・でん粉の原料Raw material of starch でんぷんのげんりょう
冬季には植物もでん粉として栄養を貯えています。人は、そのでん粉を取り出して貯蔵食品として利用しています。
主に利用されているのは、とうもろこし(コーンスターチ:世界のデンプン生産の80%)、じゃが芋、さつま芋です。菓子類には、くず、かたくり、ワラビの根、キャッサバ、サゴヤシから採取したものが利用されています。救荒食物として用いられてきたトチ、どんぐり、彼岸花、ソテツは、最近ではあまり見かけなくなりました。
米、コーンスターチ、じゃが芋、さつま芋以外の常用されていない、これら以下の植物について簡単に紹介させていただくことにしました。
葛Arrowroot くず
マメ科、葛粉は、葛の根を10月から堀起こし採集し、掘り出した葛の根を砕きもみだし沈殿させ精製し翌年の2月ごろに多くが製品化される。主産地が奈良県、吉野地方で名産。糊化温度が低く熱湯を注いで葛湯とし家庭で利用されたり菓子の原料(葛きり、葛団子、葛もち)にしている。
片栗粉Dogtooth violestarch かたくりこ
最近の一般にいわれている片栗粉は、じゃが芋のでん粉を指している。実際の片栗はユリ科、地下茎である根をよく洗い、水を加えながら臼で圧搾、水中で洗い流した液を布でこすことを繰り返し生成して製造するが多量に生産できないので貴重品で透明感があり、高級和菓子に使われる。
蕨Brake ,Bracken わらび
ウラボシ科、全国的に自生し地下茎よりでん粉が作られる。秋口から初春にかけて採取された地下茎の蕨粉よりワラビ餅が作られる。奈良、福岡の特産品としている。滑らかさを特徴とする。
キャッサバ(イモノキ)Cassava,Manioc きゃっさば
トウダイグサ科、ブラジル原産。熱帯、亜熱帯地域に広く分布しその地域で貴重な食料となっている。苦味種はでん粉含量が25%と多く、糊化しやすく、抱水力が強いので、主に接着剤(切手、封筒等)に工業的に利用されている。甘味種は、タピオカパールとし加工している。
サゴ椰子Sago palm さごやし
ヤシ科、東南アジアの熱帯諸島に分布し開花前の12、3年した木を切り倒し幹の中心部に多い澱粉を取りだし練ってもち状にし主食として地域の重要な食料となっている。タピオカのようなサゴパールとし利用される。
栃(橡)の実Horse chestnut とちのみ
トチノキ科、落葉高木で関東以北の山野に自生、秋に3cmの3室からなる円形をして硬い殻に被われ、完熟してくると3つに割れはじけて中から茶褐色の種皮に被われた栗に似た実がみられる。
でん粉質で苦味、渋味成分を含む。凶作(きょうさく)の時の救荒(きゅうこう)作物として用いられる。
食用とするには、2、3日水に浸し柔らかくして皮を除き、アルカリ性である灰を用いてあく、渋味を長期間時間をかけ中和させ除いてもち米と混ぜたりしてせんべい(岐阜県)、ゆべし(秋田県)、うどん粉と混ぜ栃麺、飴に加工する。
団栗Acorn どんぐり
どんぐりとは、ブナ科のかし(樫)、くぬぎ(櫟)、なら(楢)、しい(椎)、ぶなの木の実で、栗に似た堅い種子の総称で日本の全国の山野に分布し秋口に多く見られる。
古くから救荒(きゅうこう)食物として利用されてきた。
多くは、でん粉質が60~80%を含みブナは脂肪、タンパク質も割合多く含む。椎(タンパク質3.2%、脂質0.8%、炭水化物57.6%)、ブナ以外は苦味、渋味(タンニン)を多く含みそのままでは食用として適さない。乾燥させ水、温湯、灰汁、アルカリ液で浸水処理、水洗い、乾燥させ渋、あくを除いて用いる。
彼岸花Spider lily ひがんばな
ヒガンバナ科、救荒作物として鱗茎にでんぷんを貯えていることから水にさらして毒抜きをして食用とした。 江戸時代にサツマイモが導入されて、彼岸花はその食料としての役目を終え今では食物として殆ど利用されていない。
蘇鉄Japanese sago palm そてつ
ソテツ科、日本原産、九州南部、沖縄に自生する常緑樹で種子は長さ2~4cmの広卵形で朱赤色になり多数実る。
10月に採取され種子と樹幹にデンプン、たんぱく質を蓄えるが有毒物質の配糖体(サイカシンcycasin)を含み、おう吐、呼吸困難、痙攣を起こすので、デンプンをとるときはよく水にさらして毒を抜く必要がある。
沖縄県では一時期デンプン用作物として栽培し粥、餅が作られ、味噌、酒の原料、工業的にデンプン採取されていた。
緑豆でん粉
春雨は、もともと中国で緑豆を原料とした緑豆でん粉からつくられていた。細い粉絲(フェンスー)や幅広の粉条(フェンティヤオ)、粉皮(フンピー)と呼ばれるきし麺状などがある。
豆類のでん粉はアミロース含量30-35%で粒径25-40μm(そらまめで)としている。 糊化温度がやや高く冷却時に硬いゲルを形成する。ソース、詰め物のフィリングFillingとして利用している。
簡単に紹介しました上記からのでん粉ですが、保存食として知っておくのもいいと思います。忘れかけていた昔からの生活の知恵が、いざという時に役立つこともあります。
