◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

総資産の1.4倍の簿外未経過リース料

2005-10-31 | この決算書・会計処理はおかしい
昨今、不動産ミニバブルなどと言われているようですが、
ショッピングセンター(SC)も”SCバブル”といわんばかりに
開発競争が加熱し、店舗が巨大化しているようです。


背景の1つは、規制緩和の影響。
00年6月に大規模小売店舗立地法が施行され、
一定の環境基準を満たせば出店自由となっっています。
(最近は少し風向きが変わりつつあるようですが)

もう一つは、土地及び資金の確保が容易となっていること。
土地は、企業のリストラにより広大な工場跡地などが空く。
資金に関しては、不動産ファンドやREIT(不動産投資信託)など
資産流動化の手法が広まり、事業者が自らリスクを冒して
調達しなくともよくなっています。


そこでやっと本題。

急成長を遂げているあるSC開発会社の直近期末の財務諸表。
見て驚きました。
--------------------------------------------------------
■総資産= 1,100億円
■オフバランスにされている
 オペレーティングリース未経過リース料総額=1,500億円
---------------------------------------------------------
いくら流動化が便利だからと言って、
この水準はちょっとやり過ぎじゃないでしょうか?

こんな状態で
自己資本比率が○○%とか、
有利子負債の総資産に占める割合が○○%とかいっても
空しい計算だと思うのは私だけでしょうか。

決算短信の「事業のリスク」の欄でも、
特段オフバラ化によるリスクについて触れていませんが、
問題がないのならその旨だけでも記述すべきでしょう。
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