落語家はなぜ噺を忘れないのか (角川SSC新書) | |
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2013/2/10
なぜか食わず嫌いだった柳家花録の本。
話の覚え方には興味があったけど、そんな斬新なことはなく、ただノートに書く。
聴いて覚えちゃう人もいれば、家録師匠のように愚直に覚える人もいる。
あの古今亭志ん朝だって書いて覚えたそうだから、どっちがいいという話ではないみたい。
その志ん朝から、ひとつの話で12個も細かいダメダシをもらった話と、家禄が高座を降りた途端「ヘタクソ!」と怒られ、突っ込みについて教えてくれた立川談志の話が面白い。
人間国宝であり祖父でもある、柳家小さんが十八番にしていた「笠碁」に挑むところも読み応えがあった。
「笠碁」は全文収録してあるけど、冒頭に対するこだわりを知ったせいか、文字面だけで声を出して笑ってしまった。
こんな具合に一言一句考え抜いて言葉を選んだ結果、話を忘れなくなるのだな。
あんまり札幌に来ている印象がないので、積極的にCDに当たりたい。