ありがとうって伝えたくって

「同軸コリニアアンテナ研究会」でgoogle検索するとHPをご覧いただけます。研究成果がまとめてあります。

届く 6月4日

2015年06月05日 18時55分06秒 | エンドフェッド・ループ

本日、帰宅すると宅配便が届いていた。なんと海外から!!まさか・・USへ発注した??

DIRさんの書かれていた通り、本当に早い到着だ。通関で2,3日は足止めと思っていたのでビックリだ。

マウサーエレクトロニクスへの発注は、6月1日の夜遅くだったので、2日半強で到着したことになる。これ、国内発注よりも早い。

[高耐圧コンデンサ群。左の上から2つ目の青の濃いコンデンサがTDK製の33pF。]

手持ちの50V 62pF(中華製)と高耐圧コンデンサ比べると、62pが豆粒に見える。さすがに国内有名メーカの高耐圧コンデンサだ。

[50V耐圧のコンデンサは、米粒だ。]

さてさて、これで新型アンテナカップラーの製作準備完了だ。


アンテナカップラーの部品を発注した

2015年06月02日 23時54分39秒 | エンドフェッド・ループ

国内での電子部品の購入は、「秋月電子」や「サトー電気」を利用している。

今回、アンテナカップラー用の高耐圧(3kV以上)のコンデンサを国内通販で探したが、希望の容量、耐圧が見つからなかった。

海外通販!と思ったが、どこが良いやら分からない。で、ローカル局JF1DIRさんのブログで紹介されていたのを思い出して販売店情報を参考にさせていただいた。

今回は、「Mouser Electronics, Inc.」(マウサー)で購入した。

このサイト、日本語で検索できる。また検索機能が強力で例えば、「受動部品」→「コンデンサ」→「セラミックコンデンサ」を選んだ時点で202,515点がセレクトされる。

更に、定格、梱包形態等々、様々な絞り込が可能だ。

今回は、6kV~10kVを入れ、在庫部品を指定した。ここで251部品が残った。

海外メーカー製部品は値段が高いので、日本メーカーのMURATA、TDKで安くて耐圧の高いコンデンサを選んだ。

結果的には、全て6.3kVのコンデンサとなった。今回購入分は、エンドフェッド・デルタループ用として100pF以下を中心に買い込んだ、内容は下記の通り。

日本円換算で7,500円を超えると送料が無料となるので、少し多めに発注しておいた。

いつ届くのやら。(発注は、6月1日夜。発注情報の確認は、6月2日夜。既に出荷された、ようだ)

 


デルタ・ループアンテナの検討結果

2015年05月29日 01時08分10秒 | エンドフェッド・ループ

移動運用で使用するHF帯のデルタループアンテナを解析してみた。

先日の移動運用で、設定値を忘れてしまい、準備に時間がかかってしまったので、例によって、自分のメモ書きとして残しておく。

  • 使用周波数は、7MHzから28MHzとする。
  • ループの全長は、手に入り易い5.3mポールを想定して14m-16mとする。
  • 使用状況を想定して、その範囲で動作するカップラーを設計する。

 ここの使用銅線は、φ1.1mmとしている。地上高は、3mで解析したが、1.5mとしても大きな差は無い。

コイルデータは、カップラーのLを製作するに当たってのVP25に1.1mm銅線を巻いた「巻き数」と「コイル長」の参考値だ。

『全長16mデルタループ』

14MHz帯は、カップラーの調整がクリチカルとなる。

7MHzでは最低でも10%程度の効率低下がある。しかし全体的に安定した動作が期待できそうだ。

但し、7MHzではループアンテナのパターンは、八の字ではなく、無指向性となる。

 『全長15mデルタループ』

10MHz帯は、カップラーの調整がクリチカルとなる。

7MHzにおける効率低下は最低でも20%程度が予想される。

但し、7MHzではループアンテナのパターンは、八の字ではなく、無指向性となる。

『全長14mデルタループ』

7-14MHz帯は、カップラーの調整がクリチカルとなる。

7MHzにおける効率低下は最低でも25%程度が予想される。

但し、7MHzではループアンテナのパターンは、八の字ではなく、無指向性となる。

まとめ

  • 14MHz-28MHzでの使用であれば、全長15mのデルタループがカップラーの可変範囲を一番狭く出来る。(L:0.5-9.7、C:0-78pF)
  • 効率的には、やはり16m長が一番良い。
  • 地上高によるインピーダンス変化は少ない。

