製作していたJUMA TRX2。ボードへの部品実装が終了しケースに組み込んだ。
組込みにはフラットケーブルが必要だが、JUMA PA100では調整中にフラットケーブルが突然のショートで配線が焼損した・・という嫌な思い出が。
なのでフラットケーブルの製作はより慎重に行い前回よりは手際よく出来た。いよいよスイッチON。無事に液晶が表示された??(事前確認済みなので当然か!)
しかし、全く音すら聞こえないので改めてチェックした。
[チェック中のJUMA TRX2、コネクタ基板のケーブルを外している]
Ⅰ.音が出ない
ルーフィングフィルターのオペアンプの電源ピンにハンダが乗ってなかった。
⇒ハンダ付けすると音声(ノイズ)がスピーカから出るようになった。AFゲインも動作した。
Ⅱ.RF Filter基板のLPF及びBPFが動作しない。
目視チェックするとシフトレジスタ74595の電源ピンと出力ピンがハンダブリッジ!さらに次段の入力ピンへ接続されていた。
⇒念のため関係するHC595と4028を取り替えたが動作せず。SPIバス関連の回路のショートか?こりゃ回路が多すぎて難しい。
Ⅲ.受信出来ない
メイン基板のRX MIXERでLO-BとTXのピンがこれもハンダショートしていた。これでは受信できない。
それ以外にもSOPで3ヶ所、3端子でも2ヶ所の未ハンダを発見した。
接触しているのか動作は問題ないようだが不安定な動作をする可能性がありきっちりハンダを乗せる。
Ⅳ.RS232C通信が不安定。
DSPIC30F6014でハンダ付けの怪しいピンを再度ハンダ付け。結果、通信が安定した。もしやと思いRFfilter基板のBPF.LPFを確認すると動作していた。
『原因判明に時間がかかったもの』
Ⅴ.Sメータが振れない。
Sメータの回路部品のハンダ付けをチェックするも未ハンダなし。信号を加えるとSメータ回路に規定電圧が出ている?
DDS基板のSメータ回路及びDSPIC30F6014のピンのハンダ付けも問題ない。さっぱりわからず。
まさかと思いつつフラットケーブルの8番ピンの接続を確認すると導通なし。なんでや?
とりあえずジャンパーでしのぐ。
Ⅵ.Phoneジャックにヘッドフォーンを挿すとCWモードで送信状態になる
これが一番難航した。
回路図では回路的に全く関連が無い。気になるのはメイン基板からジャックの実装されているコネクタ基板までがフラットケーブルで接続されていること。
そしてフラットケーブルで隣接する2,3番ピンだ。そこで2,3番ピンのショートを調べる。問題なし。
メイン基板側のコネクタ部でスピーカを接続すると現象は起こらない。やはりコネクタ基板か?
コネクタ基板のKEY入力の抵抗を外すと現象は出ない。ん?コネクタ?コネクタ2,3番ピンをテスターで調べるとショートしている?
コネクタの部品がショート??は考えられないが・・現実だ。
Ⅶ.完成直前に突然また音声が出なくなった。
AF回路はDDS基板のVRで出力調整がされている。これが同じコネクタを通ってメイン基板に戻る。
このコネクタはⅤと同じコネクタだったので断線と考えフラットケーブルを作り直す。
音声もSメータも回復。2ヶ所も断線か?
『まとめ』
一つのトラブルに対し限られた時間で色々な原因を考えたので調査・解決に1-2日間かかった。
多くのトラブルはあったが結果的には【ハンダ付け不良】とまたまた【フラットケーブルの配線(今回は断線)】がすべての原因だった。
おかげで回路図を端から端まで確認出来てある程度理解できた。
ここで最終ファームの導入を行う。サードパーティ製?V3.00。短いアンテナを繋ぐとAM放送が聞こえた。
『最終調整』
受信部が完成したのでいよいよPA段の調整だ。調整はドライバー、次にパワーMOSのバイアス調整を行う。
ドライバー段は1個当たりバイアス電流を0.01Aへ多回転VRで調整。VRを回すとピタリと調整できる。実によくできている。
パワーMOSは1個当たりバイアス電流を0.1Aへ調整。しかしここでトラブルが片側のバイアス電流が0Aのまま。
MOSを調べるとD-Sがショートしていた。フィンランドの販売元へ連絡すると
I can send IRF510G by letter for you.
Let me know address.
At this moment TRX2a is out of stock, it may take approx. 4 week until shop again.
I apologise this inconvenience.
との回答があった。部品が届くまで受信部のAGC・キャリア調整を実施する予定。