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「なんと肝の座ったギャンブラーよ……」
アダムはドン引いていたけど、おじさんたちはみんなケロリとしていた。
「それでは手分けしてヒントを探しましょう。足下や天井が突然崩れてくるので気をつけて。少年たちは私と一緒に行きましょうか」
外にテントを設営できたら、さっそく宝探しを開始した。本来あったはずの下から続く階段は完全に崩れてしまっていたが、中に入るための口は開いていた。98階で解錠するまであそこには、強固な魔法の薄膜が張ってあったらしい。
「各部屋には大量の装飾品が残されているのですが、その中から旧き時代の文字が書かれたものを探してください。掠れて読めなくても、それっぽかったらとにかく集めます。選別はあとです」
「それを繋げたら解錠するヒントになるんですか?」
「いいえ。連想ゲームと言いましょうか、たくさんの言葉が示すたったひとつの単語を探すんです。それを然るべき場所に入れて正解だったら、鍵が開きます」
「なんと面倒な……」
呆れを隠そうともしないアダムのその一言を、最終的に何度聞くことになるだろうか、なんてふと思った。
「ちなみに今回はその単語が二つ必要なので、集めた言葉を二つに分けるという作業が増えますね」
「…………何が竜(ドラゴン)をそんな面倒に駆り立てたのだ?」
はい、三回目。思ったより早かったよ。
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