ふたたびデルタループへの提案(追記あり)

2015年05月01日 00時34分00秒 | エンドフェッド・ループ

我がアンテナ研究会のメンバー・・いやいや、有名DXペディショナーJA0JHQ局のHPは興味深く拝見させて頂いている。

そこのアンテナの項目には様々、ペディで実践してきたアンテナの手書きメモが掲載されていて、使い方、構造がひと目で分かり素晴らしい。

それで目を引いたのは18-28MHz共用のデルタループだ。

解析してみると、打ち上げ角が低く、高さによるインピーダンス変化が少なく、様々な環境下で取り扱い易い点が特徴だ。

[打ち上げ角、全体的に低い]

[正面から・・つまりマユ形状]

これまでHFハイバンドとなると、ビームアンテナばかりが頭に浮かび、機材の重量や組み立ての手間を考えると、島移動等での運用を躊躇していた。

しかし、デルタループの構造と飛びならば・・持ち込むのも面白いかと解析をしてみた。

JA0JHQ局の原典では、アンテナカプラーは「π-C型」で、ループが短い(15.6m以下)と18MHzでは同調が取れないと、HPには書いてあり、まずは、MMANAでそれを確認してみた。

図1が解析の結果である。アンテナ長は、15mで18MHzの1波長よりも少し短い。

この時、インピーダンスは80Ω-j445Ωとなる。つまり、容量性リアクタンスの領域かつ大きな容量性となっている為に、原典の回路では全く整合の手段が無いことが確認できた。

(80Ωを50Ωへ整合させないとして、3uHのコイルを直列に入れれば容量性リアクタンスが打ち消されてSWR1.5程度になる。図は、50Ωへ整合させる回路が書いてある)

[図1]

HFハイバンドのデルタループの解析を様々な条件(アンテナ長、高さ1m-10m)で行い・・LC整合の取りうる値を検討した。

結果、整合範囲を十分に広くとったとしてもループ長15mでコイルは4uH、整合のバリコンは、60pあれば十分ということが分かった。

ループ長が16m以上あればコイルは、3uHあれば殆ど大丈夫と判明した。

のみならず、(コイルが10uHあれば)14MHzでも使用できる!

最近は、バリコンの入手は難しいので、下記のような回路(16m長)を使って入手しやすい高耐圧コンデンサを並べると少なくともSWR2以下に整合可能と判明した。

アンテナ部分にソータバランを挿入すれば完璧か?

ん?この結果からすると・・

HPハイバンドデルタループで、ローバンド用のカップラー(50W程度)がそのまま使えることになった!!めでたし、めでたし!!

[ローバンド用のカプラー、これに13uH(プラスタップ付)のコイルが取り付けてある]


JA1JHQさん!如何ですか?


エンドフェッド・アンテナの解析結果まとめ2(訂正、追記)

2015年04月24日 05時00分46秒 | エンドフェッド・ループ

まとめ1で、7-14MHzのアンテナを解析してきた。次は、1.8-3.5の解析結果を検討したい。

1.8-3.5MHzのアンテナは、下図の通りだ。

基本の10mポールの使用は変わらない。各バンドともローディングコイルは、ポールの8mの高さに取り付ける。

ローディングコイルでの理論的損失は、1.8NHzでも10%程度。もちろんコイルの出来とアンテナインピーダンスに左右される。

ローディングコイルは、3.5MHz 40uH,1.8&1.9MHz 200uH-210uHだ。

また、L字部分の角度が小さくなるとインピーダンスは低下する。

下図では、各バンドとも50-80Ωとなり、コンデンサー1個(10p-30p)を挿入するだけで、SWRは2以下に調整できる。

よって、同軸ケーブル10cmと20cmを用意して直列に入れて、SWRを調整すれば十分。

1.8から1.9へのQSYは、ポール下のエレメントを0.5m短くすることで行える。

コンテスト等では、10mポールを2本持っていき1.8と1.9の2本のアンテナを用意する。

[1.8-3.5MHzのエンドフェッド・アンテナ、L字部分の角度は60度程度]

