遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

中平康監督『月曜日のユカ』(1964年)

2024-09-27 00:03:53 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

2024/9/25

・男を喜ばせることを生きがいにしているユカが、パトロンのパパを喜ばそうとして空回りする話。

・冒頭の灯台みたいな場所で男女二人がいちゃついているところに、巨大な船が通り過ぎていくシーン好き。

・ユカ役は加賀まりこ。不自然なほど時代感のない美人。ちょっとしたオーパーツだった。

・彼女にはパトロンと恋人がいる。

・特別、悪女でも計算高いというわけでもない。

・男を喜ばせようとする信仰に近い信念を持っている。

・純粋なぶん、危なっかしい。

・誰が見ても成功しそうにない人形作戦を楽しみに計画しているところも、不安をあおられる。

・誰とでも寝るが、キスだけは拒否する。それが現実的に有りうるのかはよくわからない。

・相手を喜ばせるという目的が、どこまでも相手次第になってしまうので、どう転んでも幸せになれない。

・母親の教育がおかしい。彼女の職業病のような不自然な笑顔も居心地が悪い。たぶん演技の工夫の一つだと思う。演者は北林谷栄。

・終盤、せっかく気合入れて身支度していたのに、厄介者扱いされているのが本当に悲しい。

・ユカは完全に相談相手を間違えているけど、それに気づいている様子もない。誰にでも「一番愛している」と言うのはたぶん母親の教え。

・加賀まりこの演技は基本様式的だけど、英語で会話するときのほうが自然な感じがする。

・単にかわいいだけではなく、純粋さ、危なっかしさ、頑固さ、図太さ、不憫さと、色々な要素で組み立てられている。

・キリスト教との関係が読み取れるともう少し深く楽しめそう。

・商売相手から「あの女がほしい」と求められるパトロン。セックスの接待。商売相手からも「パパさん」って言われてるの、どうなの。

・それまでは何とかパトロンとしての威厳を保っていたのに、完全に化けの皮がはがされていた。「びっくりしたんだ」の繰り返しも残念。

・その流れで、船長の相手をお願いするのも酷い。

・最後、笑いごとじゃないのに笑ってしまった。

・彼女のキャラクター、音楽、それまでにされてきたこと、奇跡的なバランスでまとめられていた。


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