遠藤雷太のうろうろブログ

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KUROGOKU『DOLL』 《Team R》

2024-10-07 00:40:53 | 観劇三昧

KUROGOKU『DOLL』 《Team R》

2024/10/6

・宿舎のルームメイトになった高校生五人が入学して高校生活を送り、結果入水事件を起こす話。

・1983年の戯曲。もう古典と言ってもいい有名作だけど、上演しているのを見たのは初めて。

・年代は作中でも言及される。

・今は技術の変化が目まぐるしくて通信機器ひとつでもノイズになりかねないので、変に濁すよりもはっきり年代に触れたほうが書きやすいのかもしれない。

・髪型も1983年時を意識している。

・それぞれ全く異なる個性の生徒たちが同じ部屋で生活をするので、軋轢もあるが、なんだかんだでお互いを許しながら暮らしている。

・今の感覚だと、仮に校則や法律が許したとしても、自分以外は非喫煙者しかいない室内でタバコを吸うのは論外なんだけど、そのあたりもなあなあになっている。

・その生徒がまさにそのタバコで停学になりそうになり、なぜか他のルームメイトが彼女に謝る流れになっている。喫煙者の自業自得としか思えない。

・同じようなやりとりは他にもあって、男の子の告白を受け入れられなかった女子が、他のルームメイトに責められる。

・特に責めていた生徒は完全にただの嫉妬なのに、なぜか振ったほうが悪者扱いされている。

・自分に合うか合わないかなんて、実際にやりとりしてみるまでわからなくて当然だろうに。

・フラれた当てつけに自殺未遂するようなやつはフラれて当然。

・そういう理不尽さや、その場の雰囲気に流されている感じも、高校生らしいと言えばそうなのかもしれない。

・ただ、死ななくてもいいのにわざわざ死ぬような人たちが、最後に感動的な雰囲気を出しているのは乗りにくかった。

・エピローグ風のシーン、やっぱり死ななきゃよかったのに。

・ルームメイト五人がそれぞれの抱えている問題が順番に明らかになっていく。

・各演者の細かい表情の作りこみや言い立てもうまくいっていたと思う。練度が高い。

・それぞれ見せ場があってやりがいがありそう。

・最初に圧倒的な勢いで駄々をこねている生徒がかわいい。

・実生活でもあんなに全力で駄々がこねられたら気持ちよさそう。誰もいないところで試してみたい。

 

■詳細(観劇三昧HP)

■公演時期 2023/10/19

■地域 関東

■キャスト
佐々木奈緒
倉田みどり
菅原茉利奈
小橋杏佳
柳町明里(劇団身体ゲンゴロウ)
元山日菜子
石田梨乃
藤山ももこ
中前涼眞
畳谷洋登
小坂広夢(声の出演)

■スタッフ
原作:如月小春
企画・製作・演出・照明:黒柳安弘(KUROGOKU)
舞台監督・美術:藤田清二(工房 F)
音響:松本将太
舞台・宣伝写真:野村尊司(KUROGOKU)
映像撮影・編集:中島一人(ハートライン・ピクチャーズ)
編集:黒柳安弘(KUROGOKU)
宣伝美術:平井辰夫
フライヤーモデル・ヘアメイク:柊みさ都
当日運営:水沢 綾
制作・衣装:大澤このみ(KUROGOKU)

■あらすじ
進め! 進め! 進め!
泣き寝入りの少女たちよ
今こそ我らは汝らに告ぐ
時来たれり
ただちに哀しみの冷たい壁を打ち破り 我らと共に進軍せよ
ありとあらゆる艱難辛苦をのりこえて 何があろうと生きようとせず
決して生きようとせず
我らと共に進め! 進め! 進め!

初演から40年。今なお褪せることなく輝きを放つ、如月小春による珠玉の名作

何故、少女たちは水になったのか


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