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ヨドバシカメラAkibaの衝撃 -ランチェスター勝者の戦略で「キター!」

2005-09-18 | 経営
9月16日(金)、秋葉原に国内最大の家電量販店
「ヨドバシカメラ マルチメディア Akiba」
がオープンしました。


つくばエクスプレス開業もあり
今や茨城・千葉の玄関口となった秋葉原。
(言い過ぎですかね)
この両県を中心に家電量販店業界は不毛な安売り戦争に
突入するのではないか、少し心配です。
消費者は大歓迎でしょうが。


以前調査して分かったことがありまして、
確か、茨城は日本ー「家が広い」県なのです。
購買力を無視すれば、茨城県民の方々は、
家に大型家電を置けるスペースがあるのです。

つくば圏から電車1本でヨドバシに行けるとなると、
(一過性のダメージに止まる可能性はあるものの)
地元の王者・ギガスケーズデンキへの影響が気になりますね。

もちろん、秋葉原出店により、
ヨドバシ新宿本店も自店間競合から売上はまず落ちるでしょう。
そのリスクを承知の上で出店するところに凄みを感じます。

おそらく、「ランチェスター法則」でいうところの「強者の戦略」に
打って出たのでしょう。
家電量販店業界は「ランチェスターの法則」が当てはまりやすいと、
私は常々思っておりますし、この法則を意識した経営者が多いのでは
ないでしょうか。
(ランチェスター法則・戦略については、
次のサイトで詳しく紹介しています。
http://www.blwisdom.com/lanchester/)


強者とは、あらゆる競争局面で1位である企業を言い、
逆に弱者とは、あらゆる競争局面で1位以外、つまり2位以下の企業を言います。
そして、この強者・弱者はあらゆる細分化された競争局面ごとに判断し、
それぞれの立場で戦略を組む必要があります。


強者の戦略をヨドバシにあてはめてみましょう。


◆強者の戦略原則◆

(1) 広域戦で戦う(←→弱者:接近戦)
強者は、弱者とは逆に広範囲で戦うことに徹する。
大都市や平野部等、他地域との交流が盛んな「面の市場」
で展開をする。つまり重複性や連動性の強い市場で戦うことで、
追随を許さない強者を目指す。
吸引力抜群の新宿本店がまさに良い例でしょう。

(2) 確率戦に持ち込む(←→弱者:一騎討ちに持ち込む)
強者は弱者に一騎討ちの戦いをさせないよう複数の力を
重複化させる戦いをする。
新宿+秋葉原で重複化しますね。

(3) 遠隔戦で戦う(←→弱者:接近戦(=顧客に接近する))
広告の領域では、新聞やテレビCMといった販促手法が遠隔戦。
弱者の接近戦がプッシュ型のプロモーションであれば
強者の遠隔戦はプル型のプロモーション。
おなじみ元祖ポイントカード。

(4) 総合戦で圧倒する(←→弱者:一点集中主義)
強者は物量作戦で、圧倒的なスケールで弱者に対抗をする。
日本一の売り場面積の秋葉原本店がまさにそれ。

(5) 誘導作戦を展開する (←→弱者:陽動作戦)
弱者による差別化や一点集中主義の効果を薄れさすように先手を打つ。
つくばエクスプレス開業直後の超巨艦店出店は、
つくば特需を狙う他社の出鼻をくじくことになるでしょう。


さぁ、思惑通りいくか、注目していきましょう。
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