ミスト コレクターズ・エディション [DVD] | |
クリエーター情報なし | |
ポニーキャニオン |
2016/5/13
・これから見る可能性のある人は、この感想も含めて、可能な限り前情報を入れずに見たほうがいい。
・始まって25分ごろの「アタック」描写も、展開を知らずに見たので、びっくりできた。
・小さな街で謎の霧が発生し、スーパーに閉じ込められた人々が、何とかとして生き残ろうとする話。
・日常描写がうまい。
・スーパー内の人々のやりとりだけで、街のだいたいの大きさがわかる。
・最初から最後まで(ある一要素だけ除いて)フィクションラインが低い。
・書き分けがきれいで一般人ひとりひとりの個性が立っている。
・郊外に住むイラストレーター、めんどくさい隣人、人懐っこい店長、困った客。善人もそうじゃない人もいる。
・しかも、それぞれの人物が日常と非日常で変化していく様子も段階的に描いている。
・確かにこれだけ人がいるとこういう人がこういう割合でいる、と思える。
・主人公が不自然に頼りになりすぎるくらい。これはさすがに気にならない。
・でも、彼女が言っていたことはほぼ正しかったという勧善懲悪のなさが現実的。アメリカには、ああいうひと、たまにいるらしい。
・やろうと思えば、ミストがただの毒ガスでも、それなりにおもしろい話にできたんじゃないかというくらい。
・ドッグフードバリケードの頼りなさと、ライトを点けたらいいのか消したらわからなくなっている人の混乱ぶり。
・そういう巧みな作り手が、すごく丁寧に人のいやーな死に方をホラー的に描いている。
・死んだ人が、きちんと「こんな死に方は絶対に御免だ」という死に方をする。
・触手、虫、鳥、蜘蛛、蟷螂、謎の巨大生物。特に蜘蛛が最悪すぎて笑ってしまう。あんなになっても、死んでいない。確かに虫って、たまにそういう残酷なことする(餌は新鮮なほうがいいものね)。
・主人公の最後の決断にも納得せざるを得ない。ただ、決断はやすぎる。
・主人公サイドに共感させるだけさせといて、ああいう衝撃のラストを持ってくるのがひどい。
※これでやっと宇多丸評が聞ける。「映画史上に残るトラウマエンディング(宇多丸)」「思いついてもやるんじゃねえ(妹尾匡夫さんが言っていたそう)」
あと少しだったのに…という。
いま、思い出してみるとと、トラウマというより、悪趣味だなと思いました。笑
それぞれのエゴの顕在化と、
濃霧に蠢くモンスターとの対比が素晴らしかったです。
フランク・ダランボン一級演出の手腕発揮ですね。
ラストは、
トラウマの声が多いし、
私も驚きました。
けど、
ヨーロッパ映画には、
これに匹敵するバッドエンディングの数々が結構ありましたから、
免疫つけて、
現実の残酷さに、
向かい合う勇気を培いたいものです。