『彼自身によるロラン・バルト』による(2)
ロラン・バルトが自分自身を対象として書いた評論もしくは評伝、あるいは自らによる自著の解説書である、『彼自身によるロラン・バルト(Roland Barthes par Roland Barthes, 1975)』のエクリチュール(文体)は、初めて読む者を混乱させる。特にこれを自叙伝として読み始めた者にとっては.....。
巻頭に添えられた多数の写真の説明文を除き、本書で用いられるのは三人称。『彼自身による・・・』と言いながらも、彼自身を語るのは『私』という一人称ではなく、『生涯に渡って、こだわり続けた亡き母』がバルト本人に成り代わり、三人称で『彼(つまり、自分)』を語る。
見返しと本文の間に挟まれた『四十歳前後と見える女性の写真』一葉-----これが本書の語り手である彼の母。ランド県ピスカロッスで1932年頃に撮影された、バルト17才の頃の母である。
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“Mama, You've Been On My Mind”-----『ママは心の中に.....』 Bob Dylan On Piano.
嗚呼、我が母なるエクリチュールよ、あなたはいつ、いったいどこからやって来たのか?
TO BE CONTINUED.
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