[水平エレメントの90度方向から見た放射パターン]

[水平エレメント側から見た放射パターン]

以上が、1.8-3.5MHzのアンテナの解析結果だ。

今回の検討結果に基づき山岳等移動運用用に製作した1mmアルミ線の加工方法を下図で示す。

  • アルミ線は、8m,7m.4m,1mのユニットで構成しギボシ端子等で分割出来るようにする。
  • 1.8-3.5MHzを使用する場合は、8m,7m.4m,1mの全てを使用する。また、8mと7m間にローディングコイル(3.5MHzでは40uH、1.8-1.9MHzでは210uH)を挿入する。
  • 1.9MHzを使用する時は、8m部分を50cm折り曲げる。
  • 7MHzでは、8m,7m.4mの19mを使用する
  • 10MHzでは、8m,7mをの15mを使用する。
  • 以上は、移動運用を考えてのアルミ線分割だったが、各バンド用アルミ線を用意しても問題ない。

[1mmφアルミ線加工図、単位はmで表記]

1.8-3.5MHzアンテナは、実際に使用するにはいたってないが、7MHz等の使用結果が解析結果とほぼ同等だったので、全長はこのままで問題ないと思う。

但し、1.8-3.5MHzのローディングコイルは、正確にインダクタンスを測る必要がある。

飛ぶ飛ばないという言葉があるが、エネルギー保存則』は、万物に適用されるわけで、本アンテナは、八方美人的アンテナであることを理解頂きたい。

ま、試してみるか?と思った方は、使ってみてください。

[使用例]

[解析結果と運用方法に基づいた自作アンテナカップラー(チューナー)]


エンドフェッド・アンテナの解析結果まとめ1

2015年04月16日 22時22分51秒 | エンドフェッド・ループ

 今回のエンドフェッド・アンテナの検討は、3月6日(金)の『アンテナ研究会』がきっかけで始まった。

元々、自分が移動運用で使用していたのは、①20mの1mmアルミ線を逆Lに上げて、アンテナチューナーに繋ぎ、更に10mのカウンターポイズを取り、整合させて使っていた。または、②G5RVだった。

また、アンテナ研究会に参加されていた、JA0JHQさんが使用していたのも③1/2λエンドフェッドだった。

この3つのアンテナには偶然??共通点がある。空中に重いバランを取り付ける必要がないのだ。

なので、

  • グラスポールでアンテナを支えることが出来る。
  • また、アンテナの高さ分の同軸ケーブルが省略出来る。

という特徴がある。

これらの考え方に基づいて・・ローバンド用アンテナを設計してみようと考えた。

アンテナの設計ポリシーは、

  • 山岳、島移動等の歩き移動運用でも簡単に持ち運べ、かつ現地展開容易なものとする。
  • DXにも対応できるように低角度の放射も確保出来る。
  • HFローバンド(1.8-3.5)にも同じ考えで対応する。
  • マッチング部は回路を簡単にして出来る限り各バンド共通化

とした。


MMANAの解析で、最初に行ったのは輻射パターンの確認だ。

仮に垂直アンテナとするならば、下図のような輻射パターンを持つことになる。

高い打ち上げ角に対する輻射が少ない。1エリアから考えると300-500K以内圏に相当する45度以上の輻射が特に少ない。

DX用のアンテナパターンだ。

世間で話題のVCHアンテナは、このジャンルに入る。

[垂直アンテナの輻射パターン]

では、1/2λのエンドフェッド・アンテナを逆L型に折り曲げてみると輻射パターンは。どうなるか?

