・飯蛸 Octopus ocellatusいいだこ
マダコ科、小形のたこで一般には、脚(あし)をいれても全長10cm、大きいものでも30cm程度で体色は灰色で脚が胴頭の2倍ぐらいになる。瀬戸内海、九州南部、中国の浅い海、水深10m前後に多く生息する。胴、目の間に紋章のような斑点が見られるのを特徴として第2、3腕の基部に刺激を受けると金色に輝く眼紋(がくもん)がある。産卵期になると雌は雄に比べ体色が白っぽく見え見分けがつくという。
寿命は1年程度といわれる。古くより捕獲の歴史があり古墳から蛸壺が見つかっていて延縄(はえなわ)状に蛸壺を海底に沈め1~3日置きに昼に引き上げて獲られている。
旬を産卵期の冬から初春11月から翌年の3月頃のが胴に飯粒のように見える卵をびっしり抱いて美味で名前の由来ともなる。
下ごしらえで蛸墨を取り除き、ぬめりを取るのに一つまみの塩でもみ洗いしてさっと熱湯に通してから丸のまま形のまま煮つけ、おでん種、椀種、佃煮、干しだこ、海藤花(かいとうげ)に加工する。海藤花とは、たこの卵巣(らんそう)を煮ると房状になって藤の花に似ていることから名前がつけられたといわれ塩づけし、酢のもの、椀種、煮物に使われる。
内蔵ごと取ることができるので100g中で鉄2.2mg、亜鉛3.1mg、銅2.96mg、タウリンを多く含む。