・鱸Japanese common seabass すずき
スズキ科、英名をシーバスSeabassという。貝塚から骨を発見しており太古の時代より食用としていた。温帯性、白身の魚であまり泳ぎ回らず日本全国河口付近に秋から冬にかけ産卵し終わった頃の夏の6~8月を旬とする。
春の桜鯛、夏のすずき、秋のさんま、冬のひらめ(まぐろ)とともに旬の代表的魚として知られる。魚釣りの対象にもなり体長1m、銀灰色で口が大きいが見栄えのよい魚であり養殖も行われる。
3年程度で成魚となり成長するにつれて名前(コッパ→セイゴ20cm→フッコ40cm→スズキ80cm)が変わるのでブリ、ボラとともに出世魚といわれる。体型がよく出世魚でもあるので松江の姿焼きとして奉書焼き、中国での丸ごと蒸し焼きする料理がある。
幼魚は、春に川を昇り秋に海に下っていくことを繰り返して成長、スズキの成魚となると殆ど海で生育する。
セイゴ、フッコより大きいスズキの方があっさりした旨みのある白身の魚で刺し身、夏に清涼感の食べ方として山椒酢味噌、わさび醤油をつけ洗い(新鮮な生きている活魚[かつぎょ]を刺身とし氷水にくぐらせ硬直させ縮み、しこしことして旨みが増す)にするとよい。
塩焼き、椀だね、鍋物にも、洋式料理でフライ、バター焼き、グラタン、煮込み、中華料理で寄せ鍋にも利用する。
活魚が洗いとしてよいのは、新鮮魚肉中のATP(アデノシン三リン酸:筋肉を収縮するのに必要なエネルギー)が氷水中でイオン平衡が崩れ、急激に分解が進むことによる。硬水のほうがより筋肉の縮み、硬直が見られる。100g中でエネルギー123kcal、水分74.8g、たんぱく質19.8g、脂質4.2gを含む。
&・スズキ科Percoidea/Percichthyidae/Family lateolabracidae すずきか
動物界Animalia、脊索動物門Chordata、脊椎動物亜門 Vertebrata、条鰭綱Actinopterygii、新鰭亜綱Neopterygii 棘鰭上目Acanthopterygii スズキ目 Perciformes、スズキ亜目Percoidei、スズキ上科Percoidea(73科524属3,084種)、スズキ科 Lateolabracidae(1属3種 )に分類する。
スズキ属LateolabraxにはスズキJapanese seabass、ヒラスズキBlackfin seabass、外来種のタイリクスズキ(ホシスズキ)の3種が知られる。
一時は別名ハタ科ともいうこともあって互いによく似ていた。以前にスズキ科としていたがあら(ハタ科Serranidae)、あかむつ(ホタルジャコ科Acropomatidae )、イシナギ(イシナギ科Polyprionidae)、マナガツオ(マナガツオ科Stromateidae:3属17種)などの科が改められている。
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