逆L字の折り曲げた場合は、下図の通り。

[アンテナ長の50%折り曲げ時の輻射パターン]

[アンテナ長の40%折り曲げ時の輻射パターン]

以上、見てきたように逆Lタイプアンテナは

  • 低い輻射を確保しつつ、高い輻射もそれなりに確保できる
  • また全長の水平部分の割合を増減させることで、高い輻射成分と低い輻射成分を自分の運用に合わせて調整できる。
  • 一番、使いやすいのは全長の30-40%を折り曲げた時

と考えた。

最後に、エンドフェッドを低い高さで、斜めに設置した場合の解析結果を挙げておく。

[19mのアルミ線を地上高2mから8mくらいまで斜めに設置した輻射パターン。アンテナ展開方向に対し90度方向から見る。]

[19mのアルミ線を地上高2mから8mくらいまで斜めに設置した輻射パターン]

水平成分が多いので、輻射は高い角度が多くなる。架設方向を間違えなければ国内交信用としては十分だ。


次は、インピーダンスの変化とマッチングを調べてみた。

では。一挙に解析結果を掲載だ。マッチング方式は簡便なかつ損失の少ないL型マッチングを採用した。

「C側接地」と書いてあるのは、アンテナ側にコンデンサを並列入れて、その片方をGNDへ落としている。

「L側接地」は、アンテナ側にコイルを並列に入れて、その片方をGNDへ落としている。

『インピーダンスの変化』(逆Lタイプ設置の場合)

  • 折り曲げ角度が90度→60度→30度と小さくなるに従い、インピーダンス低下。
  • 垂直長が短くなる(=地上高が低下)とインピーダンス低下。
  • インピーダンスが低下すると、マッチングのL分が増加する。

「L側接地」は、アンテナインピーダンス変化に対するLのインダクタンス変化が大きい。

  • 従ってマッチングは、「C側接地」としなければ整合できない可能性あり。
  • 1/2λに近いとAの角度によるインピーダンス変化が激しい。(ある意味当然)

※エンドフェッドアンテナのインピーダンスは、半端な数字ではない。少なくとも1000Ω以上ある。1/2λに近づくと3000Ωにもなる。文中でインピーダンスが下がると言っても、そのレベルの話だ。

但し、表中でLのインダクタンスが0と書かれているものは、インピーダンスが50Ω近くまで低下しているからだ。なぜなら、18m、19mのアルミ線を角度30度で垂らすと、アルミ線の端が地上高1mを割り込み、アンテナインピーダンスが極端に低下する。

また、角度が90と30しかないにではなくて、最初はもっと細かく書いていた。解析を終えて眺めると、90から30度へ向かってインピーダンスが低下していくだけだったので、途中を省略した。

今回は、アンテナ線は1mmを前提にしたが、太いほどインピーダンス変化は少ない。

これをみながら決めた。

  • 7MHzのアンテナ長は、19m未満とする。(エンドフェッドでは)
  • カプラーは、18mのアンテナ長を前提に設計する。(薄緑のセルを参照)

[上記表をベースに製作したカプラー↓]

この結論で、常用する10MHzも解析してみた。

下表のように、7MHzでカップラーを設計しておくと、

  • 10MHzバンド以上のインピーダンス変化に対しては、全て対応できることが分かった。
  • 10NHzは、アンテナ長14mを採用した。

[C側接地のみ記述↓]

今回のまとめは、ここまで。

ただ、掲載された一覧を見て考えると・・イロイロ見えてくると思う。


エンドフェッド・アンテナ(いよいよトップバンド)

2015年04月15日 22時08分14秒 | エンドフェッド・ループ

エンドフェッド・アンテナをトップバンドアンテナに適用してみる。

逆Lタイプは同様だけど、流石にフルサイズでは、40mのポールがないと実現できない。(手持ちポールは最大10m)

垂直部分10m水平部分10m全長20mとして、センターローディング方式を採用してみることにした。

コイルのインダクタンスは、200uHだ。果たしてこんなアンテナが使い物になるのか?

解析上のインピーダンスとコイル内の抵抗成分から輻射効率を次の式で求めてみると、

輻射効率は、 なので

Rl(輻射インピーダンス) = 75Ω,Rc(コイルの損失)=7Ωを想定し、効率(η)を計算すると、91%前後となってコイルの出来次第かな。

現実には、損失はこれ以上だろうから、更に効率は低下するが、超短縮アンテナよりは、うまく飛びそうなので一度はチャレンジしてみたい。

また、この時、SWR=1.2程度を許容すれば、15pのコンデンサ1本で整合回路が作れる。

[電流分布]

[放射パターン]

[異なる方向からの3D放射パターン]


今更だけどトップバンドデビューか?

