2024/4/16
・地球と月とその家族の在り様を、時報のリズムに乗せて言葉とダンスで表現していく話。話なのかな。
・作中で、幼い女の子であるちいちゃん(地球)とその幼馴染の月の関係性を人の一生分一気に見せる。
・最初は『わが町』と関係ないのかなと思ったけど、この部分だけ取り出すとやっぱり発想元と思われる。
・最初の時報のリズムにあわせて群唱するところは躍動感があってかっこいいんだけど、なかなか話に入っていかないので少し不安になる。
・抽象表現が多いと、全体の尺の中でどのくらい進んでいるのかわかりにくいので長く感じやすい。
・本作では、ちいちゃんと月の二人の物語が組み込まれていて、そういうストレスは少なかった。
・それだけなら良くも悪くも単なる「いい話」だけど、宇宙の概念をねじ込むことで、ものすごく遠くから突き放したような視点を獲得している。
・繰り返される誕生日とテレビと冷蔵庫の話は日常の象徴ということでいいのかな。
・振り返って考えていくと、やっぱり『わが町』がベースになっているような感じがしてくる。
・単になぞったり置き換えたりするのではなく、分解して組み直して、繰り返しで強調ポイントを作って、いろいろ装飾して、この形になっているように見える。
・本作は2011年の公演だけど、今の感覚だと、親と同居していて、夫が働き、妻が家事をする(夫婦それぞれが選択している言葉がそれっぽい)ような家庭って、日常の記号になりえるのかなと思ったりはする。
・必ずしも現代を描く必要はないんだろうけど。
・中盤から後半にかけては、演劇というより長いラップの曲を聴いている感じになってくる。
・セリフと動きと演出効果のタイミングがものすごくシビアで、一つ間違えると大混乱を招きそう。とてもハラハラする。
・どうして重なって寝たんだろう。月食?
・さらに終盤になると曲ですらなく祭りになっていく。
・囲み舞台なので客席も映っているんだけど、ニコニコで首を振りながらリズムをとっているお客さんがいてとても共感した。
・言葉レベルでも構成レベルでも、星の一生と、人の一生が上手いこと重なっていて、ほんとよくできた作品だった。
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