・石榴Pomegranate/Granatum ざくろ
ミソハギ科(ザクロ属)、ザクロ科、イラン(ペルシャ)原産でイランから大きさ直径15cm、重さ200~500gの輸入物が多い。
イラン西南部ザクロ山脈からの産出が多いことからザクロの語源という。シルクロードを経て平安時代末期薬用とし伝来したが日本で多くは、観賞用とし庭に植えられている。
高さ5m~10mにもなる落葉小高木、6月に鮮やかな紅色で筒状の花が咲く。果実が6cm程になりはじけ9~12月に熟すと赤く硬い外皮が不規則に裂けている状態で収穫する。ペルシャジュウタンの赤、黄色の染色に古来より使われ日本でも染料とし利用していた。
赤く透明な多汁性の果肉(仮種皮)の粒が無数に現れる。果肉一粒ずつの中心に種子が存在し小さな粒粒の種子を包む果肉を食用とし甘味種と酸味種がありあまり日持ちしない。
果実の外皮(外果皮)は厚くて硬いが胎座(たいざ:子房内で種子のもとになる胚珠[はいしゅ]が付着する場所)に並ぶ無数の赤い宝石のような種子の外側(外種皮)は甘い果汁に富み、一般にタネと呼んでいる硬い中心部はウメの核と同じで、種皮の内側(内種皮)が木化したもので、パキスタンなどにあるタネナシザクロは種子がないのではなく、内種皮が木化しない品種としている。
生100g中でエネルギー56kcal、水分83.9g、タンパク質0.2g、脂質Trg、炭水化物15.5g、灰分0.4gを含む。
香りがよく甘酸っぱく生食、ジュース、ゼリー、シロップ、ざくろ酒にしている。赤い色素は、アントシアニン(抗酸化作用)系色素を主成分とする。漢方でアルカロイド(ペレチェリンPelletierine)を含むざくろの根、皮、樹皮を乾燥させ、下痢止め、虫下し(駆虫薬)、神経痛、喘息、水虫薬として用いた。
果皮にポリフェノールの一種であるタンニン(乾物の30%)を含み下痢止め、皮なめしに利用していた。ざくろ種子から、保湿成分のオイル、プニカ酸Punica Acid(共役リノール酸)と呼ばれるざくろ特有の多価不飽和脂肪酸を含み利用している。2000年ごろイラン産の種子にエストロゲン用物質(植物性エストロゲン、ホルモンの調節)を含み不妊症、冷え症、更年期障害、高血圧、高脂血予防によいとしていたが微量であり有効性が認められないとしている。
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