オバマの探す犬

オバマがファーストドックを探している。娘がホワイトプランじゃなくてホワイトハウスで一緒に
暮らす犬を飼いたいんだとさ。条件はアレルギー症状を起こしにくい犬種で里親を捜している犬。
おお、まさにピノコだ。ピノコは毛が抜けにくい、センターでじっと里親を待っていた。中型だ。
センターで最初にピノコと対面した時、センターの人はピノコを純血のワイヤーフォックステリアと言った。
体中脱毛で痩せこけて汚れて灰色だったピノコはワイヤーというよりどうしても大きなネズミに思えた。
でも家で栄養をつけてストレスをとってあげればやがてりっぱなテリアになるはずだと期待半分で
もらい受けた。
はたしてピノコはもりもりと体重を増やし、毛も生えそろいテリア特有の天衣無縫の性格を遺憾なく発揮し
始めた。じっとしているのが嫌いなピノコは庭を疾風のごとく駆け回り、無類の好奇心といたずらで
目に付く物すべてを破壊した。まあ犬のすることだからと大目に見ているが。
最近まるまる太ったピノコを眺めてふと、ふと疑問の入道雲がもくもくと湧きあがってきている。
ピノコってほんまもんのワイヤーフォックステリアなのだろうか、インターネットの写真や散歩で
すれ違うワイヤーとどこかが違っているような気がしてならないのだ。
比べてみると体が小さい、足と首がやけに短い、腰がくびれてないetc。
センターの人はなかなか里親の見つからなかったピノコを不憫に思い、純血と言ったのかもしれない。
雑種でもかまわない。いや雑種だからこそツチノコ体型でかえってかわいくなっているのかもしれない。
オバマが犬を探している。アレルギーを起こしにくくて、里親を待つ身で、雑種、
ピノコだ。そして飼い主はオバサマ。