前回:【三国志を解釈する】(4)黄巾の乱 道術を悪用した張角が残したもの
前章では、黄巾軍が反乱を起こし、張角軍が幽州(注1)の国境に攻め込んできたので、状況は危機的であったということを紹介しました。総督である劉焉は、全県に義勇兵を徴集する召集令状を発行し、その召集令状が涿県(注2)に届いたということです。そこで、劉備が正式に登場することになり、「桃園結義」の物語が始まりました。
- 劉備登場 徳志先行
劉備の登場について、原作で最初に記述されるのは、彼の品行、性格及び大いなる志です。
原文:「那人不甚好读书;性宽和,寡言语,喜怒不形于色;素有大志,专好结交天下豪杰」。
訳文:「この人は読書が好きではない。言葉が少なく、穏やかな性格で、喜怒哀楽を表に出さない人である。大きな志を持ち、世界の豪傑や英才と親交を結ぶことに専念している」。
ここで漢の景帝のひ孫という皇室の出身や宗族、名前や字(あざな)などを最初に書かなかったことを不思議に思ったことでしょう。
その理由の一つとしては......
- 読書が苦手なわけ
- 王室の出自と貧乏な境遇
- 皇帝になる宿命との予言
【続きはこちら】
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます