Uさん、こんばんは。
痩身のトールボーイ、DALI PIANO AGELEは、出音こそ特に不満もありませんでした。
が、やはりその形状故の不安定さ、そしてスピーカーの底に端子が付いているという使い勝手の悪さがあります。
少し思案して、丁度出物があったことから、同じDALIのRoyal Towerを迎えることにしました。
家に持ち帰り、ささっと繋げて軽く音を出しましたが、出音に嫌なところはなく、また何となく品の良さもあって、サイズは小さいためか低音が控えめですが、これは良いものを手に入れたと素直に喜びました。
Royal Towerは視聴はしていません。博打オーディオを仕掛けたことになりますが、幸いなことに失敗とはなりませんでした。その安ど感もあって、尚更の嬉しさです。
調子に乗った挙句、似たようなDALIのスピーカーでIKON5 MK5をネットショップで見つけます。
Towerの成功体験が却って仇になって、こっちはどんな音がするのか気になって仕方が無い。
暫く使って、どちらか気に入った方を残し、もう一つは放出すればよいだろうと屁理屈を自分自身に言い聞かせ、よせばいいのに、ちょとだけ小金が懐に入ったこともあって、衝動を抑えられないまま、そのまま発注。
案の定、スピーカーが家に届くと、既に熱は冷めており、衝動買いを後悔するといういつもの結末です。
内側がTower、外側がIKON5Mk2です。
この2台、サイズ感はほぼ同じですが、成り立ちというかコンセプトの方向が異なっています。
音の感じからすると、Royal Towerは上級機の末弟、IKON5はエントリークラスの長兄といった雰囲気の音の出方です。
IKON5は、音が軽くてパッと拡がるような感じ、音が少し乾いています。
低音もTowerよりも出ます。
しっとり艶のあるTowerの音とは異なります。
元気でポップスやロックが似合う感じ。
Towerは4オーム90dB、IKON5は6オーム87㏈。
同じボリュームでは、4オームにもかかわらず出力音圧レベルの高いTowerの方が大きな音が出ます。
4オームで13㎝の小さなウーハーなら、低音を稼ぐためもっと音圧レベルは低くても良さそうですが、そうなっていません。
ということでTowerは量感は感じますが、実際には低音はそれほど出ていません。
低音の出方の違いは、Towerは前後の小さな二つのバフレフポート、IKON5は前面の少し大きめのバフレフポートということも影響しているかもしれません。
IKONのウーハーは、DALIの顔ともなっている、あのウッドファイバーコーン。
機種によって色味が異なりますが、IKON5は赤みが少し強めのものです。
Towerは見た感じ、特に特徴はありません。
自分のTowerは人気があるウォールナットではなく、総ピアノブラック仕上げで、年季が入っているため傷だらけです。
IKONは前面のバッフルがキャビネットとは別体の強化ボードのようなものが付加されていており、ちょっと特徴的な面相です。
キャビネット部分は表面化粧がされたツキ板のようで、見た目は安っぽく、板も厚くはありません。
形状も異なり、Towerは幅が少し広く奥行きは短め、IKON5の方は、幅が狭く奥行きがやや長め。
仕上げも異なっておr、Towerは、隅が丸くなっていて丁寧な造りを感じます。IKON5の方は、四角い板をそのまま組立てましたといったようなシンプルな作り込み方です。
同じような大きさでも、持った感じTower(11.7㎏)は重く、IKON5(10.4㎏)はかなり軽く感じます。
1キロ程度しか変わらないのですが。
いずれにしろ、この程度の大きさ(高さ900㎜前後)でこの重量ですと、取り扱いが非常に楽に感じます。
このサイズ感はありがたいです。さほど広くない現在の視聴環境では、サイズ、スピーカー径とも問題もありません。
発売時期の差か、スピーカー端子はIKON5の方が高級そうなものが付いています。
Towerの方は少し安っぽいシンプルなものが付いています。
ただ、端子が上の方を向いているTowerの方が、真っ直ぐ水平についているIKON5よりも使いやすいです。
Towerは3スピーカー3ウェイ、IKON5は、4スピーカー2ウェイとユニットの数と構成が異なっています。
IKON5の高音用に、ドームツィーターと贅沢にもリボンツィーターが付いています。
このハイブリッドツィーターの効果などは、自宅での使用の範囲では今一つ分かりませんでした。
Royalの時と違って、IKON5の出音を確かめた時は、それほどの喜ばしさはありませんでした。
期待していた音とは違っていたせいでしょうか、幸福度は随分違います。
暫くは使いますが、こっちは家には居なくてもいいのかな、突き放すようで悪いのですが、正直そんな感じ。
自宅では少々不憫な存在です。
それでもです。
スピーカーをDALIにしてから、我がシステムは落ち着いくところを見せています。
音の上流部(プレーヤー)・下流(アンプ)で多少問題があるようなところがあっても、それを優しく受け止め、余り粗を見せないような音にまとめてくれるからでしょう。
人によっては求めるものが異なるものもあるでしょうが、スピーカー選びに迷ったら、取り敢えずDALIにしておけば失敗は少ないような気がします。
音のバランスはまま良く、変に尖がったところもありませんから、アンプなどとの相性問題があまり生じないだろうということです。
アンプ、スピーカーの組み合わせで散々失敗してきた自分の経験から言うと、DALIに出会ってやっと一心地つけたような、そんなありがたい存在となっています。
ではこれで失礼します。
ごきげんよう、さようなら。