ありがとうって伝えたくって

「同軸コリニアアンテナ研究会」でgoogle検索するとHPをご覧いただけます。研究成果がまとめてあります。

mcHFV0.5改造完結編 6月11日

2017年06月12日 23時55分57秒 | mcHF

V0.5の改造実験も進んで残るはファイナル部だけとなってきた。結果は良くなるのやら?

『BFA18Aへ交換』

ファイナル部のドライバーTRを高域の延びるBFQ18Aへ交換した。

『FET回りの改造』

様々な改造例を調べて一番効果があり改造が簡単な方法を検討した。その結果ファイナル部は下記の改造を行うことにした。

RD16HHF1のドレイン以降の回路は原型を留めてないがコア材も1個で済むし工作も簡単、パワーも素直に増加する。

主な変更点は、

①T6を取り外しコンデンサを追加

②RFC8をFT50-43材の14Tに変更する

③出力トランスT7を回路図のように変更する(1Tx2/1Tx2:4T)

④1次側中点にパスコンを取り付けVCCを供給する

⑤フィードバック回路を追加する

回路的には大きく変わるが元の基板パターンがそのまま利用できる。回路修正後の基板は下記の写真だ。

変更部品はSMDを使用したかったが耐圧100V以上は国内で即入手が出来なかったのでリード部品で代用している。

『コイルの修復』

このように試作・実験・手直しを何度も行い裏表をひっくり返したせいでLPFのコイルが断線していた。

それを知らずに出力が出ないとPA設定を上げてFETを壊したのもあるだろう。(10dBアンプを入れてあったので)

断線していたコイルを太目の0.6mmエナメル線で巻きなおした。0.6mmにすると基板をひっくり返してもコイルが動くことはなかった。

(全部0.6mmで巻きなおすか?)

3.5MHzのコイルは足の長さに余裕があったので再度半田付けした。

[黄色囲みのコイルが断線していた。LPFは手直しが必要なのでボンドでの固着はしてなかった]

『FET回り修復』

MOS-FETを合計5回抜き差しした。その結果FETのランドは全て剥離してしまった。6本の足のうち4本が通電しなくなったのでジャンパーを飛ばして修復した。

FETのソースの内層パターンだけは生きているみたいだ。

[FETの足回りはひどい状態!]

『SerialEEPROMについて』

最近、ある方から24LC1026でないと動作しないのでは?との指摘を頂いた。一応自分のEEPROMの型番を確認すると24LC1025。

ソースコードを確認してみるとEEPROMの容量をチェックして動作を決めている。いずれにせよ私の推奨する安定動作版のV1.1.4及びV2.024LC1025では問題なく動作する。

V1.1.4以降はSerialEEPROMの有無で電源OFFの時間がかなり短縮される。

(コメントでアドレッシングの確認要望あり追記:

