アーノルド・ベネットの『文学趣味』
二十世紀初頭の英国の小説家アーノルド・ベネットのエッセー『文学趣味』は次のような一節で始まる。 『文学趣味を上品な教養と考え、それを会得すれば自己が完成され、ひいては上...
俺のビール漬けの魂は、世界中の枯れたクリスマスツリーよりも悲しい
下宿屋のおばさんにしても、返送されてきた原稿の束とともに出版社からチナスキーに届いた私信を勝手に開けて読んでいいわけはないことくらい知っていた。しかし、心配で心配で、どうして...
久保田万太郎が、俳句の芸術性を認めなかった尤もな理由
『久保田万太郎が、俳句の芸術性を認めなかった尤もな理由』を —— もし知らないなら —...
本業以外のエッセーや雑文の方が秀でて面白い人達
小説家の中には、本業以外のエッセーや雑文の方が秀でて面白い人は存外多い。記憶の古いところでは、五木寛之や吉行淳之介がそんなタイプ。 【The Pen Friend Club...
頁をめくる指が止まる
麻布十番『豆源』のナッツにカマンベールチーズとゴルゴンゾーラチーズのパウダーをまぶしたものがある。それにヒマラヤ産岩塩を砕き、チョンチョンと付けては口に放り込みながら、月刊『...
DAISUKI!
DAISUKI! (op.20241207 - 3 / Studio31, TOKYO) 【白井貴子 - SOMEDAY】 ...
毎年CDが品薄になるほど売れてるらしい
制作していて、『これはイイものになりそうだ』と予感しても、実際、思いどおりにイイものになることはマレ。ところが『こりゃダメそうだな』と感じたものは概ね間違いなくダ...
ポスター、返してくれッ!
河内桃子(こうち・ももこ 1932-1998) ハロルド・ピンターが2008年に亡くなったとき、思い出したことがあった。 ぼくは、彼が原作を書いた芝居のポスターを自分の...
週末も祝日も関係ない身の上
東京タワーが間近に見えるホテル —— 18階のラウンジ・バー。 時間に関係なく働くのが許される者にとって、終業が深夜近くになるのは東京でも紐育...
秋津温泉
久し振りに映画『秋津温泉(1962)』を観る。 この作品のモチーフ —— 『男の煮え切らない・優柔不断な性格...