2018/7/9(月) 午前 11:04
米朝交渉の歴史をみてみることに。
朝鮮半島分断は第二次大戦後の米国とソ連による分割統治という米ソの冷戦の副産物であるといわれているが、米ソが引き揚げた後の朝鮮戦争(50年6月~53年7月)は実質的には米軍と北朝鮮軍+中国義勇軍との戦争で、休戦協定もこの三者によってなされた。
北朝鮮は金王朝体制下の90年代の朝鮮半島危機では、クリントン政権当時の93年、米朝全面戦争の一歩手前まで行き、同じ民主党のカーター元大統領の訪朝で回避されたと言われている。この功績によりカーター元大統領は2002年にノーベル平和賞を授与された。
カーター元大統領は民間人としての立場であり、このときの交渉のテーブルには米国からはロバート・ガルーチ国務次官補、北朝鮮からは姜錫柱外務次官がついたそうだ。
94年10月、米朝の枠組み合意で北朝鮮はプルトニウム濃縮を凍結し、IAEAの査察を受け入れる見返りに、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)を発足しプルトニウム抽出の難しい軽水炉2基の建設提供と、軽水炉完成まで毎年50万トンの重油の提供というエネルギー支援を米国からとりつけた。
米国は海外から資金を集めたり、議会の承認を四苦八苦して得て、96年に重油を一部提供したとされている。
95年3月にKEDOは日本、米国、韓国の共同組織として発足。95年に新浦市に軽水炉の建設計画を立案、97年8月に着工式が行われ、98年に韓国電力公社KEPCOとの間で軽水炉建設計画の契約書に署名。
軽水炉の建設費用については30%が日本負担、70%が韓国負担とされたが、実際には2000年までその莫大な費用について語られることはなかったという。
94年の米朝合意は暗礁に乗り上げ、IAEAによる査察を北朝鮮が拒否し、米国の調査によって北朝鮮のウラン濃縮による核開発の続行が明るみになると北はIAEAの査察チームを国外退去としてIAEAからの脱退を宣言。
98年8月、北朝鮮は弾道ミサイル実験を再開。(このときテポドン1号は日本上空を通過して太平洋に着弾)2003年1月北朝鮮はNPTからの即時脱退を宣言。
これらを受け2003年11月KEDOは北朝鮮への軽水炉供与事業を12月1日から1年間凍結を発表。2005年11月KEDOはNYで理事会を開き、清算を決定、軽水炉事業を廃止することで合意。
つまり、「実際には軽水炉は建設されていなかった」のである。ということは、北の主要な電力源はいまだに「併合時に日本が作った水豊水力発電所」であるということでは・・・・
ところで94年の米朝合意の背景とは、現実には北朝鮮の「ソウルを火の海にする」という脅し文句が大きかったようである。
38度線付近の非武装地帯のすぐ北側には40km以上の射程をもつ240ミリ多連装ロケット砲や170ミリ自走砲が約300門配置されており、短時間に9000発をソウル近郊に砲撃することが可能なのだという。
2016年3月の韓国東亜日報の記事によれば、北朝鮮は従来の240ミリ放射砲よりも発射口径が大きく破壊威力の大きい300ミリ新型放射砲を240ミリ放射砲に変えて実戦配備予定で、この新型放射砲(KN-09)は弾道ミサイルよりも飛行高度が低く、韓国に配備されているPAC-2では迎撃不可能と考えられている。
38度線とソウルは僅か40kmの距離でしかなく新型放射砲の最大射程は200kmともいわれ裕に射程範囲であること、延坪島砲撃事件後に、(北朝鮮が撃った170発の内の90発は海上に落下)北朝鮮が砲弾にロシア製のGPS
「グロナス」を装着し、平均誤差半径を10mまで縮め、放射戦力を「物量攻勢」から「精密攻撃」に進化させているともいわれている。
これらのロケット砲の多くは地中待避壕の中に隠されているものの、米軍の保有する精密誘導弾1000発でその出入口を攻撃すれば、300門のKN-09砲撃を制圧することが「可能」とされてはいる。