ファーム1.1.4以上で確実に対応しているのは、24XX1025,24XX1026,24CM01,24CM02です。

またファーム内で各デバイスに合わせたアドレッシングを行っています。

更にデバイスに合わせて

1025は0xA0,0xA2
1026は0xA0,0xA2,0xA4,0xA6

のコントロールbitを書き込んでいる。

元々V0.5基板は24LC01Bでパターン設計されているのでジャンパーで24LC1025に対応させた

ここまで完成させて送信部の波形とレベルを確認すると綺麗に動作していた。

『RF AMPを外す』

いよいよPA設定とIQlevel設定を行う。ここで10-20dBの送信用RF AMPを残すか外すかを考えた。

ここまでの改造の効果確認とFETが壊さないことを優先し一旦RF AMP回路を外して確認することにした。

『IQ調整等』

PAの出力調整を実施したあと7MHzの5W出力で波形を確認した。

まずはIQレベル設定を未調整でスペアナで確認。キャリアリーク及び下側サイドバンドのレベルが高い。

そこでIQLevel,Phase調整を行うとキャリアリーク及び下側サイドバンドに2-5dB余裕が出てきた。

ここで再度Mixerのバイアス電圧調整VRで確認を行う。現在の設定(抵抗比1:2)が一番キャリアリーク等が小さかった。

改造以前にも調整してあった結果だな。

他にも3.5MHzを確認すると7MHzよりも綺麗な波形だ。

 『出力確認』

3.5-10MHzは楽に10W出た。

14-21MHzが最大5W程度。24MHz以上は2W程度となった。

LM386を削除して代替AMPも無しの状態でmcHFキットの組立て時の出力が確保できたのは改造が成功だ。

これにAMPを追加すればハイバンドで10Wも夢ではないかも。

『まとめ』

mcHFV0.5ではパワーを上げると波形が歪むという問題がありその原因となるLM386を削除したが

  • 各デバイスの性能向上
  • ファイナル回路の手直し

で元の出力が確保できることがわかった。

いずれにせよD3D4及びLM386(V0.6では対応済み)の削除は必須となる。

V0.6でもファイナル部の回路を上記方法で変更すれば10dB AMPを実装済みでありハイバンドでも5W以上が可能かも。

改造実験での失ったもの

RD16HHF1  7個(入力電力過大による破壊も含む)

RD16HHF1の両面ランド 6個

LCD バックライト 

DXT2150のランド 2個

・・・等等ジャンパー数知れずとなった。新たなLCDが手元に来るまでは検証を一旦保留とします。

最後に本実験に当たりこの1ヶ月間技術面で多大な協力を頂いたJA0LKA局、ありがとうございました。

また測定器類の使用を快諾頂いた7N4AJE局にも感謝致します。


mcHFV0.5改造へ向けた試作

2017年06月06日 14時16分27秒 | mcHF

mcHFは優れた受信性能と機能もっている。しかしV0.5以前の送信回路にはいくつか問題がある。

私はV0.5を所有しているが問題解決のため予備実験を行い改造を実施した。

更にネットでは様々な解決方法が提案されている。なので一番簡単で効果のある改造を考えてみた。

①mcHFで一番大きな課題はD3,D4のピンダイオードだ。

2016年のmcHFV0.5以前及び最新のV0.6も含め本項目の改造は必須である。

私のV0.5ではD3,D4の影響で7MHzの送信波形にトラブルが発生した。

こればかりは個体により7MHzだったり、21MHzだったり・・出ない場合もあるかもしれない。


 RF-04/05-H-029

PIN diode switching often produces spurious TX signals and distorted TX signals. They are only present at some frequencies and not at all TX power levels (so difficult to identify). We have not found any successful modification to the PIN diode switching stage except for removing it and replace it by an "old school" relay switching. Remove RFC2, RFC3, R54, C79, D3 and D4. Apply the following parts: Schematics

If you are in RX mode the Antenna is connected by relays directly to the RX input. If you are transmitting, contacts open and the antenna now disconnects from RX preamp. It is also a good idea to fit two antiparallel diodes (like 1N4148) at position of D4 to prevent preamp input from overvoltage. There are some discussions about IM3 problems using antiparallel diodes. Problems can only occur if antenna signal increases above ~0.5Vss. These are very rare and strange RX antenna levels and do not exist under most circumstances. But we do have more than a few destroyed BFR93A in our German Project group at mcHFs where antiparallel diodes are left out. Check and decide by yourself.

更にV0.5以前のボードにはもうひとつ課題がある。(V0.6では解決済み

②各バンドの送信出力調整はベースバンドIQ値のレベル設定で行う。しかし、パワーを出そうとして設定値を大きくすると送信波形が歪む。設定値を下げるとキャリアリーク・高調波等との余裕が無くなり帯域外スプリアス40dBを満たせなくなる。

パワー設定及びTXIQ設定を全バンドで良好にするには相当な困難を極める。

そこでV0.6仕様への改造で解決する方法を試した。

[ボード波形や電圧がチェックできるようにジャンパー線でボードを繋ぐ


V0.5以前の回路はMixerの手前にLM386が入りIQ信号を増幅してMixerへ信号を送る。しかし信号のレベルが大きくなるとMixerで混変調を起こし波形が崩れる。(HPの要約)

解決方法はLM386をはずしてMixer以後でRF増幅するというものだった。

『LM386の削除』

基板のTXIQ回路のLM386を取り去り0.18径のジャンパーでMixerへ直接繋いだ。

よーく見ると1本は裏面へ伸びている。LM386の5番ピンから反対面の電解コンのランドへつながってMixerへ入る。

電解コンが脱落した際にランドが剥離した為、直接電解コンの足に繋いでいる。

結果はベースバンドIQのレベルを最大にしても波形は崩れなくなる。確かに効果はあるようだ。

『AMPの検討』

次にMixer後のAMPを検討だ。V0.6ではHMC482ST89Eが使用されているが同様に手持ちのMicrowave帯AMP、mini-circuitのgali-2を使用した。

GAINが16dBあるのでバイアス抵抗を検討し80Ωに決定。

[手持ちのチップ部品でAMPを構成した、基板は2.54mmピッチスルホール基板6x4穴(16mmx12mm)]

当初バイアス抵抗はゲインを10dBに抑えようと100Ωを取り付けたが動作電圧が低くなりすぎて波形が歪んだ(歪を新潟の仲間に指摘され定数変更した)

次段のベースでAMPの出力波形を観察した。30mV入力で1Vpp出力。つまり3.5MHzバンドのPAのIQ信号3で30mV。

【Q3へのベースの入力波形(=gali-2の出力波形)】

『TR交換』

ついでにQ3Q4もゲインのあるBFQ18Aに変更した。参考までにQ3の出力を確認する。

PAのIQ信号は目盛りが1増えるごとに30mVアップする。なので10で240mV。この時パワーMOS-FETへの入力電圧は6Vppとなった。

【Q3コレクタの出力波形】

『Mixerのバイアス調整』

改造前のV0.5でキャリアリークを抑えるためにMixerのバイアス回路にVRを取り付けて可変できるようにした。

しかしこの調整も難しい。あるバンドを落すと別のバンドが高くなったりだった。改造後はどうなるやら。

[BAIAS調整VRが斜めになっているのは上部のシールド板との干渉を避けるため]

ここまで終わったのが実は先週末!!ところがここからが地獄に堕ちた。

 『夢の跡』

あとは終段のFETだけとたかをくくっていたけど・・・終段を取り付けても動作しない!!

壊れているのかな?とMOS-FETを取り換えるとなぜか電源が入らない!!

新品を取り付けたのに?調べると電源にしていたリチウム電池のショートセンサーが働き回路断。

電源を復旧させて繋ぐ。またまた電源断。改造してなんかショートさせたかな?

仕方なく・・MOS-FETを外すと普通に電源が入った!

その時気付くまさかRD16HHF1のFake???』

試しに他のMOSも含めて差してみる!。

 一番左の黄色が元々使っていて片方が壊れたRD16HHF1。

青色の部品は、実装即ショートした部品。赤は全く動作しなかった部品。

赤枠の三菱マークは確かに嘘っぽいな。

MOS-FET10個中、6個がfake??または保存状態が悪く故障か??入手先は殆どがUSAの小さな部品屋。1個は国内購入。

現在、国内代理店からRD16HHF1を手配中です。

MOS入手後の結果は次回・・結果が良ければ関係者に部品を配布して改造命令を出す。


mcHFの手直しを実施しました

2017年04月19日 18時20分41秒 | mcHF

日曜日に移動運用を行ったが、その際にローカル局から「電波がおかしい」との指摘を頂いた。

まさか?受信もすこぶる好調だしRIGの不具合は感じられない。唯一、出力が低下した気がしていたくらいだった。

終段が飛んで変な電波が出ているのだろうか??

昨日、mcHFをばらして終段をチェックしたが異常はなかった。そこで研究会メンバーから借りていたスペアナを使って各バンドをチェックしてみた。

指摘を頂いた7MHzを見ると・・ん?スペアナ壊れてるのでは??と思えた。使い方が悪かったのか?

他のバンド・・普通ではないけど普通の波形。

どういうことだ・・と調べるとmcHFのWIKI (Documentations, Modifications, Manuals)に下記の記述があった。

「PIN diode switching often produces spurious TX signals and distorted TX signals. They are only present at some frequencies and not at all TX power levels (so difficult to identify). 」

7MHzは想像も出来ないスプリアスな波形で驚いたが・・改造を行った。

本当に治るのか半信半疑でピンダイオードを外してリレー動作に変更した。最近は小型のリレーも手にいらずそれも大変だった。

さて改造結果。7MHzは問題ない状態となっている。帯域外スプリアスも40dB以下になっている。

続いてスプリアス領域は?どうだろう。第二次高調波が50dB以下となっていて第三次、第四次も微かに見えているがスプリアス規定は完全にクリアしている。

全バンドを挙げても無駄なのでハイバンド28MHzは下記の通り。

スプリアス領域は、

第二次、第三次ともマーカー表示の通り、-52.28dBおよび-55.63dBとこれも規定を満たしている。

全バンドともピンダイオード使用時とは比較にならないくらい改善されていた。

私のように各局に迷惑をかける前にmcHFを製作された方は『RF-04/05-H-029』を必ず実施して下さいね!!

