「五味太郎展」を見に、滋賀県立近代美術館へ行く電車で、ずっと読んでいた。
琵琶湖が舞台の小説を、琵琶湖が見える場所で読み始めるとは、奇遇。
そんなこともあってか、そんなことなくてもやっぱりか、万城目さん、最高!
前作のかのこちゃんは、ちょっと・・・だったので、今回は期待していた。
期待通り!単純に、おもしろい!!
主人公が「意味わからん」と言う「奇面組」が分かってしまって、
「万城目さんは、ジャンプ派かなー」とか、変な味わい方をしてしまうほど、堪能した。
ああ、もう、なんでこんなに、母子をえがかせたらうまいんだろう。
決してありえないのに、あるある絶対ある、と思わせる母の感情。
映画は、どんななんだろう。
わたしは、登場人物の顔とか、周りの風景とか、文章から想像するのがすき。
阪急電車
今、映画館でやっていますよね。
わたしは、本で読みました。
阪急今津線を、日常的に利用している方なら、感じることも大きいだろうな。
阪急電車に対する思いが、ただの交通手段から、奇跡的な出会いの場に、変化するんだろうな。
女子高生や女子大生が読むと、「きゅうん」とするよ、ぜったい。
女子高生モウトにすすめてみよう・・・と思っていたら、
「あ、ハハ、阪急電車読んでんの?」
と、アーニー。
「H君が、おすすめって言うから、前に読んだわ。」
あ・・・そう・・・・・。
すみません。じぇんだあ・ふりぃ じゃない発言でした。
男子高生も、男子大生も、おっさんも、おすすめですきゅん。
20年前に勤めていた㈱エレファントが、最近出版された本。
写真集のようであり、デザイン集のようであり、ファッション誌のようであり・・・
なのに、プリント工場の現場作業ががっつりわかってしまう。
コラムや、社長の対談も、読み物としておもしろい。
20年前とは、プリントの仕方も、オフィスやショップも、全く変わってしまったけど、
おもしろいことを仕掛ける会社なのは、変わらないなあ。
プリントTシャツ、作りたくなったよ。
友人むうんちゃんの友人「六草いちか」さんの著書。
ベルリン在住の著者が、「舞姫」エリスのモデルと言われる、森鴎外の恋人を、探し出す。
学術書?論文?でも、ミステリー読んでるみたいに、わくわくしながら読んだ。
アーニーの高校教科書を引っ張り出して、「舞姫」もう一度読み直そう。
わたしは、「写楽探し」の小説、結構好きで、最近読んだ「写楽 閉じた国の幻(島田荘司)」もおもしろかった。
京都という町は、ここで学生という時間を過ごした人にとって、そんなに心の奥深く染み入る場所なのだろうか。
わたしは、生まれも育ちも学生時代も就職しても、ずっと、あたりまえのように京都で過ごしていたが。
万城目学の「鴨川ホルモー」、森見登美彦の「夜は短し歩けよ乙女」、など、京都人以上の京都への愛を感じる。
そして、これ。
あまく、苦い、学生時代の思いと、人生半ばになっての思い。
京都が、一層心に染みる。
モサ
「南桂子展」を見に行き帰りの電車で、読み切った、短いおはなし。
「カルガリ家の長男、モサは、ニートである。
モサはカルガリ家のみんなと同じように、全身が白い毛でおおわれている。
身長は一五〇センチ。耳は頭の上部についていて、ものすごく大きい。
遠くから見るとモサの頭はハート形である。目は、かんろあめ。歯は、はっかあめ。
年は十四歳。
モサは男だが、服装はセーターにスカート。スカートをはく理由は、ただの反発だ。」
よく、こんな話、うかんでくるなあ。
もう、この始まりだけで、ぶっ飛ばされた。
そして、よく、こんな挿絵が描けるなあ。
2010年12月、小学館から出た、子ども向け?とも思える本。
だから、楽に読めて、めっちゃよく理解できた。
尖閣諸島の問題まで書かれていて、「今」読んでよかった!と思う。
そして、今ニュースになっている問題も、歴史の中の様々な利害が絡み合って、今に至っていることに気づく。
池上彰って、ブームだけど、ただのブームじゃなくて本物だあ、と感じた。