430MHzと1.8MHz主体じゃあ、両極端?


愛川町移動運用(エンドフェッド・アンテナ実践編と製作)

2015年04月12日 22時12分43秒 | エンドフェッド・ループ

本日は、設計したエンドフェッドアンテナとエンドフェッド専用のアンテナカプラーの試験運用を実施した。

本来ならば別の移動地で電波を出す予定だったけど、アンテナを上げたところで、リグの電池を忘れたのに気づいて・・往復2時間かけて取りに帰った。

時間も無くなったので、仕方なく愛川町での運用となった。

今回、使用したアンテナは7MHz 18m長のアンテナだ。

[10mポールを使って設営]

アンテナは、下図のように設置している。

アンテナの水平部分の長さと角度で、インピーダンスがどう変化するかを事前に計算しておいた。

水平エレメントの角度が90度に近づくと、カプラーのL成分が少なくて済む・・ということだ。

製作したカプラーは、これだ。

1KV50pFのバリコン、1KV47pFのコンデンサ、そして前回移動で使用したコイル(最大値13uHおよびタップ付き)を使用した。

出力通常は10W、最大50Wを想定しているので、耐圧は問題ないか?

コイルのタップの切り替えは、ロータリースイッチを使いたかったが・・配線が複雑になり浮遊容量も増えるので今回はワニ口クリップを使用した。

コイルのタップ変更時の使い勝手が悪いので、もう少し小さい部品に変更する予定だ。

7MHz以上でのアンテナを想定したので、写真のように思ったよりもシンプルに仕上がった。

[今回製作した、アンテナカップラー]

というわけで、全体像は下。

自作なのでスイッチがユニークかも。

スイッチ2個とバリコンのツマミだ。

コイルのON/OFFは、短縮コイルを使ったアンテナの場合は、コイルを切り離すことで、コンデンサのみでマッチングを取る予定。(3.5MHz用)

47pFのコンデンサもスイッチで接続したり、切り離したり出来る。

まとめると

  • コイルは、13uH,9uH,6uH,3uH,0.9uHから選択できる。
  • コンデンサは、バリコン50pF(5p-55p)は、常時接続。47pFが追加できる。従って可変範囲は、5pF-102pF付近まで。

あとは、アンテナとリグへのコネクタを取り付けてある。

[今回製作した、アンテナカップラー外観]

今回の運用は、L型エンドフェッドアンテナに、このカプラーを接続した。

7MHzは、予定通り一発でSWRが1.1まで落ち。10MHzでは、アンテナを5m短くして15mでSWR1.5に出来た。

また、オートアンテナチューナーと異なり、チューニングの不安定さは全く無く、SWRメータはピタリと止まったままだった。

伝播においては、10MHz10Wと非力な運用だったが、コンディションがあまりよくない中、4,5,6,8エリア各局と相手のRS59で交信することが出来た。

こちらは10Wなので弱かったかもしれない?

交信頂いた皆さん、ありがとうございます。実験は上手くいきました。


エネルギー保存則??は、どこ行った??エンドフェッドアンテナ構想

2015年04月11日 07時57分01秒 | エンドフェッド・ループ

エンドフェッドアンテナについて、ここに書いてきたけど、解析途上であったりで、まとまりのない記事になっていた。

まあ、本人のメモだったので、そんなところ。

実は、一番この所悩んでいたのは、MMANA等でのアンテナ解析の結果が、他のブログやHPと大きく異なっていたことだ。

どういう事か?

下記の放射パターン図を見て欲しい。外側にある黒い線が、ダイポールアンテナ。

内側の赤い線が今回設計した1/2λL型のエンドフェッドアンテナだ。

この図を見て「エンドフェッド・アンテナを使おう」との結論には至らないと思う。

どう見てもダイポールの方が利得も高く見えるからだ。

しかし・・これを見て『エネルギー保存則』に反する結果だと思っていた。

つまり、異なるアンテナであっても同じ電力を入力したら、コイル等で損失がない限り、同じ電力が出て行く必要がある。

普段見ている、MMANAのこの図には、それが感じられないのだ。

MMANAの使い方がおかしいのか?いやいや、基本的に何かがおかしい。

そんなことは、考えなくても分かりきっているだろう?との指摘があるやもしれない。

分かりきっているものは・・良いが。

しかし、新しく製作するアンテナは、MMANAの解析結果だけで判断している事が多いので・・大きな問題だ。

どうやれば、正しく判断できるのか?

いろんなHPやブログから定義ファイルを持ってきて検討すると、他とXY方向が違っていただけだった。

しかし、これは重要なことだった。

XYを入れ替えて、異なる方向からダイポールアンテナと1/2λL型のエンドフェッドアンテナを比較すると下図になる。

これで、『エネルギー保存則』に、沿っていることが確認できた。

つまり、「1/2λL型のエンドフェッドアンテナ」は、360度全域に渡ってほぼ同じパターンだ。

円盤状だな。

一方、「ダイポール」は、殻つきピーナッツ形状だ。ブログやHPでは、これを長手方向から見た図しか掲載されてないので、判断を誤る。

上の図は、ピーナッツを細い方から見た図だ。空間という多面的な領域比較をきっちりする必要がある。

それを実践するならば・・やはり三次元パターンだね。

[ダイポールアンテナをエレメント展開方向から見たパターン]

[ダイポールアンテナをエレメント展開方向90度から見たパターン。青い太線がエレメント]

 

[エンドフェッドを水平エレメント展開方向から見たパターン]

 

[エンドフェッドを水平エレメント90度方向から見たパターン]

以上のように、三次元的に俯瞰をしなければ、正しい評価は出来ないし、結果を示すには、出来るだけ情報詳細に出す必要性を感じた。

これは、自分の記事にも言えると反省。


エンドフェッド・アンテナの設計(製作編 1)

2015年04月08日 22時48分36秒 | エンドフェッド・ループ

最近は、本当にアンテナの製作、解析に没頭中。
エンドフェッド・アンテナのアンテナ放射パターンとマッチング方法を検討してきた。
その結果、下記の方式を採用する。
・移動用ローバンドアンテナなので軽量な1mmアルミ線を使用
・架設方法は、10mポール1本を利用して、逆L方式とする
→垂直成分と水平成分のバランスを適切に確保でき、目的地域用の架設が可能。
→垂直=打ち上げ角低い(沖縄、北海道、DX)。水平=打ち上げ角高め(国内近距離用)。

・3.5MHzのアンテナについては、センターローディング方式として、垂直エレメントの長さを稼いだ。

(国内QSOならば、これでも十分か?そのうち、18m程度のポールを手に入れたら見直す。)

各アンテナの長さとLCマッチング(キャパシターをGNDへ接地する)値は、下記とした。

CをGNDへ落とすことで、Lは、10uH、Cは100pF程度に収まったので、余裕を見て部品を選んでも、部品数も少なくマッチングBOXが製作できそうだ。

次は、下記のアンテナで使用するマッチングボックスを製作することにしよう。

[アンテナ長とマッチング値。3.5MHzのローディングは、40uHを使う。]

アンテナパターンは、下図の通り。

10mポールに垂直部分を立ち上げて、アンテナ長の30-40%分を水平または斜めエレメントとする。

3.5MHzは、垂直部にローディングコイルを挿入したことで、垂直部分が30m相当、水平部分10mとなっている。その為、打ち上げ角が低くなっている。

[逆L方式で架設し、垂直部分を長めにした時の放射パターン]

これまで、移動で10mポールを利用して1/4λ~1/2λGPを使った運用をしてきた。今回は、その最適長と架設方法を決定出来た。


エンドフェッド・アンテナの設計(解析編 2)

2015年04月02日 00時29分18秒 | エンドフェッド・ループ

前記の解析編1で基本的な方法を書いた。あくまでも、実際の値とどれくらい整合するかは、今後の課題だと思っている。

とはいえ、データも無しに傾向も語れないので、7MHz-14MHzの様々なアンテナ長で傾向を調べてみた。

その結果が下図だ。

垂直エンドフェッドアンテナ(表から言えること)