(色んな帯域幅で撮影しましたが、これ以外はピンボケで掲載出来ませんでした?ハードコピーしろよって?)


mcHF修理完了!

2017年04月08日 08時35分19秒 | mcHF

【きっかけ】

先日の「新ファームV1.6フィールドテスト」のblogに「初心者」さんからコメントを頂いた。

「ブートローダー書き込みが出来なく、先に進められないまま足踏みしています。」という内容だった。更に私のコメントに対して経緯を書いたメールを頂いた。

簡単に経緯を書くならば、

①このmcHFは全ての部品を手で実装したもの

②USBポートに接続してもデバイスとして認識しない

というMCUの動作が疑われるものだった。

ここで正直に書くが、私はソフトの開発経験者であってハード設計もハード修理を業務としてなかった。

K2を1回目製作した際には動かなかったので「エレクトロデザイン」で直して貰った。

ハード修理なんて未経験!なのに気軽にOKしてしまった。大丈夫なのか?

修理品を事務所で受け取ったのは今週月曜日だった。

【ハードのデバッグは簡単?だった】

先週から今週前半にかけてJUMA PA100のデバッグを行って確実に分かったのは、回路図があるアマチュア無線の単体製品(回路図・メンテナンスマニュアル無いと無理)やキットのハードの修理は非常に簡単だということだ。

回路で使われているICの機能を理解して周辺回路に何が必要かを把握すれば修理箇所が簡単に絞り込めると感じた。

一方、大規模システムのデバックは実に大変だった。大規模システムともなると数万のモジュールがあり・・・たったひとつのバグが該当しているモジュールに潜んでいるだけではなく・・

●仕様のバグ

●システムのバグ(最悪モジュールの階乗の組み合わせ)

●入力データ、操作系のバグ

●各モジュールに入り込んだ開発者個人の思考ミス

と無限に近いデバッグを余儀なくされるのだ。

【いよいよmcHFデバッグ開始】

不具合の内容から当たりを付けていたのは

①MCUの実装不良、取り付け方向

②クロック回路

③USB回路

④ブート回路

だった。

①MCUの実装不良、取り付け方向

外観チェックすると99-100ピンがショートしているように見える。

⇒一応ハンダを除去。

一方、95-98ピン付近はハンダが乗ってないように見える。

⇒ハンダをやり直す

その他、外観からは不具合無し。

②クロック回路

クロックモジュールからMCUまでジャンパーチップを介して接続されているだけ。

オシロでクロックモジュールが発振、ジャンパーを越えてクロックが到達していることを確認した。

③USB回路

USBコネクタから直接MCUポートに接続されている。

USBコネクタの取付、ハンダを確認して問題なし。

④ブート回路

ジャンパーピンを差すと電源が供給されて起動する回路だ。MCU_3Vが供給。

ジャンパーピンを差してテスターで電圧を測る!1.5Vしかない????テスターの故障か?

オシロで確認しても変わらず。更に近くにあるレギュレータが異常発熱している。

回路図で確認するとMCU_3Vを供給するICだった。この出力ピンも1.5Vしかない。

どこかがショートか?部品実装ミスかとまずは部品を目視チェック・・・

MCU_3Vのレギュレータ回路の電解コンの逆付けを発見。これがハーフショートを起こしていたようで、これを取り外すと電圧が正常に復帰。

さて、いよいよUSBコネクタを差す。PCにデバイスとして認識されてブートローダのインストールに一発で成功!!

では、いよいよRF基板を繋いでファームのロードだ。あれ電源が入らない。

電源回りの回路図をみると基板上のジャンパーピンの設定が違う!

正しくするとファームも無事にロード出来た。

いよいよ、電源ON!!しかし・・・液晶はホワイトアウト状態。

ヘッドホンを繋ぐと受信音が聞こえてくる。ボタン操作も画面は見えないが正常。

LCDのハンダ付けには問題なさそうなので、LCDを外して設定ピンを確認すると設定がされてない?

