『嫌気が差す』とはどういうことか。飽きるとかマンネリズムに陥ることを言うのだが、下手なことを言うと「飽きっぽい人だ」などと見当違いな評価をされたりするから口に出すのがはばかられる。
言い方を変えれば『こんなことをしていて、一体なんになるんだろう』と気付いたときの気持ちだ。広辞苑第六版によれば『一定の技法や形式を反復慣用し、固定した型にはまって独創性や新鮮さを失うようになる傾向』とある。西洋美術史から転用された言葉だが、世の中のあらゆる場面で使い勝手がいい。
『ツガイを好む哺乳類の研究』では三年がひとつのスパンで、少しずつでも変化させていかないと『この相手と一緒にいて、この先、一体なんになるんだろう』という不信感が生じることになる。