2024/6/27
・無期限休業が間近に控える髙木三四郎がスーパーササダンゴマシンと戦うワンマッチ興行。
・二人とも硬軟どちらの試合もできるイメージだけど、特に軟の方向では業界トップクラスの対応力だと思う。
・そんな二人のワンマッチ興行なので、ただのプロレス興行で終わるはずがなく、見る前から期待値が高い。
・席の種類が51種類ある。制作段階からしっかり独自色を出している。というか、やりすぎている。
・普通の席や穏当な特典も多いし、スタッフ体験席、誕生日お祝い席くらいまでならわかる。
・記者のフリ席、引退セレモニー席、蘊蓄言いたい古参席と蘊蓄聞きたいビギナー席も面白いなと思える。
・ただ、わざわざパネルを立ててほぼリングの見えない見切れ席、笑うとケツバット席、目隠しで試合が全く見えない席くらいになると、難解すぎる。
・いったい、観客はお金を払って何をしに来たんだ。
・このジョークに乗れるかどうか、観客が試されている。
・試合前の前説もそういうチケットを買った素人さん。
・素人でも流暢に話せる人はいるだろうけど、その方は緊張のあまり話もたどたどしく、結果、企画の趣旨をよく体現されていた。
・試合前に公開打ち合わせ。最初は一応戦闘モードだった髙木選手もすぐに表情がやわらかくなる。
・求められる段取りに次ぐ段取り。どんな試合になるかはもちろん実際どんな素人が介入するかも謎な状況。
・事前準備がとにかく重要な演劇に関わっている人間からすると、狂気のイベントに思える。
・茶化してばかりのようで、凶器の話や、お客さんの安全、新日本プロレス矢野選手へのリスペクト、こんなに無茶なことをしながらも線引きが絶妙で安心感がある。
・誕生日席のお客さんに写真映えするよう箱から取り出したケーキを渡し、事が済んだら丁寧に戻している。
・企画から実施、決着まで、プロレスの枠を自在に出たり入ったりしている。このバランス感覚で立ち回れるプロレスラーはたぶんこの二人しかいない。
・ワンマッチとは名ばかりの人生の曼荼羅絵だったので、最後のほうよくわからなかったけど、受け入れることができた。
・あと、ここにいた観客は、日本のプロレス史上で最も練度の高い観客だったのはたぶん間違いない。
DDT「髙木三四郎 vs スーパー・ササダンゴ・マシン ワンマッチ興行」 東京・新宿FACE ARCHIVE 2024.6.26
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