恐怖の作法: ホラー映画の技術 | |
クリエーター情報なし | |
河出書房新社 |
2016/6/11
Jホラー分野では「小中理論」として有名な小中千昭がホラー映画の「作法」を書いた本。
初版は2014年だけど、2003年から2014年までの文章をまとめて1冊にしている。
驚かしやスプラッターは求めている「怖さ」ではないと、理想の青を求める画家みたいな求道的な態度がおもしろい。
「恐怖とは段取りである」という言葉。
細かい違和感の積み重ねが恐怖シーンへの布石になる。
そのあとに出てくる「情報の合致は恐ろしい」とセットになると思われる。
場違いの髪の毛が気持ち悪いのは、生きていた人の気配からという話。
時間軸がずれた人間の存在を匂わせる。
理論書でもあるけど、自身の作品について個別に語っていたり、対談が入っていたりと自由な構成。
何度も読まないと身になりにくそうなので、手元に置きたいタイプの本。
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