いまがいちばん、あしたもいちばん

まいにちたのしい日々でありますように。。。

あの時道を戻っていれば…。

2013年12月12日 | 自然観察
昨日はとっても寒かった。
阪急ハイキングに参加したのだが、箕面の六個山はとっても冷たかった。


最近、図書館で遭難本を借りてよく読んでいる。
今読んでいるのは、山と渓谷社の羽根田治氏「ドキュメント 道迷い遭難」。
前の晩も読んでいた私は、なんとなく、遭難モードのスイッチが入っている。
自分の一挙手一投足が、遭難へつながっているような気持ちになって仕方ない。
そんな気持ちの私が、昨日の山歩きを振り返ります。


当日、朝、もっち氏が目を覚ますと頭が痛い。
手足の先が冷え耳まで冷たく、肩の凝りが頭を痛くする。寒気もしたが熱を測ると平熱であった。
もっち氏は、頭痛を気にしながらも、おそらく今年最後のハイキングになるだろうと考えると
諦める気にもならず、頭痛薬を飲み電車に乗り込んだ。

集合場所となっている箕面駅のトイレは混雑していることを予想し、
もっち氏は箕面線に乗り換える前の石橋駅のトイレで用をすました。
しかし、あまりの寒さのため、何分か後箕面駅に到着して再び尿意を感じた。
「あれ、おかしいな。」と感じたもっち氏であったが、
ほんの数分前に用をすましたばかりだったため、「きっと気のせいだろう」と
受付を済ますともっち氏はそのまま箕面駅を出発した。
ここで、もっち氏は遭難へつながる大きな過ちを犯している。
「おかしいな」と感じた場合、すぐに立ち止まり元いたところまで戻るのが
山での鉄則である。しかし、もっち氏は、明確な尿意を感じながら、そのまま進んでしまったのである。

山歩き初心者のもっち氏にとって、12月の六個山は予想以上の寒さであった。
また、鉄道会社の人気のハイキングイベントであるため、尾根に上がる直前からだらだらとした
長い渋滞が続き、それがまたもっち氏の身体を冷やしていた。取材でこの時の様子をもっち氏は
次のように語っている。
「もともとすべりやすい粘土質の山道の上に大変な量の落ち葉が積もっていたこと、登りも下りも大きな段差
のある道が多いことから、参加している高齢者の中には足元が不安な方が多くあったんです。谷道から
尾根に上がるまで、そして尾根に上がってからもずっとだらだらとした行列が続いていて、
映画のサウンドオブミュージックのトラップ一家がアルプスを越えているシーンを考えていました。」

六個山のピークでは、お弁当を広げている参加者が多くいたが、もっち氏は少しでも混雑を避けるため
ドーナツを少し頬張っただけですぐに先を急いだ。
ここでももっち氏は再び過ちを犯している。冬の寒さのため喉の渇きを感じることはなくても、身体は確実に汗
をかいておりわずかずつでも水分を摂ることは必要なのである。もっち氏は、だらだらとした行列から
抜け出したいこと、寒さのため歩くのを止めたくなかったこと、そして何より、水分を摂ることにより
さらに尿意が強くなることを恐れ水分を摂らなかったのである。
このことについて、もっち氏は次のように語っている。
「水分を意識して摂らなければならないのは知っていました。しかし、その時の私は、だらだらとした
行列へのイライラ感とどんどん激しくなってく尿意に冷静な判断ができなくなっていたのです。」
結果、もっち氏は、出発してからゴールまで、ほとんど休むことなく歩き続けることとなるのであった。

気分はもう遭難の気分であったが、
ゴール近くのお寺の前の広場のトイレまでなんとか無事にもたせることができ、
結果、「遭難」とはならなかった。この場合は「騒動」という言葉で表現する方が正しいだろう。
「なんせ、もう、歩きながら、満水の北山貯水池、満水の布引ダムの風景ばかり頭に浮かんで…。
地図読みしながら行くのが今回の山歩きの課題でしたが、そんなこともうどうでもよくなっていました。」
寒くなる季節は、トイレの場所を確保できるコースを選ぶことにしたと、もっち氏が笑顔で語っていたのが
印象的であった。


って、感じ。
あ、幸い頭痛はいつものことですぐ治った。

いまがいちばん、あしたもいちばん!