いや、ハンダの後が見られるので動作チェックで外したままなのか?

【修理・設定の終わった基板と不良部品】

【完了】

依頼者に修理の概要を報告しLCD設定を正しくして貰うように依頼して終了とした。


新ファームV1.6フィールドテスト

2017年03月26日 00時00分32秒 | mcHF

mcHFのファームは毎月改善・バグフィックスされリリースされており、今回は最新ファームV1.6のフィールドテストを実施した。

(V1.5以降は大幅なソースコードの改変があり、トラブルが出る可能性がある)

今後mcHFはメインRigとして「国内の移動運用」で活躍して貰う予定だ。

なのでファームの品質確保は非常に重要だ。パイルの最中にシステムダウンでは、話にならない。

ん?「素人にそんな事できるのか?」って声がする。実は会社では開発部門のバグチェッカー(品質保証担当)として長年活躍?していたからな。

フィールドテストは、自宅近くの某公園で行った。開始は14時頃、しかしコンディションは4,5,6がガンガン入感するが応答局はボツボツ。

新たにM2キーでAGCのパラメータ設定が追加されていて・・コンディションによってパラメータを変えられる。(V1.6)

OFFからFAST,MED,SLOW,VerySLOW。設定が変わると聞こえ方も変化する。(V1.6)

自分にとってはDSPを切った方が自然な音で使い易い。ただAUTONOTCHは入れても音質に影響が無いので、これは使える。(V1.6以前から)

午後3時を過ぎた頃から各エリアが入感し始め、Waterfallに赤い(RS59)のシグナルが増えてきた。

[V1.6のファーム]

上記は受信時の画面。帯域幅は1.6kと狭いが音はメリハリの利いたしっかりした音だ。

CWモードでは垂直に立上がるフィルターのお陰で各信号の分離が良い。

これをメインリグとしても問題は無さそうだ。本当は7300が欲しいところだが・・

テストの結果は・・機能は従来よりも更に充実してきて良かったが、試験運用2時間で1回突然ダウンするトラブルがあった。

(電源がショートしたときのようなダウン)

まだまだ、未成熟な感じだ。それだけでなく・・他にも同様なバグを見つけた。

V1.6は予想通り、成熟したファームではない。現状のV1.1.4の方が安定性は抜群だ。

なので・・V1.6は不合格!国内仕様の最新版は当面V1.2とするしかないだろうな。

人気のKX-3よりも価格は1/3以下、KX-2の1/2を考えるとコスパはかなり高いと考えているが。

気が向いたら皆さんも手に取ってみて下さい。


mcHFの最新FirmwareをCompile!?

2017年03月25日 10時33分24秒 | mcHF

mcHFの最新Firmwareのドキュメントにはubuntu14.04以上を使えとか・・

書いてあり現有の20年前のパソコンにはインストール出来ないので諦めて倉庫に眠っていた10年前のノートPCを取り出してきた。

これにubuntu14.04のインストールを試みたが途中でストップする。そこで前バージョン12.04入れることにした。

これは無事に終了!

試しに開発環境をダウンロードし・・Makefileを書き換えてみると、なんと無事にCompile出来てしまった。(mcHFのファームが完成??)

という事は?古いパソコンで問題なかったんだろうな。

さて、では新ファームを公開!

下記写真のとおり起動画面にはFW(ファームのバージョン最新の1.6.0)、Build(完成した時間'17-Mar-25 3:39:10だ)、国内仕様変更済みを書き込んである。

操作画面は下記写真だ。

①-③が画面の変更点だ。

①はCPUの負荷状況が表示されるようになった。DSP OFFなので26%だが、ONにすると10%上がり36%となる。

②は何mBandかが表示される。

③はDSPによるAGCを選択するとこの表示になる。このAGCは設定メニューで様々なパラータ設定が出来て自分や環境に合った動作が可能となった。

④TCXOの温度。私の機材は受信時は35°前後で推移する。

その他、電源OFF時の動作がこれまでより速すぎて驚いた。

もう少しフィールドテストしてからファームを配布させて頂いた方々に送付する予定です。


mcHF保証認定終了!

