遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

ノート・野田秀樹「売り言葉」(戯曲)01

2011-07-27 22:46:43 | 一人芝居
二十一世紀最初の戯曲集
クリエーター情報なし
新潮社



2011/7/27

一人芝居は制約が多い。
いちばんの制約は、会話をひとりでやらなきゃならないところ。構造的な弱点だ。
(会話せずに成立する表現には、たいてい「演劇」以外の別の名前がついている)
だから、どうしても一人芝居は必要以上にストイックな感じがしてしまう。
閉塞感と言ってもいい。
なので、一人芝居を娯楽として成立させるためには、そこから何とかしなくちゃいけない。
高村智恵子という実在の登場人物を取り上げたのは、その工夫の一つだと思う。
高村光太郎の「智恵子抄」は、超の付く有名作品なので、仮に読んでいなくても、なんとなく雰囲気はわかる。
演劇の外から題材を持ってくることで、その閉塞感を少し減らすことができる。
退屈な状況説明を減らすこともできる。
一人芝居では、実在した人物を取り上げるほうが効率よく書けるような気がする。
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「売り言葉」(大竹しのぶ一人芝居)

2011-07-26 20:47:52 | 一人芝居
2011/7/27

高村智恵子の一生を追った話。
この前の『くちづけ』における「障害者」もそうだったけど、「狂気」もまた取り扱い要注意事項。
素人が安直に手を出しやすく、そこそこの演劇的効果が期待できる。
野田秀樹や大竹しのぶのような、すでに十分すぎる評価と地位のある表現者が取り上げるには、けっこう勇気のいる要素だ。
自分も、その道の一流がやる「狂気」はどんだけ凄いんだとろうと期待しながら見る。
しかし、大竹しのぶはたぶん凄いと思うんだけど、録画映像がずっと縦にブレ続けていたので、じっくり演技を楽しむという感じにならなかった。残念。
70分くらいの芝居だが、演出面でも自転車を使ったり、障子をびりびりやぶいたり、生演奏を入れたりで、色々な工夫があった。
なにかと三谷幸喜の「なにわバタフライ」と重なった。
この作品については、もう少しじっくり考えることにしよう。
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