2004年7月に米韓両国の合意により龍山の在韓米軍基地の閉鎖とソウル南方80kmの京畿道平沢への米軍基地移転が決まり、今年6月29日に移転完了している。しかし、米軍軍事情報サイト「ディフェンス・ワン」は「(200km射程で「グロナス」装着の)北朝鮮の新型放射砲KN-09は技術面で進歩して韓国内の米軍基地に深刻な脅威である」と分析。
従って、数年以内に現実のものとなるであろう在韓米軍撤退は米軍にとり当然の退避行動といえる。仮に米軍による北朝鮮への軍事行動があるとすれば、在韓米軍撤退後に起こる「可能性の話」としては否定できない。
今回の2018年6月の米朝合意後も、数兆円といわれる北の核の廃棄にともなう莫大な費用負担についてはいまだに語られることがなく(米国は自国は負担せずと表明。「韓国が負担するだろう、日本も」などと言及)従って、北朝鮮による核の「完全廃棄」(←元から専門家の間では「既に不可能」と結論)はなされないため、このままいけば、
①トランプ米軍+国連軍が北緒戦に対する軍事行動に出るかあるいは、
②核の一部廃棄とミサイル放棄で米軍と密約後、北朝鮮は事実上の「核保有国」の立場を得て韓国に対する軍事的優位性をもって半島統一がなされる、(もちろんそのとき在韓米軍は撤退済み、日米は介入せず)というシナリオかと。北の傀儡政権である文在寅韓国は現在南北を結ぶ鉄道建設を計画中。
韓国は空前の少子化(ついに出生率は世界初1.0以下に突入)で、近未来において徴兵制が崩壊し「韓国軍」を維持することが出来なくなるので、今の内に半島統一しておいた方が長期的な生物学的観点からは朝鮮民族にとってリスクが少ない。経済格差は10~20年で解消可能。
今後、「核保有国」となった隣国の半島情勢の変化に応じ「核による非対称性の軍事的状態」を日本が受け入れていくのかどうかはまた別問題で、日米同盟の核の傘からは永久に出ることが出来ないという状況を続けていくのか、独自の道を選ぶのか。
コメント
私の予想は②ではないかなあと思います。
日米のシナリオとしてはロシア、中国、韓国にとって目障りな独立勢力。
いわゆる都合のよいテロ国家に北朝鮮を仕立てあげようとしているのではないかと思っています。
わからなのはロシアとアメリカの関係です。まあ、アメリカ側が内部分裂しているために混沌とした状況なのかもしれないですが・・・
2018/7/9(月) 午後 7:27 [ 黒岩虎吾郎 ]
> 黒岩虎吾郎さん
コメントをありがとうございます。私もそう思います。というのも、第二次朝鮮戦争は日本にとっても難民流入というリスがあり、1発でも在日米軍や日本の要衝をミサイル攻撃されれば、世界経済に混乱をおこす可能性が大きくて実際には米軍の軍事圧力はこの地域には行使できないと判断されて、米朝会談を行ったのだと思います。ですが、中間選挙前にトランプ大統領の「目に見える成果」が北朝鮮問題では指摘されはじめていますね。昨日だか実務的交渉に当たっているポンペオさんが、「手ぶら」で北朝鮮から戻ってきた、など。北朝鮮はちょっと危険な挑発をまた始めているようですし。
2018/7/9(月) 午後 8:42 kamakuraboy
> 黒岩虎吾郎さん
ロシアとアメリカの関係は、今後良くなりそうです。アメリカは中国との経済戦争を始めていますし、G7にロシアを戻そうと、この前カナダのG7会議で発言していましたよね。
EUや日英とも関税問題があるから、対立の構図を変えたい思惑があるのだと思います。
クリミア半島問題は既に規制事実化しましたし。サッカーW杯も無難に運営してますし。
2018/7/9(月) 午後 8:49 kamakuraboy
> kamakuraboyさん
ロシアの情報ありがとうございます。
その情報からだとアメリカの思惑は親ロシアで固まったんでしょうね。
現在の北朝鮮の考えは・・・やってい事と密約が時と場合によっては違う動きがしているように感じます。ようするに同じ挑発でも密約アリとナシで微妙にちがうと。
ただ、それが上手く読み取れない、予測するのが面白いところではあるのですが・・・