2017年01月10日 17時47分31秒 | mcHF

昨年の12月13日に郵送したmcHFの保証認定の連絡があまりにも来ないので、TSSへ確認を入れてみた。

すると

「12月14日に申請書が届いて16日に保証認定完了。22日に総合通信局へ送付した」

「連絡していませんか?」と言われたが「ありがとうございます。」と答えて終わりにした。

これは過去最速かつ自作機3台でミスなし(いつもはミスだらけ)での通過となった。

どうなっているかヤキモキしていたが・・・

こんなにあっさり通過していたとは!

【↓申請書類の一部】

いよいよmcHFでの運用開始だ。

国内仕様ファーム及び申請書のひな型が必要な方は、7k3diwアットjarl.comまで連絡下さい。(EU仕様を国内仕様に変える手順を記述してあります)


mcHFオーナー会(仮名)開催される。議事録! 12月17日

2016年12月17日 21時50分35秒 | mcHF

本ブログを通じて知り合ったmcHFのオーナーによる初会合が実現した。

メンバーは東急東横線の「新丸子駅」、10時に集合した。

駅近くのファミレスに入りテーブルに回路図とmcHFを並べて検討会を行った。

今回のメンバーは3名、JI1IAU、JA0JHQ、7K3DIWの3局だ。

[参加各局のmcHF]

各局のmcHFの特徴を紹介すると

写真上の左(7K3DIW機)

mcHFは4万円ちょっとで入手。基板をバラックで調整して金に糸目をつけずお高いケースを購入!

写真上の右(JI1IAU局機)

ひときわぶ厚いヒートシンクとファンが目を引く。送信部が改造されていてハイバンドまで高出力を確保している。

写真下中央(JA0JHQ局機)

mcHFはUKのEU離脱決定直後に購入!格安で入手。また市販ケースとTVリモコンのボタンを流用したケースは価格1300円とか。私の1/10以下の価格!!


 今回の議事メモを作成しておく。

1. 送信改造方法

下記回路図のようにダイオードをリレーに切り替える。(下の写真参照、ダイオードにより高い周波数で減衰を起こしている。)

※デジトラのコレクター側をリレーに接続です。

コイルの巻数の件も話題に上がったが、追加されているtransformers_winding.pdf で問題ないことを確認した。

実際に改造した基板は↓だ。

これで21MHzまで10Wを確保出来る。未改造では21MHzで5Wがやっと。24MHz以上は2.5W程度。

2. 冷却強化に関して

  標準のヒートシンクでは冬場でもTCXOが30℃台後半になる。また送信出力の変動が見られる。そこで夏場の運用&出力安定を目指しヒートシンクの強化を行う。

  ・ヒートシンクは5mm厚のアルミ板

  ・さらにCPUファンを取り付けて万全を期する。(クーラーの電源は写真のスライドスイッチで手動)

(標準ケースには組み込めないのでどうする?)

3. ファーム改造の内容を説明

  ブログで記載した項目以外に、5MHz送受信部分を3.8MHzへの変更に伴うBPFセッティング及び出力関連Configの手直しをした。

4. ファンを制御できるようなフラグの出力が出来ないか?との話が出た

現在はファンのON/OFFが手動になっている、これを自動化する。 

→検討する(DIW)

5. Config設定を行っても出力が出ない場合の原因と対策

●偽のRD16HHF1をつかまされてサトー電気で本物を入手した。

●コイルはエナメル線の皮膜を完全にはがし、その上で確実に半田付けを行う。

その他、mcHFには関係ない話もあったが気づくと既に12時を回っていて場所を変えて昼食を取って解散となった。


 打ち合わせ結果を持ち帰り個々のmcHFに盛り込み、宿題に関しては処理し次回結果報告することになった。

次は何名参加頂けるか?楽しみだ。


TSSへ保証願いを提出 mcHF

2016年12月13日 18時22分50秒 | mcHF

紙で出すか?データで出すか?

他の機器も一緒に出すか?mcHFのみで提出するか?

