最近、家でも外でも酒を飲まなくなったので、周囲に不思議がられている。
本来、嗜む程度の酒量だったなら、断酒くらいで地元の飲み屋の噂話にもならなかったろう。どうやら、立ち行きならぬ、とても悪い病気にかかったと思われているようだ。
つい先日までは翌日が休みでなくても、巷で飲むとなれば、最初の店でアイスペールに冷やした好みの酒の四合瓶を空け、それでも飲み足りなくて、二軒目、三軒目とハシゴをした。もちろん家にいても、晩酌に二合やそこらは必ず飲んだ。だが、飲むならこの酒、といった特に強いこだわりはなく、スコッチやバーボン、ジンにウォッカ、シェリー、そしてワインなどをその時の気分により、一緒くたに飲んでいた。
なのに何故、飲むのを止めたか.....。
年齢柄、血糖値が上がり気味になっていたことも切っ掛けのひとつではあったが、それよりも僅か二合程度の酒で記憶が不確かになることが頻繁に起こるようになった、というショックの方が理由としては大きいと白状しておこう。きっと老化に違いない。ここ二年程は、酒飲み・酒好きというよりも『酒飲まれ』に近かった気がする。
ところで、酒を飲まなくなって思ったのは、酒飲みには二種類の人間がいるということ-----ひとつは、酔うことが目的ではなく、嗜好品として酒の味・香りが好きだという人種。もうひとつが、酒の味にはうるさくない代わりに、ひたすら酔いたいという人種である。自分は前者であるから、酒を止めた今でも、その味はさすがに忘れ難く、誰かノンアルコールのビールばかりでなく、ノンアルコールのワインやウイスキーも発明してくれないものかと願うこの頃である。
昔から酒と食べ物は一体だと言われているが、酒を止めて以来、自然と美食には興味がなくなった。事のついでに思い切って一日1,600kcal の食生活にしたら、体重が減少傾向に転じた。このまま行けば、今年の暮れには二十代前半の頃の体重に戻れるかも知れない。そうなったら、髪を伸ばし、細身のスーツに細いネクタイを締めて街を歩こう。そして、歳の近い『女の子』達に-----もちろん、きみにも-----声をかけたいと思っているのだ。
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"Hang on Sloopy" The McCoys
FINIS
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