遠藤雷太のうろうろブログ

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小中千昭『恐怖の作法: ホラー映画の技術』

2016-06-12 10:29:38 | 読書感想文

 

恐怖の作法: ホラー映画の技術
クリエーター情報なし
河出書房新社

2016/6/11

Jホラー分野では「小中理論」として有名な小中千昭がホラー映画の「作法」を書いた本。

初版は2014年だけど、2003年から2014年までの文章をまとめて1冊にしている。

驚かしやスプラッターは求めている「怖さ」ではないと、理想の青を求める画家みたいな求道的な態度がおもしろい。

「恐怖とは段取りである」という言葉。

細かい違和感の積み重ねが恐怖シーンへの布石になる。

そのあとに出てくる「情報の合致は恐ろしい」とセットになると思われる。

場違いの髪の毛が気持ち悪いのは、生きていた人の気配からという話。

時間軸がずれた人間の存在を匂わせる。

理論書でもあるけど、自身の作品について個別に語っていたり、対談が入っていたりと自由な構成。

何度も読まないと身になりにくそうなので、手元に置きたいタイプの本。

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