迷ったあげくにmcHFの保証願だけを紙で提出した。

A4サイズに印刷して必要書類を大型封筒へ入れて提出。

mcHFのブロック図及び帯域外送信禁止の手順等を明記した(第九送信機、一部紹介)。

これ以外にConfigの変更と受信機能部分も書き換える必要がある。

(これは帯域制限とは関係ない)

研究会の仲間はJARDへ出すらしい。さてふたつの保証願いは、どうなるやら??


mcHFを預かる

2016年12月10日 11時11分31秒 | mcHF

研究会のメンバーが軽量な移動運用で使うリグを探していて、

K2が軽くて良いと言っていた、本当はKX3が良いけど値段が高いしと悩んだ末に、結局mcHFを入手した。

本当は7300が良いと思ったらしいが現有リグ構成からすると中途半端な出力。

mcHFは軽量で何といっても低価格が決め手になったようだ。勿論、性能は現在の仲間が使っているリグよりはフィルターの切れも、混変調も格段に上であるという助言も効いたかも。

昨日12月9日に仲間のmcHFを受け取り国内仕様のファームの導入を行った。

【市販ケースを改造した自作のケースに組み込まれていた。ボタンは余ったリモコンから流用とか!】

eBayのケースと比較して1/10の値段だったとか。確かに今はトランプ次期大統領決定前よりも1割円安で割高だ。

さて重量は、400g弱。これにヒートシンク等を取り付けるともう少し重くなるか?

それでも市販のケースを利用して低価格で軽量で非常に参考になる作りだった。



mcHFのファームを少しだけ改造 11月16日

2016年11月16日 16時58分04秒 | mcHF

いよいよ、保証認定へ向けて最終的な軽微な(認定上は意味があっても改造は極々軽微)改造を実施した。

内容は下記!!保証認定経験者ならばこの理由は、分かりますよね。

スペースが無くて本当に困りましたが・・・

[よーく見ると本日のBuild日付'Nov 16 2016 - 16:26:40 CEST'が入っている]

申請書にはHARDROCK-50を使用することも明記しておこう。来年、早々には実運用できるかなぁ。


mcHF新ファームの最終試験 10月23日

2016年10月24日 21時34分50秒 | mcHF

新ファームの運用試験と言ってもダミーロードを使用し、あとは受信性能試験だ。

先日書いた通り、手直しは

  1. EU仕様から国内のバンドプランに合わせた。
  2. Filter、PAconfigを60mバンドから79mバンドへ変更した。

勿論、ソースコードを手直ししたのでバグが発生してないかを確認する必要があった。

最終のコードは10月中旬には完成した。コンパイルしたモジュールを10月23日にロードしていよいよ最終試験だ。

近くの公園に機材を持ちだしてアンテナにつなぎ、まずは受信試験だ。

コードの変更でバンドチェンジやFilter特性に問題がないかをチェックした。

秋になってコンディションが変わったのか、午後2時を過ぎてワッチすると1,2,3,4だけでなく9も6も同時に聞こえていて本当に賑やかだ。

その様子が下記の写真だ。隙間なく各局が並んでいる。

[薄い緑色(弱い信号)と赤(強い信号)が各局]

さてV1.0の特徴を①‐⑥で説明する。

 赤字がV1.0での新機能の一部

①は1.0以前から実装されていた。TCXOの温度だ。

②DSPの状態だ、ここではDSPオフだ。

これ以外に

NR(NRのみ)、A-NOTCH(オートノッチ)、NR+NOTCH(NR及びオートノッチ)、M-NOTCH(マニュアルノッチ)、PEAK(750Hzピークフィルター)の設定が出来る。

③LPF,BPFフィルターは次の設定から選択可能である。

300Hz,500Hz,1.4KHz,1.6KHz,1.8KHz,2.1KHz,2.3KHz,2.5KHz,2.7KHz,2.9KHz,3.2KHz,

3.4KHz,3.6KHz,3.8KHz,4.0KHz,4.2KHz,4.4KHz,4.6KHz,4.8KHz,5.0KHz,5.5KHz,6KHz,6.5KHz

7KHz,7.5KHz,8KHz,8.5KHz,9KHz,9.5KHz

④電圧計

⑤フィルター幅が下線(ここでは水色)で示されている。

⑥ステップサイズが下線で示されている。

さて、先のブログで書いた

PAconfig及び送信用バンドパスフィルターのコード部分の変更も以上のように完了した。

また各バンド及び3.8MHzのパワー調整もきっちり出来る事を確認出来た。

[60mであったPower調整(Full,5W調整)を3.8MHz=79mとしてメニューに登録した]

既に送信系統図及びその他資料も完成したので保証認定をJARDへ提出する予定。

ただ、他の自作機の書類もあるので・・来月早々になるか?

TSSへの申請ならば何を聞かれ、どう答えるかは分かっているが、JARDでは要領が分かってない点は心配だ。


mcHFのファームを手直し途上!!

