…。
先の名人戦では、郷田 真隆 九段が、連勝した後の第3局で、慣れない戦形で挑んで失敗しましたが、このシリーズの第3局は、名人戦のシリーズ全体の雰囲気とはやや異なっています。
その名人戦の最終第7局で、BS2の解説者を担当したのが、深浦八段です。
「名人位は、“選ばれる人がなる”のではなく、“自ら勝ち取りに行くもの”と痛感した」
と、ご自身が語っています。
この内に秘めた闘志の火…決して「鎮火」してはいないと思います。
したがって、次の第4局が、このシリーズの行方を占う「ターニングポイント」となること必至でしょう。
これで、1週間後の8日と9日に行われる第4局…益々楽しみになりましたね。
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話は変わりますが、15連覇中の羽生王座に挑む『第55期 王座戦』の挑戦者決定戦が、昨日行われましたね。
森内 俊之 名人 対 久保 利明 八段の対戦となりましたが、結局93手までで、久保八段が勝ち、挑戦者に名乗りを挙げました。
この将棋は、「石田流」の戦形でしたが、仕掛けの早い、Logical Spaceさんによれば「早石田流」と呼ばれるようです。
実際、先後の玉が共に「居玉」のままで、先手の久保八段陣の駒は、左の銀を角交換のためだけに動かしただけで、他の駒は全て九段目にあるという、小生がファンになってからは全くお目にかかったことのない形でした。
ビックリを超越した、「仰天」の戦形でしたね。
結局、歩と大駒を駆使して最後まで攻め、森内名人の「鉄板流の受け」を凌ぐ迫力で、挑戦者になりました。
久保八段は、小生が将棋ファンになりたての頃に…
「タイトルを何としてでも取る」
と意気込んで、心機一転、ご出身の関西へ移籍されました。
2年越しで、ようやくその意気込みが通じた感じがします。
是非とも、良い将棋をファンに披露していただきたいと、心から願っています。
15連覇中という羽生王座(三冠)に、どう挑むのか…注目したいと思います。