2018/7/9(月) 午後 11:56 [ 黒岩虎吾郎 ]
> 黒岩虎吾郎さん
北朝鮮は後ろに中国がいて、常に中国の指示に従っているのだと思います。現在経済制裁されている北朝鮮にとっては、米国の顔色を気にせず国連の制裁もものともせずに「瀬取り」で燃料を補給してくれる中国はパトロンのような存在でしょう。
一方トランプも金正恩にホットラインの電話番号を渡して、「何かあれば自分に電話するように」などと言って独自の動きをしているとかで、米国内部でも困っているようですね。トランプ大統領自体も「不確定要素」ということのようです。
2018/7/10(火) 午前 0:14 kamakuraboy
> kamakuraboyさん
こんばんは
きょう2019年2月28日にベトナム・ハノイで行われた米韓首脳会談については、事実上の決裂になりましたね。
トランプ大統領が制裁緩和に走るのではないかとの憶測がありましたから変に妥協しなかったのは良かったと思います。日本は一貫して核廃絶なくして制裁緩和はしないと明言しまた米国にもその旨伝えてきたので良かったと思います。米国は「瀬取り」に厳しく対応することになりそうです。
金正恩は困ったことになりましたね。4回の高官会議と2回の米朝首脳会談の結果何も得られなかったとなると、国内での正恩の立場は難しいものがあるでしょう。北朝鮮は、今後中国頼みが増えるはずです。
また、韓国の文在寅がいちばん困ったことになりました。北への超傾倒で制裁緩和を働きかけていましたが当分の間は制裁緩和がなくなったことが明らかになり南北融和に影を落とす結果になりました。ただ、コメントを読む限り本人は全く理解していないようです。
2019/2/28(木) 午後 10:25 泉城
> kamakuraboyさん
米朝交渉が暗礁に乗り上げましたのでしばらくは首脳会議は開催されず、この隙間に、日本は北朝鮮と話すチャンスが生じたように思います。
首脳会談の拡大会議に強硬派のボルトンが同席していたことから、ボルトンにウエイトが移行しているようなので在韓米軍の縮小は当面無さそうです。
ただ、今後北朝鮮はどのように動くか予断を許しませんので、いずれにしろ、日本は東亜の防衛戦略を念頭に、あらためて防衛対策を考えねばならないと思います。
今回の米朝首脳会談を契機に、わずかなライトでも、暗闇に明るい希望が見えるといいですね。
2019/2/28(木) 午後 10:44 泉城
> 泉城さん
こんばんは。コメントをありがとうございます。米朝首脳会談はやはりやるだけ無意味でしたね。北朝鮮にせよ韓国にせよ日本の教育を受けた世代は既にいなくなってしまったので、イソップ童話に出て来るカエルのお母さんのような人物ばかりでまともな交渉相手になるわけがないのだと思います。
マレーシアで(金正恩の指示で)暗殺された長男正男氏の遺児である金漢率(キム・ハンソル)氏のが話題になっていましたが、やはり正恩氏に命を狙われているようですね。
正恩氏は叔父の張成沢も処刑していますし、現在の北朝鮮の非人道的な国内状況や米国人の青年を植物状態で帰国させ死亡させるなどからも、トランプ氏本人はともかく、米国側の判断として、金正恩氏を北朝鮮の指導者として好ましくない人物だと思っているのではないでしょうか。
文在寅の口車に乗るほど米国が甘いはずもなく、先に核関連施設を全て放棄しない限り制裁解除には踏み切るわけにはいかず、秘密の核関連施設の場所も米国はつきとめているのでしょういから、もう騙されなかったということですね。
2019/2/28(木) 午後 11:03 kamakuraboy
> 泉城さん
確かにこのタイミングでの在韓米軍撤退はないのでしょうが、米韓合同軍事訓練も去年から行われていませんしそもそも韓国軍は米軍のイージスシステムなどとも連動していないそうで(内部に北の工作員なども浸透している可能性が大きく)重要な軍事機密も共有できないと判断されているようですし、今後も国連軍の足手まといなだけではないかと思います。
