言語習得は既存のスタイルに合わせていくconservative(保守的)な作業でその極意はconformity(順応)にあります。言語順応に欠かせないのは大量インプットで、ノンネイティブの場合は文法学習がインプット不足を補う大きな助けになります。特に創造性を要する作業ではないにもかかわらず、いまだに日本人学習者向けの効率的な英語習得のマニュアルが整備されていないのは不思議なくらいです。
近年の文科省方針による英会話重視の学校英語教育では、インプットの質、量ともに低下した上、文法軽視により習得効率も落ちているわけですから失敗しない方が不思議です。かといって、三面記事が読めない受験生に社説を読ませるようなことをしてきた旧来の受験英語に戻れば英語ができるようになるわけでもありません。「英語の読み書きはできるが会話のできない日本人」というのは何の根拠もない国民的迷信です。
ささやかながら、英語習得マニュアルの試案をお示ししていきたいと思っています。
①高校中級程度までの基礎的な単熟語、文法、構文は日本語の解説でしっかり理解する必要があります。加えて、良質な基礎構文集の英文和訳と和文英訳を完璧にできるようにする体育的トレーニングは避けて通れません。「英語の授業は英語で行うことを基本とする」という文科省の高校英語計画が失敗に終わるのはまず間違いないです。初中級者が英語による説明を理解するのはきわめて困難な上、教員の資質も不足しているからです。
②基礎を習得した後には英文和訳や和文英訳のような日本語にしばられた英語学習は避けて、英英辞典とやさしいネイティブ向け読み物に移行するのが効率的です。問題演習にあたっても和訳や英訳は避けて、長文中の四語選択問題と四語整序問題に取り組む方が効率良く英語力を伸ばせます。英語学習の効率を大きく左右する要因は英語のインプット量で、基礎を習得した後には日本語をできるだけ混ぜないに越したことはありません。
③実用英検は英語力チェックのためにきわめて有効です。しかし、一次試験六割程度の得点で「合格」させられて上の級を受験して何度も落ちる英検難民があとを絶ちません。コンスタントに一次試験九割以上得点できるようになってから上の級を受験するのが、「お金をかけない英検合格法」です。
難関視される英検1級もレベル的には英語圏の中学生の英語&社会科程度です。準1級で一次試験九割得点できる位の力があれば、TIME,NEWSWEEKの1頁もののやさしい記事を高い精度で300本位読んで頻出単熟語を覚えればリーディングは十分合格圏に到達できます。リスニングは月刊CNN ENGLISH EXPRESSを一年分スクリプトなしでシャドウイングできるようにすれば十分でしょう。準1級で一次試験九割得点できる位の力があれば、一日90分位の学習でも一年で準1級→1級一次合格に到達できると思います。この段階までのアウトプット訓練は英語で日記を書く程度で十分です。英会話は英語学習者にとって間食のような存在にとどめるべきで、メインにすべきではありません。何はともあれインプットです。
④英検1級、TOEIC900点レベルを超えてからは、英語を大量にインプットしつつアウトプット訓練を増やしていけば、読み、書き、聞き、話す四技能をバランスよく伸ばせます。しかし初中級段階で四技能のバランスに重きを置くのは馬鹿げています。なぜならば、インプットが十分でないと独創的な誤りを量産するアウトプット訓練に終わってしまうからです。
道具に過ぎない言語の習得はできるだけ要領よく済ませて、創造的な言語コミュニケーションに早く入る方が望ましいのは論を待たないでしょう。たとえばここのブログで英語論説記事の内容を巡る議論が展開されるようになれば大変幸いです。英検1級、TOEIC900点などというのは単なる通過点でしかありません。
近年の文科省方針による英会話重視の学校英語教育では、インプットの質、量ともに低下した上、文法軽視により習得効率も落ちているわけですから失敗しない方が不思議です。かといって、三面記事が読めない受験生に社説を読ませるようなことをしてきた旧来の受験英語に戻れば英語ができるようになるわけでもありません。「英語の読み書きはできるが会話のできない日本人」というのは何の根拠もない国民的迷信です。
ささやかながら、英語習得マニュアルの試案をお示ししていきたいと思っています。
①高校中級程度までの基礎的な単熟語、文法、構文は日本語の解説でしっかり理解する必要があります。加えて、良質な基礎構文集の英文和訳と和文英訳を完璧にできるようにする体育的トレーニングは避けて通れません。「英語の授業は英語で行うことを基本とする」という文科省の高校英語計画が失敗に終わるのはまず間違いないです。初中級者が英語による説明を理解するのはきわめて困難な上、教員の資質も不足しているからです。
②基礎を習得した後には英文和訳や和文英訳のような日本語にしばられた英語学習は避けて、英英辞典とやさしいネイティブ向け読み物に移行するのが効率的です。問題演習にあたっても和訳や英訳は避けて、長文中の四語選択問題と四語整序問題に取り組む方が効率良く英語力を伸ばせます。英語学習の効率を大きく左右する要因は英語のインプット量で、基礎を習得した後には日本語をできるだけ混ぜないに越したことはありません。
③実用英検は英語力チェックのためにきわめて有効です。しかし、一次試験六割程度の得点で「合格」させられて上の級を受験して何度も落ちる英検難民があとを絶ちません。コンスタントに一次試験九割以上得点できるようになってから上の級を受験するのが、「お金をかけない英検合格法」です。
難関視される英検1級もレベル的には英語圏の中学生の英語&社会科程度です。準1級で一次試験九割得点できる位の力があれば、TIME,NEWSWEEKの1頁もののやさしい記事を高い精度で300本位読んで頻出単熟語を覚えればリーディングは十分合格圏に到達できます。リスニングは月刊CNN ENGLISH EXPRESSを一年分スクリプトなしでシャドウイングできるようにすれば十分でしょう。準1級で一次試験九割得点できる位の力があれば、一日90分位の学習でも一年で準1級→1級一次合格に到達できると思います。この段階までのアウトプット訓練は英語で日記を書く程度で十分です。英会話は英語学習者にとって間食のような存在にとどめるべきで、メインにすべきではありません。何はともあれインプットです。
④英検1級、TOEIC900点レベルを超えてからは、英語を大量にインプットしつつアウトプット訓練を増やしていけば、読み、書き、聞き、話す四技能をバランスよく伸ばせます。しかし初中級段階で四技能のバランスに重きを置くのは馬鹿げています。なぜならば、インプットが十分でないと独創的な誤りを量産するアウトプット訓練に終わってしまうからです。
道具に過ぎない言語の習得はできるだけ要領よく済ませて、創造的な言語コミュニケーションに早く入る方が望ましいのは論を待たないでしょう。たとえばここのブログで英語論説記事の内容を巡る議論が展開されるようになれば大変幸いです。英検1級、TOEIC900点などというのは単なる通過点でしかありません。