・橙・代々Sour Orange だいだい
ミカン科、インド原産。欧米でも地中海沿岸で栽培しておりサワーオレンジと呼ばれ日本では和歌山、静岡、愛媛で主に栽培する。
高さ5mの常緑樹、春に白い花を咲かせ果実は、250gぐらいの大きさがあり、果皮が厚く形は、丸くて、種子が多く冬季の2~3月に完熟し橙色になる。
もぎ取らずに木にならしたままにして置くと夏になって緑色に戻り、回青橙(かいせいとう)といいひとつの樹に新旧の果実をつける。代代に渡って実をならせ黄金色でこがねの意味を含め子孫繁栄の願いを込め正月の飾りによく用いられる。
甘味が少なく苦味、酸味が多いのでそのまま食用とすることは少なく果汁を酢の物に利用している。ペクチンを多く含み芳香がありマーマレードにしている。
ヨーロッパ(特にスペイン)で花よりネロリ油Neroli oil(橙花油)を精油し化粧水、酒の香料、鎮静、催眠性がありアロマセラピーに利用する。
皮を乾燥させ橙皮(とうひ)といい芳香のある健胃薬とし消化不良、食欲不振に、また鎮咳(ちんがい)、風邪に利用している。柑橘類に多いD-リモネン(脳の活性化作用)、ヘスペリジン(ビタミンP、フラボン類、苦味の成分)が毛細血管を丈夫にする。