在韓米軍基地を後方に移動させて規模を縮小し、とりあえず、このまま制裁を続けて北朝鮮が内部崩壊するのを待つということではないでしょうか。
文在寅氏は北の報道官レベルの人物でしかないので、彼を相手にしても仕方なさそうですが、一応会談の内容をトランプ大統領が伝えるようですね。
北朝鮮が切羽詰まって在日米軍基地と日本を攻撃する可能性もなくはないのでご指摘の通り「いずれにしろ、日本は東亜の防衛戦略を念頭に、あらためて防衛対策を考えねばならない」ということですね。
2019/2/28(木) 午後 11:21 kamakuraboy
> kamakuraboyさん
おはようございます。
もはや重要な軍事機密は韓国軍とは共有できないと思います。
海自護衛艦「いずも」の釜山入港の見送りや、海上自衛隊が観艦式に韓国軍を招待しないことにしたのもレーダー事件などへの批判だけではなく韓国軍との防衛協力をしないあらわれと思います。
韓国を通じて軍事情報が北朝鮮に漏洩していることが大きな問題です。
2019/3/1(金) 午前 8:02 泉城
> 泉城さん
おはようございます。10月の海自の観艦式には韓国軍は招待しないようですね。
朝鮮半島の有事でも在韓米軍は議会の承認なく自動投入はないそうですし、もはや韓国軍と共に戦う気は米国にはないのではないかと思います。だから日本も韓国との1年毎に延長する「軍事情報包括保護協定」(GSOMIA)を今年は延長しない方向だと思います。
二国間関係の基本条約をないがしろにして日本企業の資産差し押さえを放置している(というより文在寅が任命した最高裁判事に敢えて差し押さえ判決を出させている)今の文在寅韓国は友好国でも同盟国ではもはやないとみなすべきですし。
北朝鮮はハノイの米朝会談がノーディールだったことを国内向けには「日本の妨害」ということにしたいようですね。どこまでも稚拙で浅はかな国ですが、正恩のような人物を担いでの専軍体制などということ自体がそもそも悲劇的ですね。
2019/3/1(金) 午前 8:43 kamakuraboy
米朝交渉の歴史をみてみることに。
朝鮮半島分断は第二次大戦後の米国とソ連による分割統治という米ソの冷戦の副産物であるといわれているが、米ソが引き揚げた後の朝鮮戦争(50年6月~53年7月)は実質的には米軍と北朝鮮軍+中国義勇軍との戦争で、休戦協定もこの三者によってなされた。
北朝鮮は金王朝体制下の90年代の朝鮮半島危機では、クリントン政権当時の93年、米朝全面戦争の一歩手前まで行き、同じ民主党のカーター元大統領の訪朝で回避されたと言われている。この功績によりカーター元大統領は2002年にノーベル平和賞を授与された。
カーター元大統領は民間人としての立場であり、このときの交渉のテーブルには米国からはロバート・ガルーチ国務次官補、北朝鮮からは姜錫柱外務次官がついたそうだ。
94年10月、米朝の枠組み合意で北朝鮮はプルトニウム濃縮を凍結し、IAEAの査察を受け入れる見返りに、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)を発足しプルトニウム抽出の難しい軽水炉2基の建設提供と、軽水炉完成まで毎年50万トンの重油の提供というエネルギー支援を米国からとりつけた。
米国は海外から資金を集めたり、議会の承認を四苦八苦して得て、96年に重油を一部提供したとされている。
95年3月にKEDOは日本、米国、韓国の共同組織として発足。95年に新浦市に軽水炉の建設計画を立案、97年8月に着工式が行われ、98年に韓国電力公社KEPCOとの間で軽水炉建設計画の契約書に署名。
軽水炉の建設費用については30%が日本負担、70%が韓国負担とされたが、実際には2000年までその莫大な費用について語られることはなかったという。
94年の米朝合意は暗礁に乗り上げ、IAEAによる査察を北朝鮮が拒否し、米国の調査によって北朝鮮のウラン濃縮による核開発の続行が明るみになると北はIAEAの査察チームを国外退去としてIAEAからの脱退を宣言。