  •  接地抵抗の問題はあるが、1/4λから1/2λ長までの垂直アンテナの利得変化は少ない。しかし、打ち上げ角は、徐々に低くなってくる。
  • 1/2λから5/8λにかけては、利得の増加が見られる。しかし、放射パターンは、歪な形になっていく。
  • 93%前後の垂直アンテナの放射パターン・打ち上げ角はDXには向いていると考えられる。逆に言うならば、国内通信(常用3-500Km)には向いていない。
  • 一方、国内通信は、打ち上げ角25度~90度、常用500Km付近ならば45度以上であり、26.4度にピークを持つ1/4λGPが国内通信に有効なのも頷ける。しかし、天頂方向への放射は少なく、超近距離には向かない。
  • そこで垂直アンテナを50%程度折り曲げて水平エレメントにすると遠近両用のオールマイティなアンテナに変身する。
  • 水平に折り曲げるとアンテナのインピーダンスは低下する。
  • LCマッチは、GND接地側の素子の特性値変化が大きくなる。

F層の1ホップの距離は下記の通り

自局の位置と交信したい、サービスしたい地域との距離を考えて、打ち上げ角を算出し、アンテナの選択と設営方法を決定する必要ありか?

当然だよね。

一応調べると、常置場所(神奈川)からの距離は、沖縄1500Km、大分750Km岡山500Km大阪360Km、大田区40Km、小笠原950Km、山形370Km、札幌870Kmなので、沖縄でも20度ちょっと九州・北海道ならば30度程度だなあ。

この角度ならば常用距離は、高さの低い、水平ダイポールアンテナで十分届く範囲だ。


エンドフェッド・アンテナの設計(解析編 1)

2015年04月01日 08時01分04秒 | エンドフェッド・ループ

HFのエンドフェッド・アンテナを検討すべく、MMANAを使って計算をしてみた。

基本方針は、

  • 7MHz,10MHz中心の運用なので、出来れば1本の1/2λ近くのアルミワイヤーで両バンドに出られる。
  • 元々、アンテナチューナーは、持っているので、それよりは軽量かつ低価格なこと。
  • 国内へそこそこ飛ぶこと。場合によっては、DXにも対応可能なこと。

というわけで、早速、7MHzの垂直アンテナをMMANAで分析してみた。

エンドフェッドなので、常用している短縮率93.3%の20m、1mmアルミ線を解析してみる。

机上の解析なので、設置方法や周囲の影響は、無視している。

20m長の垂直アンテナとすると、地上高0mに給電部を置いた計算結果は、下記の通り。

予定通り、超ハイインピーダンス!!

これで、マッチング出来るのか?

ここで、Smith V3.1のフリーソフトが登場だ。MMANAで得られたインピーダンスを入力する。

本当に、うまくいくのかと、使ってみる。

『DP1』と四角く表示されているのが、今回入力したインピーダンス値です。

ここでは、並列にコイルを入れてみます。[チャート図]左端から3番目のアイコンです。すると、DP1の場所から反時計回りの円が現れます。

赤い太線に50.0と書いてあるのが50Ωの整合線です。

反時計回りの円」と「50Ωの整合線」の交点が50Ω整合のインダクタンスです。[チャート図]右上に表示されているように、9.0uHです。

[並列コイルを挿入した場合のインダクタンスライン]

この交差点がTP2になります。最初が並列コイルでしたので、次は、直列にコンデンサを入れます。[チャート図]左端から10番目のアイコンをクリックします。

すると、50Ω線に沿ってまた、反時計回りの線が現れます。青い太線と赤い太線が接している部分が完全整合の場所です。その位置にカーソルを持っていくとSWR1.0近傍のコンデンサー容量が表示される。

[直列コンデンサーを挿入した場合の容量ライン]

クリックすると、確定だ。オーバーランしたり、足りなかった場合は、右クリックでキャンセルされるので、直列コンデンサのクリックからやり直す。

[チャート図]

20m、1mmアルミ線を垂直アンテナのLCマッチングは、L=9.0uH C=58pFで整合できる。

この時の放射パターンは、下記の通りだ。

これを、いろんなアンテナ長で解析してみると何が見えてくるのか?

最初の設計ポリシーに合致したアンテナ構築方法は、発見できるのか?

続く・・・・