2016年09月28日 17時08分52秒 | mcHF

VineLinuxを使って早速mcHFファームのソースコードを手直しした。

中身はC言語、ソースコードの配置にあわせてmakefileを修正して・・

正確には、定義ファイルとソースコードの一部の変更だ。他に与える影響も考えて

関連するパラメータが使用されている場所も全て確認した。

本機器はヨーロッパ仕様で5MHzが送信できる設定かつバンド幅も国内仕様よりも広い。

そこで国内のバンドプランに合致させる変更を行った。

試しに手直ししたファームを書き込んで動作を確認してみる。

まず、3.5MHzを表示させる。

次にBAND+のボタンを押してみる。手直し前は、5MHzが表示されていた。

さて、どうか?成功だ!無事に3.7MHzへ移動した。

さらにBAND+を押すと7MHzへ移動した。

ファーム修正は思い通りに動作したので、あと2箇所手直ししておかないと。

ひとつは、性能に問題が出る部分(バンドパスフィルター)

そして設定メニューテキスト変更だ。

またまた、コードの修正よりもコードの関連性チェックに時間をかけることになる。

あと一日程度で完成だ。

近いうちに新たなホームページで国内仕様のファームを公開する予定です。


mcHF最新バージョンを試してみる

2016年09月22日 21時59分12秒 | mcHF

mcHFのHPにあるBasicなファームウエア(V0.291.26.4)は、トランシーバーとして必要十分な機能は盛り込まれている。

しかし、一部に小さな不具合があったり、痒いところに手が届くまでにはいってない。

(但し、現在の為替レートで送料込みで4万円以下で手に入る、SDRトランシーバー、しかもリアルタイムスコープ付きだ。コストパフォーマンスは、かなりなもの)

別のサイトに最新のファームV1.2(メジャーナンバーが付いているのでリリース版)があったのでバージョンアップを行った。

主な点は、操作画面のUIが改善されて操作ボタンと画面がシンメトリックになった。

また、設定メニューに埋もれていたDSPの強度設定がUIに登場した。

フィルター設定は各モードとも同じだったが、新たにモード毎にフィルター幅を多彩に決定できるようになった。

そしてソースコードや機能の最適化がされており、操作のレスポンスが向上している。

下記が新たな画面だ。

[フィルターが2.3k LP(ローパス)になっている。BP(バンドパス)の設定も可能。]

ソースコードも公開されていたのでファームをJAPAN仕様への変更を実施した。

まだまだ、ソースコードで遊べそう。

今日は、ファームの入手、開発環境構築、仕様変更とコンデンサーマイクの製作で一日が終わった。

ま、有意義な一日だった。


mcHFの使用感を確認した

2016年09月12日 14時33分44秒 | mcHF

土曜日にmcHFとアンテナを持ち出して性能確認に出かけてみた。

15時を過ぎたこの時間は国内がかなり開けていて性能確認には丁度良い。

mcHFをIC7300風に記述すると・・

  • リアルタイムスペクトラムスコープ
  • ARMコア採用のRFダイレクト・サンプリング方式を採用した
  • 低価格コンパクトHFトランシーバーだ。

脱線はここまで、まずはCWをバンドスコープで確認した。

7.014.830MHzに合わせてスコープ(48KHz幅)で確認すると、ほぼCWは満杯のようだ。

7.012前後と7.027付近しか空いていないようだ。

音はRF-DSPらしく少し硬いデジタル音に聞こえた。フィルターの切れはかなりのようで

混信を感じてフィルター幅を狭くするとバッサリと切れる。

フィルターは、300Hz、500Hz、1.8KHz、2.3KHz、3.6KHz、10KHzとなっている。

また、CWでワイドフィルター、SSBでナローフィルターを使用する、しないは設定で決められる。

次に、SSBを覗いてみた。どちらかと言うとSSBの方が空いている感じだ。

スペックの低いCPU内蔵のDSPを使用している為に、全てを高速動作させるのは無理なようで

スコープを最速にしてNR+NOTCHを使用すると操作レスポンスが低下することもある。

ここで全てを語れないのでマニュアルを確認して欲しい。

http://www.m0nka.co.uk/wp-content/uploads/2016/03/mcHF_Operators_Manual_firmware_ver_0_0_219_26.pdf