98年8月、北朝鮮は弾道ミサイル実験を再開。(このときテポドン1号は日本上空を通過して太平洋に着弾)2003年1月北朝鮮はNPTからの即時脱退を宣言。
これらを受け2003年11月KEDOは北朝鮮への軽水炉供与事業を12月1日から1年間凍結を発表。2005年11月KEDOはNYで理事会を開き、清算を決定、軽水炉事業を廃止することで合意。
つまり、「実際には軽水炉は建設されていなかった」のである。ということは、北の主要な電力源はいまだに「併合時に日本が作った水豊水力発電所」であるということでは・・・・
ところで94年の米朝合意の背景とは、現実には北朝鮮の「ソウルを火の海にする」という脅し文句が大きかったようである。
38度線付近の非武装地帯のすぐ北側には40km以上の射程をもつ240ミリ多連装ロケット砲や170ミリ自走砲が約300門配置されており、短時間に9000発をソウル近郊に砲撃することが可能なのだという。
2016年3月の韓国東亜日報の記事によれば、北朝鮮は従来の240ミリ放射砲よりも発射口径が大きく破壊威力の大きい300ミリ新型放射砲を240ミリ放射砲に変えて実戦配備予定で、この新型放射砲(KN-09)は弾道ミサイルよりも飛行高度が低く、韓国に配備されているPAC-2では迎撃不可能と考えられている。
38度線とソウルは僅か40kmの距離でしかなく新型放射砲の最大射程は200kmともいわれ裕に射程範囲であること、延坪島砲撃事件後に、(北朝鮮が撃った170発の内の90発は海上に落下)北朝鮮が砲弾にロシア製のGPS
「グロナス」を装着し、平均誤差半径を10mまで縮め、放射戦力を「物量攻勢」から「精密攻撃」に進化させているともいわれている。
これらのロケット砲の多くは地中待避壕の中に隠されているものの、米軍の保有する精密誘導弾1000発でその出入口を攻撃すれば、300門のKN-09砲撃を制圧することが「可能」とされてはいる。
2004年7月に米韓両国の合意により龍山の在韓米軍基地の閉鎖とソウル南方80kmの京畿道平沢への米軍基地移転が決まり、今年6月29日に移転完了している。しかし、米軍軍事情報サイト「ディフェンス・ワン」は「(200km射程で「グロナス」装着の)北朝鮮の新型放射砲KN-09は技術面で進歩して韓国内の米軍基地に深刻な脅威である」と分析。
従って、数年以内に現実のものとなるであろう在韓米軍撤退は米軍にとり当然の退避行動といえる。仮に米軍による北朝鮮への軍事行動があるとすれば、在韓米軍撤退後に起こる「可能性の話」としては否定できない。
今回の2018年6月の米朝合意後も、数兆円といわれる北の核の廃棄にともなう莫大な費用負担についてはいまだに語られることがなく(米国は自国は負担せずと表明。「韓国が負担するだろう、日本も」などと言及)従って、北朝鮮による核の「完全廃棄」(←元から専門家の間では「既に不可能」と結論)はなされないため、このままいけば、
①トランプ米軍+国連軍が北緒戦に対する軍事行動に出るかあるいは、
②核の一部廃棄とミサイル放棄で米軍と密約後、北朝鮮は事実上の「核保有国」の立場を得て韓国に対する軍事的優位性をもって半島統一がなされる、(もちろんそのとき在韓米軍は撤退済み、日米は介入せず)というシナリオかと。北の傀儡政権である文在寅韓国は現在南北を結ぶ鉄道建設を計画中。
韓国は空前の少子化(ついに出生率は世界初1.0以下に突入)で、近未来において徴兵制が崩壊し「韓国軍」を維持することが出来なくなるので、今の内に半島統一しておいた方が長期的な生物学的観点からは朝鮮民族にとってリスクが少ない。経済格差は10~20年で解消可能。
今後、「核保有国」となった隣国の半島情勢の変化に応じ「核による非対称性の軍事的状態」を日本が受け入れていくのかどうかはまた別問題で、日米同盟の核の傘からは永久に出ることが出来ないという状況を続けていくのか、独自の道を選ぶのか。
コメント
私の予想は②ではないかなあと思います。
日米のシナリオとしてはロシア、中国、韓国にとって目障りな独立勢力。
