昭和三十年、英国の出版社ハースト・アンド・ブラケットから上梓されたショーウェル・スタイルズ英海軍少佐(写真)著 "The Moated Mountain" を抄訳した。
部分は、ヒマラヤ偵察登山中の英国スタイルズ隊の隊員二名とシェルパ二名の四人が、未踏峰マナスル攻撃中の日本隊に遭遇したときの記録である。もちろん、この反対の記錄が日本側にある ----- それはまたいつか...。
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東洋人との遭遇
完璧な英語を話し、きちんとした揃いの青い服を着て微笑みかけるジェントルマンに、チューリング・コーラ渓谷へようこそと歓迎されたことは、ビルとジャックにとって思いも寄らぬ出来事だった。そして、通行不能と判断されていた尾根の霧の中から降ってわいた隊員二名とシェルパ二名から成る英国遠征隊と出会うことは、恐らく、日本のマナスル遠征隊隊長や五十八人のつわ者にとっても同じような驚きだったに違いない。
日本人達は仲間と議論の最中で、ルピナ・ラー氷河の横断は困難かつ危険であるという考えに傾いていた。しかし、日本人に雇われているシェルパの頭領ガルツェンは、横断はできると彼らを説得したのだった。すべては、霧と足づくろいにかかっていた。
ビルとジャックは自分たちのテントを張り終えると、東洋人のキャンプにお茶に呼ばれ、最大級の好意ともてなしを受けた。
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和暦だと大正生まれの著者の英語は、更に古い、明治時代の文体を踏襲しており、文章を短く区切らず、関係代名詞や関係副詞で繋いでいくという非常に複雑な文体である。
Gilbert O'Sullivan / No Matter How I Try
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