実は、Hヘンテナについての質問をメールで頂いた。
Hヘンテナは、JR1FTE/JA7KPI両氏により実験、命名されたものと、ものの本に記載されている。
では、2ele Hヘンテナの基本形と製作方法を紹介しておこうと思う。このデータは、50.5MHz付近へ調整してあり帯域幅は2MHzと広めになるように設計してある。
図1の左側のエレメントが、リフレクターであり全長296cm。右側がラジエータで、278cmである。エレメント間隔は、75cmだ。
見かけは2eleYagiと同じである。しかし、図1の通り、リフレクターとラジエータから給電するのでヘンテナそのものだ。
この点がヘンテナたる所以である。
図1
この2ele ヘンテナの利得(free space)とパターンを図2に示す。
普通の2eleよりも少しゲインがある程度だ。また、バックのパターンに偏りがあって不思議だ。
図2
2eleのHヘンテナの部品は写真1の通り、Uバラン、桧ブーム、レフレクター用アルミパイプ 3本、ラジエター用アルミパイプ 3本から構成されている。
各構成部品の作り方
・平衡-不平衡の変換と50Ω-200Ωのインピーダンス変換を同時に行う。Hヘンテナは、200Ω程度のインピーダンスとなるのでUバランは、実に都合が良い。
・1/2波長、任意長の2本の同軸を使って製作する。初めに6mの半波長の長さ3mに同軸をカットしてさらに短縮率まで切り詰めた。しかし、短縮率は、0.67よりも小さかった。(0.65)
・2本の同軸の構成方法・半田付けは、ここが詳しい。参考にして欲しい。
・Uバランは、写真3のように使用する。
・1mの桧材を買ってブームにすると軽量なアンテナになる。DIY店では1本100円以下で購入可能だ。
・エレメントクランプは、目玉クリップが丁度良くエポキシ接着剤で取り付けた。ピンクのクリップは、輪ゴムで止めてある。輪ゴムだけで十分に実用強度を保てた。
エレメントのアルミパイプは、光モールの0.5mm厚のものを利用した。昨年までは、自社サイトで販売していたが、今は行ってない。そこで、Monotaroで購入した。7,8mmサイズnならばパイプがストレスなく丁度差し込めて良い。
中心のパイプに8mmを使い、外側エレメントに7mmを使う。
設計は、7mmで行っているので、パイプサイズが変わると特性に影響する。
以上が、Hヘンテナの製作方法になる。
私は、欲張りなせいか、縦長のヘンテナには全く興味がなかった。移動運用でもある程度利得を必要と考えていたからだ。なので、これまでメリットを感じたことがなく、ヘンテナを使用したことはなかった。
しかしHヘンテナを知ったことで、初めて多エレメントヘンテナを使うことになり、省スペース・高利得のメリットを享受出来た。
写真1
写真2
写真3