いわゆる都合のよいテロ国家に北朝鮮を仕立てあげようとしているのではないかと思っています。
わからなのはロシアとアメリカの関係です。まあ、アメリカ側が内部分裂しているために混沌とした状況なのかもしれないですが・・・
2018/7/9(月) 午後 7:27 [ 黒岩虎吾郎 ]
> 黒岩虎吾郎さん
コメントをありがとうございます。私もそう思います。というのも、第二次朝鮮戦争は日本にとっても難民流入というリスがあり、1発でも在日米軍や日本の要衝をミサイル攻撃されれば、世界経済に混乱をおこす可能性が大きくて実際には米軍の軍事圧力はこの地域には行使できないと判断されて、米朝会談を行ったのだと思います。ですが、中間選挙前にトランプ大統領の「目に見える成果」が北朝鮮問題では指摘されはじめていますね。昨日だか実務的交渉に当たっているポンペオさんが、「手ぶら」で北朝鮮から戻ってきた、など。北朝鮮はちょっと危険な挑発をまた始めているようですし。
2018/7/9(月) 午後 8:42 kamakuraboy
> 黒岩虎吾郎さん
ロシアとアメリカの関係は、今後良くなりそうです。アメリカは中国との経済戦争を始めていますし、G7にロシアを戻そうと、この前カナダのG7会議で発言していましたよね。
EUや日英とも関税問題があるから、対立の構図を変えたい思惑があるのだと思います。
クリミア半島問題は既に規制事実化しましたし。サッカーW杯も無難に運営してますし。
2018/7/9(月) 午後 8:49 kamakuraboy
> kamakuraboyさん
ロシアの情報ありがとうございます。
その情報からだとアメリカの思惑は親ロシアで固まったんでしょうね。
現在の北朝鮮の考えは・・・やってい事と密約が時と場合によっては違う動きがしているように感じます。ようするに同じ挑発でも密約アリとナシで微妙にちがうと。
ただ、それが上手く読み取れない、予測するのが面白いところではあるのですが・・・
2018/7/9(月) 午後 11:56 [ 黒岩虎吾郎 ]
> 黒岩虎吾郎さん
北朝鮮は後ろに中国がいて、常に中国の指示に従っているのだと思います。現在経済制裁されている北朝鮮にとっては、米国の顔色を気にせず国連の制裁もものともせずに「瀬取り」で燃料を補給してくれる中国はパトロンのような存在でしょう。
一方トランプも金正恩にホットラインの電話番号を渡して、「何かあれば自分に電話するように」などと言って独自の動きをしているとかで、米国内部でも困っているようですね。トランプ大統領自体も「不確定要素」ということのようです。
2018/7/10(火) 午前 0:14 kamakuraboy
> kamakuraboyさん
こんばんは
きょう2019年2月28日にベトナム・ハノイで行われた米韓首脳会談については、事実上の決裂になりましたね。
トランプ大統領が制裁緩和に走るのではないかとの憶測がありましたから変に妥協しなかったのは良かったと思います。日本は一貫して核廃絶なくして制裁緩和はしないと明言しまた米国にもその旨伝えてきたので良かったと思います。米国は「瀬取り」に厳しく対応することになりそうです。
金正恩は困ったことになりましたね。4回の高官会議と2回の米朝首脳会談の結果何も得られなかったとなると、国内での正恩の立場は難しいものがあるでしょう。北朝鮮は、今後中国頼みが増えるはずです。
また、韓国の文在寅がいちばん困ったことになりました。北への超傾倒で制裁緩和を働きかけていましたが当分の間は制裁緩和がなくなったことが明らかになり南北融和に影を落とす結果になりました。ただ、コメントを読む限り本人は全く理解していないようです。
2019/2/28(木) 午後 10:25 泉城
> kamakuraboyさん
米朝交渉が暗礁に乗り上げましたのでしばらくは首脳会議は開催されず、この隙間に、日本は北朝鮮と話すチャンスが生じたように思います。
首脳会談の拡大会議に強硬派のボルトンが同席していたことから、ボルトンにウエイトが移行しているようなので在韓米軍の縮小は当面無さそうです。
