本の魂は細部に宿る
このところ、電子書籍に関する話題が出版関連のニュースをにぎわしている。
iPodやアマゾンのKindleなどであるが、私個人的には液晶画面を見ながらの読書というのは考えられない。いくら画面が見やすく作られているとか、拡大して読めるとか言われても、紙の風合いとか、一枚一枚めくっていく感触は、デジタル画面の感覚とは違うものがある。
本の装丁やデザイン、紙とインクのにおい、紙に文字が印刷された感触そのものは美しさを感じてとれる。
アメリカ人は、バカンスでチェアーに寝そべって読書をしている様子を見かけるが、読んだ本は捨てて帰るという文化があるそうだ。
彼らには、きっと電子書籍は向いているのかもしれない。
日本人の読書家にとって、読後の本は、自分の書斎の本棚に並べておくのが美なのである。何百冊もの本のデータが小さな箱の中に閉じ込められているというのは便利な半面、味がなさすぎる。
そんなことを考えながら、柴田光滋氏の「編集者の仕事」を読み始めた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます