2023/12/31
・夫と喧嘩別れし、砂漠の真ん中で孤立してしまった女性がさびれたモーテルに滞在しているうちに、自身と関係者たちの心が改善していく話。
・最初はこの大柄なドイツ人女性ジャスミンがまさか重要人物だと思ってなくて、しばらくどこに向かっている話なのかと戸惑う。
・いくら回復していく話だからと言って、物語冒頭の人々の荒みっぷりがひどい。
・それでいて何か既視感がある。普遍性のあるダメな人たちなんだと思う。
・特にモーテルのオーナーであるブレンダは、身近な人を片っ端から攻撃していく。そして返り血を浴びている。
・その娘のナメ腐った態度。毒のある生物に唯一の耐性を持つ生物みたいに見える。カクレクマノミ。
・ブレンダの掃除している様子が不思議とかわいい。
・人との関係性で荒み切ったブレンダと、孤独に傷ついているジャスミンが交わることで事態が好転する。
・お互いが二人の急所をピンポイントで刺している。
・そんなにうまいことパズルのピースがハマることなんてあるんだろうかとは思わないでもないけど、とにかくそういう奇跡が描かれている。
・ブレンダの家族たちが簡単に懐くのも都合がいいといえばいいんだけど、タトゥーのお姉さんが出ていくところでバランスとっている感じ。うまい。
・モデルになるたびに、じわりじわり性的になっていくの笑った。果物がだんだん卑猥なものに見えてくる。
・画家のおじさんが頭に巻いている布が出てくるたびに変わっていくのも楽しい。
・繰り返されるブーメランのシーンは、そのまま循環の象徴なんだと思うけど、フェイントとしても機能していて気が利いている。
・女二人が急激に仲良くなりすぎて逆に不安になる。
・手品だって、そんなに飽きられずに続かないだろうし、いつか反動があるんじゃないかと思ってしまう。
・なので、ジャスミンが出ていくことになって安心していたら、すぐに戻ってくる。
・そんなことを思っていても、再会シーンはあっさりしていてそのシンプルさに感動してしまう。
・このあと、二人が倦怠期みたいになってもそれはそれでひとつの人生なんだと思えるようになった。
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