2025/1/18
・ストップモーションアニメ作家の母親を手伝う娘が、自身の表現を追求するあまり、取り返しのつかないことになってしまう話。
・オープニング。娘の顔に光が当たるたびに、本人なのか母なのか人なのか人形なのかよくわからなくなっていく映像が怖い。あと、最初から目が疲れる。
・彼女は、病気で精密な作業ができなくなった母親を手伝って、パペットを動かす。
・母の操り人形が、人形の実物を扱う構造。そして、家族としても作家としても母親の強い影響下にあって、常に精神的な檻に閉じ込められている状態。
・ご丁寧に劇中劇のストップモーションアニメも、少女が小屋に閉じ込められる話。
・ワックスで作られた少女。汚いし、素直に見た目が怖い。ボコボコに殴られたような顔。
・ピングーはコウテイペンギンらしいけど、ワックス人形ならフンボルト属のどれかになると思う。
・実写映像とストップモーションアニメの映像が交互に出てくる。
・生身の人間と無機物の人形との境界線をあいまいにしていく見せ方は魅力的だけど、思いついても実際に作れるかどうかは別。
・ホラーは比較的低予算で作れるジャンルだと思うけど、ストップモーションアニメを組み込むことで製作のハードルが跳ね上がっている。
・ホラー映画なのにやたら芸術点が高い。
・露悪的な表現も多いけど、最後にきれいにまとめている。
・本物の死体を使えば禍々しい表現ができるという発想が浅はか。「芸術家気取り」。まさに。
・意識不明の母親の体を使って、ストップモーションアニメごっこしているのが一線を越えている。でも、似たようなことをやってる作家なら意外といそう。
・ストップモーションアニメは、1秒の虚構を作るために100倍の時間は使うので、現実が虚構に飲まれることはなさそうな気がする。実際、どうなんだろう。
・頭の中で何度も動きをイメージするだろうから、逆に想像に飲まれちゃったりもするのかな。
・最後の最後まで付き合った恋人はホントにえらい。
・彼がハッピーエンドを迎えるためには、どうしたらよかったんだろうと考えてしまう。
(サツゲキ)