・順菜・蓴菜Water shield じゅんさい
ハゴロモ科(ジュンサイ科・スイレン科)、池、沼にほぼ全国的に自生、温帯性で水深1、2mに地下茎より水中の茎が長くのび5~10cmの葉が水面に浮かぶ。夏には、日中に暗紫色(あんししょく)の小さな花を咲かせ夕方にはしぼむ。
水面下の5~7月頃の淡緑色のまだ開き切っていないつや、ぬめりを持つ新芽3、4cmの葉柄(はがら)、蕾がついたものを摘み取り食用とする。世界に広く分布するが、食用は中国と日本くらいという。
万葉集に歌われ夏の季語、和名抄に蓴(ぬなわ)と記され古くより利用していたことをうかがい知ることができる。
山形、秋田の名産とし5~7月の初夏に桶に乗って新芽を採取し旬とする。ジュンサイが寒天質の粘質物に包まれているのは、新芽の時期でゼリー状の寒天質によって外敵より身を守る作用としている。
採取後、直ちによく水洗い、熱湯で茹で急冷させ、変色防止、アク抜きをする。粘質物の独特の歯ざわり、口当たり、のどごしが好まれ水煮、酢漬け、ビン詰め、脱気、殺菌し年中利用できる。
茹でたものが酢の物、和え物、汁の実、鍋物とする。生のものをそのままにして置くと褐変しやすく、葉が大きいく開いていたり、損傷、色が黒ずんでいる、寒天質のなくなっているものは上質といえない。
100g中でエネルギー5kcal、水分98.6g、タンパク質0.4g、脂質0g、炭水化物1.0g、食物繊維1.0gを含む。粘質物は、ガラクトースGalactose(脳細胞の活性化に作用)が1/3を占め多く、他にアラビノースArabinose、グルクロン酸Glucuronic acidを含む。
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