愛読書があれば、レコードの時代には愛聴盤という言葉もあった。
CD の時代になり、iPod などに曲を落として聴くようになってからはアルバム単位で聴くよりも、歌手でくくったり、ジャンルでくくったり、お気に入りでくくって聴くようになったから、愛聴盤なんていう言葉は、いつの間にかすたれてしまった。
今時、愛聴盤という言葉を聞いて、昔好きだった30センチ LP のジャケット写真などが頭に浮かんでくるようだと、気分だけは若いつもりでも、やはりオールド・ファンとしてくくられても仕方あるまい。
愛聴盤というくらいだから、そのアルバムには数曲のお気に入りが密度濃く詰まっているわけだ。シングル・カットされなかった、ある一曲のために愛聴盤として記憶に残るものも少なからずある。
CD の時代になって、レコードの再生に困難を来した時、おとな達は CD として再発売された『愛聴盤』をせっせと買い直したものだ。もっとも、現在では Music Store で曲はバラ売りされているので、アルバムを丸ごと買い直す必要も失われつつある。精々、思い出のジャケット写真が忘れられず、そのコレクションを目的とした人が CD を買うのだとも聞く。最近、昔なつかしい紙ジャケットの CD が多いのも、そんなマニア達の要望からなのかもしれない。
さて、僕の『愛聴盤』として真っ先に頭に浮かんでくるのがこれ ---- “THE VENTURES / KNOCK ME OUT!”
カバーバンド本領発揮のこの一枚に録音されたカバー曲は、すべてが原曲の迫力に負けていない。ビートルズの ”I Feel Fine” ですら例外ではない。ところが僕が一番好きだったのは、このアルバムにある12曲のうち、カバーではない、4曲のオリジナルの中の1曲 ---- A面3曲目 “Tomorrow's Love”。今でも度々聴くのである。
</object>
“Tomorrow's Love” The Ventures
FINIS
最新の画像もっと見る
最近の「これくしょん」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2007年
人気記事