縁起笑店

縁起の道も招き猫から
陶芸家猫社長のつれづれコラム
横浜の縁起村から伊豆の満腹村に移住

鍋からたぬき汁

2011-12-17 | Weblog
「おまえさん、おまえさん、大変だよ、鍋に穴が開いて昨日から煮込んでいた
たぬき汁が漏れだしてるよ」
「かかあ、早く火を消せ。じゃないと鍋が空だきになっちまう」
「水を掛ければいいんだね。ジャー、ほら掛けたよ」
「あちちち、バカヤロウー、真っ赤に焼けた鍋に水を掛けたら水蒸気が
飛び散るだろ。ゴホンゴホンすごい煙だ」
「あんた、たぬき汁が落ちて囲炉裏の中に吸い込まれてる。沸々って音も聞こえるよ」
「鍋に水を入れ続けろ」
「わかったよ、おまえさん、ところでたぬき汁はどこまで落ち込んだんだろうね」
「それは誰にもわからね~。囲炉裏の中に留まっているか、
もっと下まで突き抜けているか。判明するまで30年はかかるだろーな」
「ゲッ、おまえさん、このたぬき汁はいったいぜんたいなんだったんだい?」
取り敢えず穴の開いた鍋は冷温停止状態になったという馬鹿馬鹿しい小話。



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