印刷業界なら知らない人のいないメーカー
6月中をもってH印刷機械が解散するという。解散とは製造を止めるということ。
私個人としては、最近の業界ニュースでは最もショックを受けた。なぜなら、この機械メーカーの機械をメインに使って商売をさせてもらっているからだ。
当然部品の供給とメンテナンスをする別会社を立ち上げるそうだが、これとて何年続くかは不明である。
100年に一度の不況などと言われて輸出がピンチになったからといって、会社を解散するという行為は非常に無責任だ。機械を買って、それで生活の糧にしている人間が多数いるということを忘れてはいないだろう。戦後印刷の歴史の一翼を担ってきたという自負や誇りはどこに行ってしまったのか。
この機械メーカーに限らず、近頃の印刷関連機械メーカーは皆責任感を持ち合わせていない。部品供給にしても機械製造中止後10年を過ぎると、供給停止をするのが当たり前になっている。動かなくなったら、その機械は鉄屑屋行き。新製品を買い換えろ主義になっている。エコを推進しているこの国に、そんなことを続けていて良いのだろうか。いくらデジタル化が進んで需要が少なくなってきたからといって、アナログの機械を使っている会社が存在する以上は、せめて部品の供給ぐらいは最後まで面倒をみてほしいものである。