ただ、今後北朝鮮はどのように動くか予断を許しませんので、いずれにしろ、日本は東亜の防衛戦略を念頭に、あらためて防衛対策を考えねばならないと思います。
今回の米朝首脳会談を契機に、わずかなライトでも、暗闇に明るい希望が見えるといいですね。
2019/2/28(木) 午後 10:44 泉城
> 泉城さん
こんばんは。コメントをありがとうございます。米朝首脳会談はやはりやるだけ無意味でしたね。北朝鮮にせよ韓国にせよ日本の教育を受けた世代は既にいなくなってしまったので、イソップ童話に出て来るカエルのお母さんのような人物ばかりでまともな交渉相手になるわけがないのだと思います。
マレーシアで(金正恩の指示で)暗殺された長男正男氏の遺児である金漢率(キム・ハンソル)氏のが話題になっていましたが、やはり正恩氏に命を狙われているようですね。
正恩氏は叔父の張成沢も処刑していますし、現在の北朝鮮の非人道的な国内状況や米国人の青年を植物状態で帰国させ死亡させるなどからも、トランプ氏本人はともかく、米国側の判断として、金正恩氏を北朝鮮の指導者として好ましくない人物だと思っているのではないでしょうか。
文在寅の口車に乗るほど米国が甘いはずもなく、先に核関連施設を全て放棄しない限り制裁解除には踏み切るわけにはいかず、秘密の核関連施設の場所も米国はつきとめているのでしょういから、もう騙されなかったということですね。
2019/2/28(木) 午後 11:03 kamakuraboy
> 泉城さん
確かにこのタイミングでの在韓米軍撤退はないのでしょうが、米韓合同軍事訓練も去年から行われていませんしそもそも韓国軍は米軍のイージスシステムなどとも連動していないそうで(内部に北の工作員なども浸透している可能性が大きく)重要な軍事機密も共有できないと判断されているようですし、今後も国連軍の足手まといなだけではないかと思います。
在韓米軍基地を後方に移動させて規模を縮小し、とりあえず、このまま制裁を続けて北朝鮮が内部崩壊するのを待つということではないでしょうか。
文在寅氏は北の報道官レベルの人物でしかないので、彼を相手にしても仕方なさそうですが、一応会談の内容をトランプ大統領が伝えるようですね。
北朝鮮が切羽詰まって在日米軍基地と日本を攻撃する可能性もなくはないのでご指摘の通り「いずれにしろ、日本は東亜の防衛戦略を念頭に、あらためて防衛対策を考えねばならない」ということですね。
2019/2/28(木) 午後 11:21 kamakuraboy
> kamakuraboyさん
おはようございます。
もはや重要な軍事機密は韓国軍とは共有できないと思います。
海自護衛艦「いずも」の釜山入港の見送りや、海上自衛隊が観艦式に韓国軍を招待しないことにしたのもレーダー事件などへの批判だけではなく韓国軍との防衛協力をしないあらわれと思います。
韓国を通じて軍事情報が北朝鮮に漏洩していることが大きな問題です。
2019/3/1(金) 午前 8:02 泉城
> 泉城さん
おはようございます。10月の海自の観艦式には韓国軍は招待しないようですね。
朝鮮半島の有事でも在韓米軍は議会の承認なく自動投入はないそうですし、もはや韓国軍と共に戦う気は米国にはないのではないかと思います。だから日本も韓国との1年毎に延長する「軍事情報包括保護協定」(GSOMIA)を今年は延長しない方向だと思います。
二国間関係の基本条約をないがしろにして日本企業の資産差し押さえを放置している(というより文在寅が任命した最高裁判事に敢えて差し押さえ判決を出させている)今の文在寅韓国は友好国でも同盟国ではもはやないとみなすべきですし。
北朝鮮はハノイの米朝会談がノーディールだったことを国内向けには「日本の妨害」ということにしたいようですね。どこまでも稚拙で浅はかな国ですが、正恩のような人物を担いでの専軍体制などということ自体がそもそも悲劇的ですね。
2019/3/1(金) 午前 8:43 kamakuraboy