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ユニクロのM&A戦略に思う

2005-09-05 | 事業再生・M&A
私も大変お世話になったIR担当者が
先日の実業団ゴルフで見事優勝した、ユニクロ。
(枕詞ながっ!! でも水澤さん、オメデトウございました。)


その優勝の興奮冷めやらぬ中、本日、M&A戦略を発表しました。

明日から、投資銀行とM&Aコンサルによる,柳井氏詣でが
活発化するでしょう。


計画では予算最大4,000億円。 
"将来的に"売上高1000億円以上、
売上高に占める経常利益が10%を見込める海外企業を想定。


上の条件には厳密にはあてはまらないかも知れませんが、
1社当たりの必要資金をラフに想定してみました。

売上    1,000億円
経常利益率    10.00%
経常利益     100
当期利益      60億円
 ×
想定PER 40倍(支配権プレミアムを含めて)
 || 
時価総額    2,400億円
 ↓
支配権     51%
 ↓
必要資金     1,224億円

予算は最大4,000億円ですからこの試算では3社は買えることになります。
しかし、
売上は+3,000億円しか増えず、経常利益も+300億円です。
しかも、、支払利息、暖簾の償却も加わりますので
柳井氏の構想実現はなかなかしんどいのではないでしょうか。


ユニクロの経常利益率は10%より高いですから、
買収すればするだけ、収益性は落ちてくる。
(数合わせの買収・・・・・まるで総選挙のようだ)


しかし、外部資金(おそらく借入でしょうが)で
レバレッジを利かせる点は評価できますね。


借入で調達される場合は、ウチにも声をかけてください。
頼むよ!ソータ君!(※)

(※私の元同僚で、まだ生きていれば
  現在ユニクロの経理にいるはずです。)

**********************************
M&Aで3,000-4,000億円投資 ユニクロが今後3年間で

 カジュアル衣料店「ユニクロ」を展開する
ファーストリテイリングの柳井正会長は5日、
都内で開いた事業戦略説明会で2010年に売上高1兆円、
経常利益1500億円の目標を達成するため、
今後3年間で企業の合併・買収(M&A)に3000億-4000億円を
投資する方針を明らかにした。

 今年8月期の連結売上高は前期比12%増の3808億円となる見込みで、
目標達成には6000億円強の売り上げ増が必要。
このため、柳井会長は「世界中でよいビジネスと優秀な経営者を探す」
とM&Aの意義を強調した。
 M&Aは将来的に売上高1000億円以上、
売上高に占める経常利益が10%を見込める海外企業を想定。
詳細は詰めていないが、M&Aに当たり、外部からの資金調達を検討している
という。
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