通常、月初では総合月刊誌や専門誌の最新号の中から
私なりに気になった記事をご紹介しているのですが、
今月はイマイチ不作ですね。
でもそんな中、ありました、ありました。
旬刊経理情報2006.12.10号p.55「ビジネス実務相談室」というコーナーに
「誤差率1%の売上予測モデル活用」って記事が。
失礼ながら初めて見たときは、胡散臭さを感じたものの、
中身を見ていると結構面白そうです。
以下、自分のために備忘録的にざっくりと要約。
詳細は同誌でご確認下さいね。
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(要約)
■小売業の既存店活性化に向けて3つの秘訣とは?
①今後の動向を予測すること、
②予測から選択と集中を図ること、
③そしてモニタリング&コントロール、
この3つの秘訣を引き出すのに有効なのが「誤差率1%の売上予測モデル」
■誤差率1%の売上予測モデルとは?
米国商務省センサス局が開発した季節調整法Ⅹ-12-ARIMAを
ベースにモデル化したもの。
統計学の難しい知識や高額ソフトを使わずに数字を当てはめながら
施策にも使えると(*)。(*:自動オプションという簡便的利用に限定)
■ Ⅹ-12-ARIMAの予測精度
月次で8年程度の売上実績データさえあれば、
多くの企業は年間誤差率5%未満で予測可能であると。
特に、売上が横ばい、あるいは前年割れを続けている既存店では、
パラダイム・シフトが起こらなければ、年間誤差率1%程度という結果を残しており、
精度が高い予測手法であると。
■ 予測から選択と集中へ
Ⅹ-12-ARIMAは3つの予測値を出力(上限値・予測値・下限値)を出力。
予測された月次売上高推移から、経営資源の選択と集中の判断が容易になる。
3つの予測値と実績値との差異から今後のトレンドを把握することができる。
すなわち、
・実績値が上限値を上回る、または接近すると、
6ヶ月程度は予測値を上回る好調のモーメンタムが現れる。
・実績値が下限値に接近、または下回ると、
半年から1年程度は予測値を下回り続ける不調のモーメンタムが現れると。
こうした傾向を踏まえて、例えば、不調のモーメンタムに備えてリスクマネジメント体制の強化
につなげることができる。
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(コメント)
①このⅩ-12-ARIMAについては、
日本銀行のHPに操作方法を解説したマニュアルが掲載されております。
このマニュアルの中に、ファイルのダウンロード方法などが記載されておりますので、
ご興味のある方は是非チャレンジしてみてください。
http://www.boj.or.jp/type/exp/ron9702c.htm
(他にもっと簡単な入手方法ご存知の方がいらっしゃれば、コメントをお願いします。)
私も実際使ったことがないので本当に良いのかどうかコメントできません。
信頼できる雑誌でしかるべき方が回答されているので有用である可能性は高いと思いますが。
②小売担当アナリストの方でも一度トライされてはいかがでしょうか。
温故知新さん、いかがですか?
でも8年分の月次データってのはちょっと集めるのが大変かなぁ?
しかも既存店全店合計ベースだし・・・。
③しかし話が脱線しますけれど、小売業はこの12月商戦はキツそうですね。
昨年が厳冬の特需がありましたので、その反動が懸念されるところ。
しかも、貸金業法改正を見越して今後、信用力の低い消費者に対する貸し渋りなどが
一層鮮明になってくるでしょうし。こうしたクレジットクランチもボディブローのように
個人消費の勢いを削いでいくのかも知れません。
また改正「まちづくり3法」施行も既存店の競争環境を変える可能性もあります。
そうやって考えて見ると、今まさにパラダイムシフトしているんでしょうか。
だとすると予測精度は期待するほどでもないかも・・・・。
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