陽気に誘われて神保町に行き、日経会社情報春号の早刷りを買ってきました。
こんな相場なので予想通り、巻末には高配当利回りリストが載っておりまして
1月決算銘柄のトップが、子供服で一世を風靡した
ナルミヤインターナショナル(3364)。
予想配当利回り6.24%。
ちょうど良いタイイングで、14日に決算が発表されていたので
簡単にコメントしてみました。
短信から見てみましょう。
http://ir.eol.co.jp/EIR/3364?task=download&download_category=tanshin&id=537126&a=b.pdf
売上は前期比で▲8.5%減少。
既存ブランドの出店を66店(前年83店)、閉店は78店と閉店が上回っております。
成長会社にありがちな、急激な店舗拡大→陳腐化と自店間競合で失速→リストラという
流れに見事にハマっているようです。
05年の株式公開時が株価のピークっていうのも、ありがちなパターンです。
さて、気になる既存店売上の情報(1年分)はココから↓。
通期で▲8.8%でした。期末983店。
http://ir.eol.co.jp/EIR/3364?task=download&download_category=tanshin&id=527582&a=b.pdf
再び短信へ。
辛うじて黒字を確保。在庫もさほど積み上がっていないようですし、一定額の評価損も
計上しております。資産全体圧縮され、自己資本比率は73.7%と前年比+5.3ポイント改善。
無借金継続。財務体力は問題なさそう。
配当総額は3.27億円。配当原資となる利益剰余金は72億円もあります。
そして気になる当社によるH21/1期業績予想ですが、
売上高は▲8.1%減の225億円、営業利益3億円、経常利益3.8億円、純利益1.7億円
しかし粗利益率55%で営業利益率1%程度、ってのはキツイですよね。
無借金で金利負担が無いのは幸いですが。
そういう厳しい業績を想定しておりますが、ご安心下さい(?)
予想配当金は据え置きです!。
期初から配当性向100%超えの、まさに出血大サービスです。
ただ気になったことが一点。
営業キャッシュフローがマイナス(▲3.9億円)に転じております。
要因は仕入債務の大幅減少▲11.34億円。
仕入手持月数(売上原価で概算)は3.1ヶ月から2.1ヶ月へと減少しており、
手持現金も44億円から20億円へと半減。
これはあくまで可能性の問題ですが、厳しい売上状況ゆえに仕入サイトの短縮化を
要求されているのでしょうか。それとも季節性、一過性の要因があったのでしょうか。
短信にはこの理由が記されておらず、ちょっと気になります。
確かに剰余金から見れば配当原資はジャブジャブあるワケですが、
キャッシュの面から見ると、少し事情が異なってくるかも知れません。
で、新年度、2月の売上ですが、▲13.2%!全店も▲14.4%とキツイ滑り出しです。
全店売上で▲6.3ポイントのアゲインスト。
これが通年だと仮定しますと(あくまで仮定ですよ)、粗利益換算で▲8億円の下ブレ、
販売管理費等の圧縮が追いつかないと結構厳しい業績となる可能性も秘めております。
ただ、ウエイトの低い2月で、まだ1か月しか経過してません・・・。
配当利回りで6%取れても、株価がそれ以上下がったら意味がありませんから
結局のところ、既存店売上動向に一喜一憂する相場展開となるのでしょうか。
で、第二章は・・・・・・・・・・また面白い展開があれば書くとしましょう。
(以上、短信等のみに基づく、素人による戯言でした。投資判断は自己責任で!)
さて、ナルミヤ。いやぁ、株式公開時がピークという格言の典型の会社でしたな。思いっきり量販店やら専門店がナルミヤのエンジェルブルーなんかのテイストを売り出そうとしている前夜に株式公開ですからね。そもそも、ナルミヤは子供衣料であまりうまくいかなかった百貨店を取り込んで大きくなった企業。所詮は根無し草です。それを自分の力量と考えてしまったのが大きな間違い!。ブームは怖いですなー。昔でいえば、「バナナボート」が株式公開するようなものです。