冬季には植物もでん粉として栄養を貯えています。人は、そのでん粉を取り出して貯蔵食品として利用しています。
主に利用されているのは、とうもろこし(コーンスターチ:世界のデンプン生産の80%)、じゃが芋、さつま芋です。菓子類には、くず、かたくり、ワラビの根、キャッサバ、サゴヤシから採取したものが利用されています。救荒食物として用いられてきたトチ、どんぐり、彼岸花、ソテツは、最近ではあまり見かけなくなりました。
米、コーンスターチ、じゃが芋、さつま芋以外の常用されていない、これら以下の植物について簡単に紹介させていただくことにしました。
葛Arrowroot くず
マメ科、葛粉は、葛の根を10月から堀起こし採集し、掘り出した葛の根を砕きもみだし沈殿させ精製し翌年の2月ごろに多くが製品化される。主産地が奈良県、吉野地方で名産。糊化温度が低く熱湯を注いで葛湯とし家庭で利用されたり菓子の原料(葛きり、葛団子、葛もち)にしている。
片栗粉Dogtooth violestarch かたくりこ
最近の一般にいわれている片栗粉は、じゃが芋のでん粉を指している。実際の片栗はユリ科、地下茎である根をよく洗い、水を加えながら臼で圧搾、水中で洗い流した液を布でこすことを繰り返し生成して製造するが多量に生産できないので貴重品で透明感があり、高級和菓子に使われる。
蕨Brake ,Bracken わらび
ウラボシ科、全国的に自生し地下茎よりでん粉が作られる。秋口から初春にかけて採取された地下茎の蕨粉よりワラビ餅が作られる。奈良、福岡の特産品としている。滑らかさを特徴とする。
キャッサバ(イモノキ)Cassava,Manioc きゃっさば
トウダイグサ科、ブラジル原産。熱帯、亜熱帯地域に広く分布しその地域で貴重な食料となっている。苦味種はでん粉含量が25%と多く、糊化しやすく、抱水力が強いので、主に接着剤(切手、封筒等)に工業的に利用されている。甘味種は、タピオカパールとし加工している。
サゴ椰子Sago palm さごやし
ヤシ科、東南アジアの熱帯諸島に分布し開花前の12、3年した木を切り倒し幹の中心部に多い澱粉を取りだし練ってもち状にし主食として地域の重要な食料となっている。タピオカのようなサゴパールとし利用される。
栃(橡)の実Horse chestnut とちのみ
トチノキ科、落葉高木で関東以北の山野に自生、秋に3cmの3室からなる円形をして硬い殻に被われ、完熟してくると3つに割れはじけて中から茶褐色の種皮に被われた栗に似た実がみられる。
でん粉質で苦味、渋味成分を含む。凶作(きょうさく)の時の救荒(きゅうこう)作物として用いられる。
食用とするには、2、3日水に浸し柔らかくして皮を除き、アルカリ性である灰を用いてあく、渋味を長期間時間をかけ中和させ除いてもち米と混ぜたりしてせんべい(岐阜県)、ゆべし(秋田県)、うどん粉と混ぜ栃麺、飴に加工する。
団栗Acorn どんぐり
どんぐりとは、ブナ科のかし(樫)、くぬぎ(櫟)、なら(楢)、しい(椎)、ぶなの木の実で、栗に似た堅い種子の総称で日本の全国の山野に分布し秋口に多く見られる。
古くから救荒(きゅうこう)食物として利用されてきた。
多くは、でん粉質が60~80%を含みブナは脂肪、タンパク質も割合多く含む。椎(タンパク質3.2%、脂質0.8%、炭水化物57.6%)、ブナ以外は苦味、渋味(タンニン)を多く含みそのままでは食用として適さない。乾燥させ水、温湯、灰汁、アルカリ液で浸水処理、水洗い、乾燥させ渋、あくを除いて用いる。
彼岸花Spider lily ひがんばな
ヒガンバナ科、救荒作物として鱗茎にでんぷんを貯えていることから水にさらして毒抜きをして食用とした。 江戸時代にサツマイモが導入されて、彼岸花はその食料としての役目を終え今では食物として殆ど利用されていない。
蘇鉄Japanese sago palm そてつ
ソテツ科、日本原産、九州南部、沖縄に自生する常緑樹で種子は長さ2~4cmの広卵形で朱赤色になり多数実る。
10月に採取され種子と樹幹にデンプン、たんぱく質を蓄えるが有毒物質の配糖体(サイカシンcycasin)を含み、おう吐、呼吸困難、痙攣を起こすので、デンプンをとるときはよく水にさらして毒を抜く必要がある。
沖縄県では一時期デンプン用作物として栽培し粥、餅が作られ、味噌、酒の原料、工業的にデンプン採取されていた。
緑豆でん粉
春雨は、もともと中国で緑豆を原料とした緑豆でん粉からつくられていた。細い粉絲(フェンスー)や幅広の粉条(フェンティヤオ)、粉皮(フンピー)と呼ばれるきし麺状などがある。
豆類のでん粉はアミロース含量30-35%で粒径25-40μm(そらまめで)としている。 糊化温度がやや高く冷却時に硬いゲルを形成する。ソース、詰め物のフィリングFillingとして利用している。
簡単に紹介しました上記からのでん粉ですが、保存食として知っておくのもいいと思います。忘れかけていた昔からの生活の知恵が、いざという時に役立つこともあります。
ご愛読戴きましてありがとうございます。よりよい情報をお届けしてまいります。